学校施設等のアスベスト、調査未完了7割は体育館・文化施設
文部科学省は7月11日、学校施設等における石綿含有保温材等の使用状況調査(特定調査)の結果について各都道府県教育委員会教育長、各国公私立大学長などに宛てた通知を公表した。
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文部科学省
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文部科学省はこれまで、児童生徒らの安全対策に万全を期すため、学校施設等における石綿含有保温材等の使用状況について調査、報告するよう所管者に呼びかけてきた。公開された特定調査の結果は、平成28年10月1日時点での学校施設における石綿(アスベスト)を含有する保温材、耐火被覆材、断熱材の使用状況について調査した内容を取りまとめたもの。
平成26年10月1日時点の調査時と比較し、平成28年10月1日時点では調査完了率が93.8%から98.9%へ増加。機関数では2年間で6,959機関が新たに調査を完了したことがわかった。残る調査未完了の機関は全12万7,827機関中1,363機関。そのうち、公立社会教育施設579機関、公立社会体育施設440機関と、約75%は公立の体育館や文化施設が占めている。
幼稚園、小学校、中学校、高等学校などの公立学校は全3万8,667機関中179機関が調査未完了。露出保温材、耐火被覆材を使用している機関のうち、劣化や損傷など悲惨のおそれがあるなど、措置済みでない機関は4機関あった。
文部科学省は今後、学校施設等における石綿含有保温材等の使用状況調査について周知徹底するとともに、教育委員会や知事部局には各所管の学校、学校法人などに対し適切な対策がなされるよう指導してほしいとしている。
首相官邸が公表している「アスベスト(石綿)についてのQ&A」によると、石綿(アスベスト)は繊維が極め細く、所要の措置を行わないと石綿が飛散し、人が吸入してしまうおそれがある。物体自体が問題なのではなく、飛び散ること、吸い込むことが問題となるため、労働安全衛生法や大気汚染防止法、廃棄物の処理および清掃に関する法律などで予防や飛散防止が図られている。繊維は肺線維症(じん肺)、悪性中皮腫の原因になり、肺がんを起こす可能性があるというが、「短期間の低濃度ばく露における発がんの危険性については不明な点が多い」とされている。
《佐藤亜希》
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