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◆読書感想文に書く前に…大前提は「読みやすさ」
まだ本を読んでいない状況で読書感想文を仕上げることは困難です。本を最後までしっかり読み切ってから、読書感想文に取り組みましょう。本をしっかり読むことで、読書感想文を書く時に要点や感想を自然と落とし込むことができます。また、自分が読みやすい本を選ぶことで、よりスムーズに読書感想文を仕上げることができますよ。
◆4ステップで完成!1日でできる読書感想文
<1、本を選ぶ>
お勧めの選び方
・興味のあるジャンル
・身近なテーマ(背景)
・難しすぎる本はNG
・興味のあるジャンル
・身近なテーマ(背景)
・難しすぎる本はNG
名作や保護者のお勧め図書があったとしても、子どもにとって難しすぎる本を選んでしまうと、要点をまとめるのに必要以上に苦労してしまいます。自分にあった本を見つけましょう。
<2、「速読」の読み方をマスターしよう>
私たちは「音読」「黙読」「視読」の3つのやり方で文字を読んでいます。
・音読…1つひとつの文字を目で追いながら、声に出して文章を読むこと
・黙読…1つひとつの文字を目で追いながら、声に出さず文章を読むこと
・視読…文字を「かたまり」としてとらえ、瞬間的に視野に入れて文章を読むこと
・黙読…1つひとつの文字を目で追いながら、声に出さず文章を読むこと
・視読…文字を「かたまり」としてとらえ、瞬間的に視野に入れて文章を読むこと
多くの人は「黙読」で読んでいますが、速読では「視読」で読むことがポイントとなります。難しいように感じますが、たとえば私たちは電車に乗っている際、通り過ぎる看板などを瞬間的にとらえることができます。これも立派な視読です。
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読書と速読の違い
視読は慣れれば誰でも行うことができます。時間がない場合は、視読スキルを用いて図書の内容を速く、そして確実に理解につなげ、考えをまとめる時間を作ることができるとよいですね。さっそく、速読の具体的なトレーニング方法をご紹介します。
視読トレーニング
その1:現在の読書速度を確認する
1、で選んだ本を開き、タイマーで1分間に読める文章量を計測します。
視読トレーニング
その2:眼筋トレーニングを行う
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眼筋トレーニング
1、胸の前に両手を出し、親指を立てる。
2、顔を動かさないように注意しながら、左右の親指の爪を交互に見る(30秒)
3、左手を前に、右手を顔の近くに寄せる。前後の親指の爪を交互に見る(30秒)
※眼筋トレーニングは長時間続けると目に負担がかかることがあります(個人差はあります)。違和感があればすぐに中止してください。
視読トレーニング
その3:固定読みを行う
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固まり読みトレーニングの例
1、本の中の1行を適当に選び、切りのいいところで2~3つのかたまりに区切って読みましょう。これを7~8分程度行います。
2、文章をいくつかのかたまりにして読むことを「固定読み」といいます。この「固定読み」が視読のトレーニングになります。
「視読トレーニングその3」まで進んだら、「視読トレーニングその1」に戻ってもう一度読書速度を測りましょう。トレーニング前より速くなっているはずです。
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読書速読(読書速読認定)の平均と定着期間の目安
トレーニング語のスピード目安と学年を照らし合わせると、1分間に300文字程度は小学校低・中学年、500文字程度は小学校高学年以上の平均読書速度にあたります。よって、無理なく、しかしなるべく速く読める本を選ぶとするなら、このスピード対象学年に応じた図書を選ぶとよいでしょう。
<3、速読の読み方で読み進めながら、時折メモをとる>
メモとる場面
・印象に残る場面
・なぜ?と疑問が湧いたところなど
・印象に残る場面
・なぜ?と疑問が湧いたところなど
メモをとったり付箋を貼っておくと後から自分の感想をまとめるのにとても役立ちます。ただし、あらすじの解説になっていたり、テーマから脱線してしまったり、句読点や接続詞ばかりになっている読書感想文は「あるある失敗例」のひとつです。メモを活用し、最後のステップ「4、読書感想文にまとめてみましょう」へつなげましょう。
<4、読書感想文にまとめてみましょう>
「3、速読の読み方で読み進めながら、時折メモをとる」で作成したメモをもとに、まずはおおまかにどういった感想を持ったのか、全体を3つに分けてそれぞれまとめてみましょう。
はじめ:本を選んだ理由、簡単なあらすじ
なか:印象に残った場面、その場面で自分はどのように感じたのかを具体的に
・思わず何度も読み返すくらい◯◯のところに驚いた
・声を出して笑ってしまうくらい◯◯がおもしろかった
・◯年前に同じような経験をしたので共感した…など
おわり:感想のまとめ、この本を読んで学んだこと、自分に影響を与えたこと
なか:印象に残った場面、その場面で自分はどのように感じたのかを具体的に
・思わず何度も読み返すくらい◯◯のところに驚いた
・声を出して笑ってしまうくらい◯◯がおもしろかった
・◯年前に同じような経験をしたので共感した…など
おわり:感想のまとめ、この本を読んで学んだこと、自分に影響を与えたこと
◆速読という「読む力」
読書感想文に関するアドバイスは以上です。最後に、速読について少しだけ補足すると、速読は2020年度の大学入試改革以降にも通用する力であることを述べておきます。
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センター試験(国語)の文字数は年々増加しており、高校入試における「記述問題」の出題も増加傾向にあります。これからの時代の変化に対応するためには、試験の文字数増に対応するための「読む力」、記述試験に対応するための「解く力」、すなわち「速く読み解く力=速読力」が必要となります。
では、速読が役立つ場面って一体何でしょうか。具体例を3つあげます。まず1つめは、受験当日に実力を発揮できること。文章処理能力が高ければ試験に取り組む時間が増え、じっくり設問に取り組めます。落ち着いて問題を解けることから、精神的な負担も軽減されケアレスミスも減るでしょう。2つめは、学習の質が高まること。同じ学習時間でも、処理速度が速ければ学習量が増え、より濃い学習効果が得られます。3つめは、語彙力・表現力が増えること。読む経験が増えることで、文章に触れる機会も増加し、読解の基礎となる「語彙力」「表現力」を育むことができます。
敬遠されがちな読書感想文ですが、子どもの読書量や読むスピード、学習に対する姿勢を見直すチャンスとも言えるでしょう。ぜひ、前向きに取り組んでみてください。
協力:日本速脳速読協会