高大連携歴史教育研究会は、高校世界史・日本史教科書の改革や思考力育成型授業、大学入試・高校新テストなどの検討や歴史系出題のあり方など、大学や高等学校の壁を超えた改革提言を行うため、平成27年に発足した研究会。高校教諭や大学教授、教育関係者が賛同し、歴史教育実践の交流や意見交換を行っている。
歴史系教科書、収録用語は約70年で3倍へ膨張
公開された第1次案では、生徒を取り巻く高校歴史系教科書の収録用語が膨張傾向にあることを指摘。1950年代には1,300~1,600語だった収録用語は教科書改定の度に増加し、現在は世界史B・日本史Bともに約3,400~3,800語と、3倍近くの量になっているという。高大連携歴史教育研究会によると、収録用語の増加背景には、新しい研究成果を取り入れているという理由に加え、大学入試で問われた細かな事項が次改訂の際に収録される傾向が読み取れる。
高大連携歴史教育研究会は、このような用語膨張の傾向を受け、日本学術会議高校歴史教育分科会や日本歴史学協会歴史教育特別委員会の協力のもと、歴史教科書と大学入試の歴史系の出題用語に関連した用語精選基準案を作成。次期学習指導要領で求められる「主体的で対話的な深い学び(アクティブラーニング)」の実現に向け、用語精選の議論が具体的になることに期待を寄せている。
収録用語は約半分へ、アンケート募集中
提案された第1次案では、世界史と日本史の共通基礎用語192語を含め、世界史1,835語、日本史1,856語を選定。ほとんどすべての教科書に記載されている用語を中心に、現行の約半分に絞り込んだ。絞り込む際には、現代的課題を考えるうえで必要な歴史用語やそれを理解するための歴史や社会に関する諸概念と、資料をもとに考察したり、歴史の大きな転換や時代の基本的な特徴を説明したりする際に必要になる基軸的な「概念用語」を重視したとしている。
選定用語案は高大連携歴史教育研究会のWebサイトで公開中。教科書に収録されている用語の収録量や精選基準などについて訪ねている。2018年2月末までメール、もしくはWebアンケートで意見を募り、最終案の作成に臨む考え。
収録用語の多さについては、高校「生物」も話題になった。日本学術会議は平成29年9月28日、報告書「高等学校の生物教育における重要用語の選定について」を公表。ほかの理科教科に比べて膨大な量とされる「生物」の重要用語について、見直しが呼びかけられた。