この調査は、「コミュニケーション総合調査」の第1報として、「2017年の満足度と2018年への期待」の報告書をまとめたもの。調査対象者を、男女18~29歳の「大学生(専門学校生・短大生を含む)」、男女18~59歳のフルタイムで働いている「会社員」、女性18~59歳の「主婦(専業主婦・パートやアルバイトの有職主婦)」、男女60歳以上で夫婦ともに(未婚の場合は自身が)働いていない「リタイア層」の4つのカテゴリーに分類し、各515サンプルを抽出。2017年10月3日~4日の実施期間で得た計2,060サンプルの有効回答から、複雑化する現代のコミュニケーションを鑑み、コミュニケーションに対する総合的な満足度やその要因を分析している。
普段のコミュニケーション手段は、全体平均で「直接(対面で)話す」が65.6%ともっとも多く、「LINE・チャット」13.0%、「電話・テレビ電話」9.5%、「メール」7.3%、「SNS」3.6%、「その他」1.1%。大学生は「直接(対面で)話す」が59.5%と、会社員、主婦、リタイア層と比較するともっとも低く、「LINE・チャット」が22.2%と高くなっている。
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画像:コミュニケーション手段の内訳
2017年のコミュニケーションの満足度を質問すると、全体での平均点は59点。楽しくコミュニケーションがとれたかどうかについて、全体の14.4%が「全体的に楽しくコミュニケーションをとることができた」、40.1%が「どちらかというと、楽しくコミュニケーションをとることができた」と回答。この2つを合わせた割合は、大学生66.2%がもっとも高く、会社員44.9%がもっとも低かった。
2017年のコミュニケーションを「楽しくとることができた人」と「とれなかった人」の違いを分析すると、「楽しくとることができた人」は、「メールやSNSよりも、実際に会ったり電話で話すことが多かった」57.3%、「知り合い・友人の数が増えた」45.1%、「今まで面識がなかった人とコミュニケーションをとることが多かった」39.5%が高い傾向にあった。一方、「とれなかった人」は、「コミュニケーションの量が足りなかった」が50.9%と高い。楽しいコミュニケーションに影響する要因として、「リアルなコミュニケーション」があることがわかった。
また、2018年のコミュニケーションについては、「リアルなコミュニケーションを大事にしたい」がもっとも多く、全体で68.9%にのぼった。そのほか、「自分の意見や思いを表現する力を伸ばしたい」65.8%、「相手の話を聞く力を伸ばしたい」63.8%、「雑談する力を伸ばしたい」58.4%など。JTBコミュニケーションデザインによると、リアルなコミュニケーションを希望することに加えて、コミュニケーションスキルを高めたい意向がみられるという。
大学生は、全体的にスコアが高い傾向にある。「リアルなコミュニケーションを大事にしたい」は80.2%、「自分の意見や思いを表現する力を伸ばしたい」82.1%、「人の前で発表する力を伸ばしたい」81.9%のほか、「コミュニケーションの量を増やしたい」72.4%、「広くいろいろな人とコミュニケーションをとりたい」72.2%など、コミュニケーションの量や広さに関する意向も高い。
コミュニケーションの満足度は、生活全体の満足度に影響を与える。JTBコミュニケーションデザインでは、満足感を持って毎日を送るためには、リアルなコミュニケーションを意識し、量を適切に増やす、広がりのある人間関係を作るほか、ある程度のコミュニケーションスキルを維持・向上させることが必要だとしている。