インフルエンザ新薬に期待、京大ら研究グループが新発表
京都大学は2018年1月10日、インフルエンザウイルスの遺伝の仕組みを解明したことを発表。インフルエンザウイルスの増殖機構の理解に大きな知見を与え、今後、ウイルスRNAの集合を標的とした新規抗インフルエンザ薬の開発に繋がることが期待されるという。
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今回の発表を行ったのは、河岡義裕教授(東京大学 医科学研究所)と野田岳志教授(京都大学 ウイルス・再生医科学研究所)らの研究グループ。あらゆる生物において子は親からゲノム(遺伝情報)を受け継いでおり、ウイルスも同様に子孫ウイルスは親ウイルスからゲノムを受け継ぐ。しかし、8本に分かれたRNAをゲノムとして持つインフルエンザウイルスが、どのようにそのRNAを伝えるかという仕組みの詳細は不明だった。
研究グループは以前、子孫インフルエンザウイルス粒子の中のRNAの解析を行い、子孫ウイルスが「1+7」という特徴的な配置(中心の1本のRNAを7本のRNAが取り囲む配置)をとった8本のRNAを取り込むことを明らかにしていたが、この特徴的な配置にどのような意義があるのかはわかっていなかった。今回の研究では、ウイルスRNAを1本欠き7本しかRNAを持たない変異子孫インフルエンザウイルスにも、「1+7」の配置にまとめられた8本のRNAが取り込まれることが判明。この変異子孫ウイルスに取り込まれた8本目のRNAは、インフルエンザウイルスのものではなく感染細胞に存在するリボソームRNA(細胞のタンパク質合成を担うリボソームを構成するRNA)だったという。
この発見から、インフルエンザウイルスが子孫ウイルスにゲノムを伝えるとき、8本のRNAを「1+7」に集合させる過程が重要であること、さらにウイルスにRNAが足りないときには「1+7」配置にまとめるため、感染細胞のRNAを奪う仕組みを持つことがわかった。
研究グループによると、この研究成果はインフルエンザウイルスの遺伝に関する巧妙な仕組みを明らかにしたという点で重要であり、インフルエンザウイルスの増殖機構の理解に大きな知見を与えるものだという。今後、ウイルスRNAが「1+7」に束ねられるメカニズムがより詳細にわかれば、8本目のRNAの集合を阻害するといった新しい作用機序の抗インフルエンザ薬の開発に繋がる可能性がある。この研究成果は、2018年1月4日午後7時付で、英国の科学雑誌「Nature Communications」に掲載された。
《黄金崎綾乃》
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