【高校受験】千葉県公立高入試、前後期選抜を一本化…意見募集

 千葉県教育委員会は平成30年2月16日まで、県立高等学校入学者選抜の改善方針案について、県民からの意見を募集する。前期・後期と2回の受検機会がある現行の選抜から、本検査1回にまとめて実施する案で、平成33年度(2021年度)入学者選抜以降の導入を予定している。

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 千葉県教育委員会は平成30年2月16日まで、県立高等学校入学者選抜の改善方針案について、県民からの意見を募集する。前期・後期と2回の受検機会がある現行の選抜から、本検査1回にまとめて実施する案で、平成33年度(2021年度)入学者選抜以降の導入を予定している。

 千葉県では平成23年度(2011年度)入学者選抜から、「特色ある入学者選抜」の理念を継承した「前期選抜と、「学力検査などによる入学者選抜」を継承した「後期選抜にて、2回の受検機会を設けた入学者選抜を実施。平成29年度(2017年度)入学者選抜まで7回を実施するなかで、入試制度の課題が指摘されてきた。

前期選抜・後期選抜の課題



 前期選抜は、定員設定が全体の約6割にあたることから、受検生の4割以上が不合格を経験。しかし、不合格となった受験生のうち約6割は、後期選抜で同じ学校・学科を受検しているという。

 また、学習の成果に加え生徒の優れた面を多元的に評価する「前期選抜」、おもに生徒の学習成果を評価する「後期選抜」と異なる趣旨で行われているが、いずれも学力検査を実施することから、違いがわかりにくくなっている。2回の選抜で受検期間が長期化し、授業確保が難しいという点も指摘された。

一本化試案で改善を…2/16まで県民意見募集



 高校・中学校の入試実務担当者で構成する専門部会では、このような現状を改善し課題の解消を図るため、前期・後期による選抜から本検査1本にまとめて実施するという改善試案を提示。千葉県公立高等学校入学者選抜方法等改善協議会でも協議し、県教育委員会がその意見を踏まえて改善方針案を取りまとめた。

 改善方針案では、1日目に学力検査3教科、2日目に学力検査2教科を実施。また、2日目には、面接・集団討論・小論文・適性検査・学校独自問題などから、いずれか1つ以上の検査を行う。学習の成果に加え、中学校での取組みなど生徒の優れた面を多元的に評価できる選抜で、現行の入学者選抜の理念を継承する。

 実施時期は2月下旬を想定。受検時期を現行より遅くすることで、新学習指導要領への対応を含めた、中学校・高校の授業時間を確保する。受検生に対しては、学力検査を2日間に分けることで負担軽減を図る。そのほか、インフルエンザや、やむを得ない理由により本検査を受検できなかった受検生の受検機会を保障するため、追検査も設ける。合格発表は3月上旬、本検査と追検査の結果をあわせて発表する。

 導入時期は制度の変更に伴う準備期間を考慮し、平成32年度に実施する平成33年度(2021年度)入学者選抜以降を見込む。改善方針案作成の経緯や改善方針案などの資料は、千葉県Webサイトに公開されている。意見などは意見提出様式に記入のうえ、電子メール・郵送・ファックスいずれかの方法で提出する。期限は平成30年2月16日(金)必着。 

《黄金崎綾乃》

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