では、どのように英語学習をしていけばよいのだろうか? 学ばねばならない科目は英語だけではない。クラブ活動等もある中で、英語4技能習得を目指す時間を確保するのはなかなか難しい。その1つの回答が、時間を気にせずどこでも学習できるアプリだろう。そこで今回、Z会のアプリ「Z会Asteria(アステリア)」を利用して英語4技能講座を受講してみることにした。
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自分のレベルと目的に合わせた学習ができる
「Z会Asteria(アステリア)」はiPadアプリである。Z会に申し込んだ後は、App Storeからインストールして学習を開始する。Z会Asteriaでは「英語4技能講座 Program E」「数学系統講座 Program M」「総合探究講座 Program Z」が提供されているが、今回は「英語4技能講座 Program E」を選択。次のような画面が表示された。
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「英語4技能講座 Program E」では、4技能を学習できる
英語4技能のすべてを学習できるが、私の画面では学習を開始する前から「Listening」「Writing」がオススメだと表示されている。なぜかというと、最初に現在の自分のレベルや学習目的を設定しているからだ。「学習設定」をタップすると、現在の学年、英語が苦手かどうか、英語を使用する地域に住んでいるか、学習のペース、学習目的、英検などの「4技能試験」のレベルなどを登録できる。
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学習設定では、学年や学習目的、学習ペース等が設定できる
私の学習設定では、「中学3年生」で「難関国公立・難関私立大学に合格したい」「英検3級」とした。すると、次のようにコースと、英語4技能のゴールレベルが設定される。なお、学習設定は間違えても後から変更できる。自分の最終的な目的、技量を登録しなおせるので安心だ。
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英語4技能の学習ゴールが示される
言語指標CEFRの日本版「CEFR-J」に完全対応
学習ゴールに示されている「A2.1」や「B2.1」は何だろうと思われる方もいるだろう。これは世界中で利用されている言語指標CEFR(セファール:Common European Framework of Reference for Languages: Learning, teaching, assessment)でのレベルを示している。言語能力の習熟度をはかる尺度である。
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CEFRとCEFR-Jの段階(出典:Z会)
このCEFRは、将来大学を目指す方には大きな指標である。2020年度からセンター試験に代わって行われる「大学入学共通テスト」では、外部試験が導入されることになっているが、外部試験の結果はCEFRの段階に置き替えた成績が大学に送付されることになる。
CEFRをさらに日本人の英語学習に特化させたものが「CEFR-J」で、Z会Asteriaは「CEFR-J」を初採用したアプリである。将来の大学受験を目指すには最適だといえるだろう。ちなみに、2020年から2023年度までは外部試験と共通テストの英語試験が併存し、2024年度以降は外部試験利用に一本化される予定だ。
なお、CEFRのレベルでいうと、大学入試で特典が得られるレベルがB2、文部科学省が定める高校卒業時の標準レベルがB1である。すでに2018年度入試において、外部試験資格取得者への優遇措置を行う大学も数多い。
受講者に最適化した出題で効率的にレベルアップ
Listening(聞く)
学習設定が終わったところで、まずはオススメのListeningの「Training」から始めてみた。Trainingでは、最初にこのレベルでは何ができるようになるかが示されている。たとえば私の場合は、「公共交通機関の短い完結なアナウンスを理解する」「具体的な指示や説明(例:学校の宿題、旅程の日程)を理解する」と記されていた。このように何ができるようになるかが明示されていると、学習意欲が上がってくるが、後述するWriting、Reading、Speakingにおいても同様に、最初に「できるようになること」が示されていた。
いよいよ問題を解いていくのだが、最初に出題されたのは、桜に関する英語の話を聞いて、「なぜ日本から桜の木がワシントンやニューヨークに贈られたのか?」を4つの選択文から選ぶというもの。
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Listeningの「Training」画面
続いて、「雑煮」「ヒップホップ」といった食べ物や音楽など日常生活や文化に関することが次々に出題されていく。実は英語4技能すべてに用意されている「Training」では、各問題の正誤とともに、それまでの学習履歴や習熟度、他者の学習状況や学習履歴も含めて分析され、次の問題が提示される。ひとりひとりに合わせ、効率的にレベルアップをはかるアダプティブラーニング(適応学習)を可能としているのだ。
なお、学習設定でコースを「Business」、学習目的を「日常会話ができる程度」にして学習を開始した人によると、Listeningで最初に出題されたのは天気予報を聞き取る問題だったという。目的に合わせた出題がされていることがわかる。
さて、Z会Asteriaで学習を進めると学習マップが表示される。次のようにCEFRに基づいて現在どこまで到達し、学習しているのかがわかるので、まだ先は長いが、こなしていけば難関大学を目指すだけの実力が付くと思うとがんばることができそうだ。
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学習マップで、現在のレベルとゴールがわかる
Writing(書く)
次に、やはりオススメのWritingを開始。Writingでは、Trainingとともに文法の「映像学習」も行える。私の学習すべきレベルA2.1のPart1で学ぶのは「簡単な句や文であれば、手紙や電子メールの中で自己紹介することができる」こと。その前提となる文法を、映像によって学ぶわけだ。
具体的にここでは、動名詞や等位接続詞(and、but、or、so、for)を学んだ。簡単そうな項目だが、どのようなことを伝えたいときに用いるのかを、具体的な事例を示しながら教えてくれるので、頭の中で接続詞などを整理することができた。こうした文法の基礎知識を学習した上でTrainingに入れるので、無理なく問題を解いていくことができるのだろう。
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文法を映像で学習
Trainingでは、動名詞などの基礎文法を思い出しながら、なんとかクリアしていった。
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Writingの「Training」画面
Reading(読む)
Readingはこれまで学校でもしっかりと学習してきたこともあって、4技能の中では一番自信のある分野。Trainingでは、結構長い問題文を読んで設問に答えることになるが、スムーズに解答をしていくことができた。
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Readingの「Training」画面
設問を最初に読んで何を問われているかを把握してから問題文を読むという、これまでの受験で鍛えた手法で、ほかの技能よりも短時間で進むことができた。やはり、繰り返し学習したことは身に付いているものだと、自信を少し取り戻した。
Speaking(話す)
4技能のうち最後に試したのが、これまでの学校教育では学習する機会の少なかったSpeakingである。これまでの受験英語では問われてこなかった技能だ。
Speakingでは、iPadのマイク機能を使って発話をする。私が最初に取り組んだ問題は、以下の画像のように、問題文の中から正しい選択肢を選び、それを発話するというもの。設問を見て、マイクをタップし、正しいと思う文を発話する。しかしなかなか正しい発音ができず、正答はどの選択肢なのかわかっているのに、〇にはならない。
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Speakingの「Training」画面。画面下に「少しペースをあげよう!」と表示されてしまった
そこで、問題文にあるヒントを見て、読み上げ音声を聞き、再度挑戦! しかし「the」がやっぱりきちんと表示されない。何度も間違っていると、画面下に「少しペースをあげよう!」と表示されてしまった。なんとか最後には正答することができたが、Speakingは初歩からやならないとだめだと実感。気をひきしめて次の問題へと進んだ。
問題の中には、問題文を聞いてそれをそのまま発話するといったものもあるが、同じように発音しているつもりでも〇にならないことも多い。自分の発音の悪さ、実践力のなさに愕然としてしまう。
こうして一番苦労したSpeakingだが、一番熱中したのもSpeakingだった。繰り返すうちに正答できるようになってきて、逆に自信につながってきた。そうなると、私の発音もまんざらではないのだな、と嬉しくなる。
これまで、家庭でSpeaking力を伸ばすのは難しかった。しかし、今回Z会Asteriaでトレーニングをしてみて、学習次第で伸ばすことができると実感した。
アウトプット力を磨くマンツーマンレッスン
Z会Asteriaでは、英語4技能のうちのアウトプットの力である「Writing」「Speaking」において、学習の節目ごとに「Brush Up(ブラッシュアップ)」という課題が出される。その節での総仕上げができるように工夫されているわけだ。
Writingの添削指導
「Writing」におけるBrush Upでは、「会話を聞いて、その内容のメモを作成しましょう」といった出題があり、作文をして提出すると、講師からの添削指導がある。間違いの指摘はもとより、ほかの表現方法を提示されるので、まさに学んだことを磨き上げることができる。
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WritingのBrush Upでは添削指導がある
私の最初のパートのBrush Upは、「ペンフレンドへの手紙」。書くことに慣れていない私にはとても難しかったが、講師による評価が怖くもあり、楽しみでもあった。
Speakingでは外国人講師とマンツーマンレッスン
「Speaking」におけるBrush Upでは、なんと外国人講師によるマンツーマンのレッスンを受講することができる。iPadで1日前までに予約しておくと、iPad内蔵のビデオカメラとマイクを使った25分間のレッスンが受けられる。これまで学んだことを活かして会話を行う実践的な授業だけに最初は緊張するが、1対1なので、講師が受講者に合わせて学習を進めてくれるので安心だ。
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専属講師とのマンツーマンレッスンでBrush Up
レッスンは、受講者と講師が挨拶を交わした後、一緒にゴールを確認するところから始まる。もちろんすべて英語だ。レッスン後には、評価レポートが届くので、自分の課題が明確になり、さらなる実践力が身に付くことになる。
英語で授業を受けることができる中学校、高等学校も徐々に増えつつあるが、まだまだ少ない。しかも、それを自宅というリラックスできる環境で行えること、日時を自分で決めることができることは大きな利点だ。私のようにまるっきりSpeakingに自信のない人も、優しい講師に導かれることで恥ずかしさを乗り越えて話すことができ、それが自信となって積極的に話せるようになる。まずは、どんどん発話していくことが大切なのだと感じた。
iPad 1台あればどこでも学習可能
Z会のiPadアプリ「Z会Asteria」を使ってみて感じたのは、まさにiPadを1台持って歩けばどこにいても学習できるということだ。
ほかの辞書を開く必要がない
問題を解いている最中にわからない単語が出てきたら、次のように単語帳を開くことができる。単語は自分のレベルに合わせて表示されるので全ワードではないが、便利な機能だ。これで、いちいちほかの辞書を開いてみる必要がなくなる。
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Training中に、単語帳を開くことができる
メモしておける
また、ツールメニューを使って、Listeningの最中に問題文のポイントをメモしておくことも可能である。
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ツールメニューで、手書きでもメモがとれる
学習を中断できる
学習はどこでも中断でき、それまで解いてきた学習結果が保存されるので、たとえば通学中の車内でも学習を行える。ただし、Speakingだけは、落ち着けるプライベートな場所を選んでじっくり学習してほしい。
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学習終了をタップすると表示される画面。「OK」をタップすれば、学習結果を保存して中断することができる
今回は、英語4技能学習の手段としてのアプリ「Z会Asteria」を利用してみた。グローバル化が叫ばれて久しいが、日本での実践的な英語教育は始まったばかりともいえる。さまざまな学習方法が提案されているが、タブレットの機能を利用し、アダプティブラーニングを実現するエンジンを搭載したZ会Asteriaは、確かにスキルアップさせてくれる教材だと実感した。将来、社会に大きく羽ばたくことを目指す中高生の毎日は想像以上に忙しい。自分の時間を管理し、すきま時間に学習できるアプリは、英語4技能対策の1つだといえるだろう。
Z会Asteria 資料請求受付中
Z会Asteriaでは資料請求を受け付けている。資料請求はこちらから。
<提供:Z会>
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