親子や中年を夢中にさせたのは、第11回 東北モーターショー in 仙台 2018(夢メッセみやぎ、2月10~12日)内の「電気レーシングカート“Kids ERK”教室」。
舘内端氏代表が率いる日本EVクラブが展開するERK(電動レーシングカート、Electric Racing Kart)の親子向け教室で、舘内氏による「地球温暖化とエコカーについて」レクチャー、親子で答える地球温暖化防止クイズ、Kids ERK 組立実演などを経て、実際に Kids ERK に試乗……、という流れ。
舘内氏のEV基礎講座が終わると、クイズコーナー。化石燃料による内燃機関とは違う、電気自動車が持つ仕組みやメリットについて、出題された。たとえばこんな問題だ。
「電気自動車やハイブリッド車は、電気を充電した電池を使って走ることができます。一方で電気を生み出すこともできます。発電する方法は、次のうちどれでしょうか」「V2H(ブイツーエイチ)は、どのようなしくみでしょうか」
◆問題は? でも、組み立ててみて仕組みを実感
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小学校低学年より下の子どもたちには難題。そこで、理屈ではなく実際に触れて、組み立ててみて、EVの仕組みを体感しようというのが、「組み立て体験」。
スタッフのアドバイスを受けながら、男の子も女の子も、レンチをギリギリ、マシンの下に入ってチェック。
この組み立て体験では、スタッフのフォローを得ながらもなかなか組み立てられない子どもたちに、「だいじょうぶ。何度もやってみて、できれば、うれしいって思うはず。人間はものをつくるように生まれてくる」と声をかける館内氏のことばが印象的だった。
◆リーフで使われているリチウムイオン電池をEVカートに
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いよいよEVカートの試乗時間。2台用意されたEVカートの前には子どもたちの行列ができ、パパ・ママたちがそれを見守るという構図に。
今回、子どもたちが体験するEVカートは2種類。小さいサイズのマシンには、鉛のバッテリーが左右に2台。大きめのマシンにはリチウムイオン電池が右側に1台のもの。
「リチウムイオン電池は、日産『リーフ』に200枚以上組まれるリチウムイオン電池を4枚使っている。モーターは電動スクーターなどに用いられるタイプのものを使う」とスタッフ。
リチウムイオン電池版モデルは、右側にバッテリー、モーターを積み、モーターの駆動力をチェーンを介してドライブシャフトに回転力が伝わる仕組み。左側にディスクブレーキなどがレイアウトされている。
◆コースアウト、動けない……子どもたちのパッションもいろいろ
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「早く乗りたい!」という思いがビシビシ伝わってくる会場で、子どもたちが見せてくれたドライビングは、笑いあり、教わるものありで、思わず拍手が出るほど。
思いっきりアクセルペダルを踏み、ブレーキを忘れてコースアウトする子。アクセルが怖くて発進できない子。ストップ&ゴーができるのにハンドルが切れない子……。10人いれば10通りの走りがあっておもしろい。
そこに共通するのは、「初めて運転する感動や衝撃、楽しさってこんな感じだったよね」と、大人たちが思うこと。子どもたちの誰もがヘルメットをぬぐと、目がキラッキラ。初めて体感した運転に、ドキドキしているようす。
舘内氏は、「エンジンでもモーターでも変わらない。自分でハンドルを握り、ペダルを操作して右へ左へと自在に走れたあのころの瞬間は、どんなにトシをとっても忘れない」と話していた。
◆EVの優れた点、楽しさをカートで体感
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実際に乗ってみると、EVが持つクイックでダイレクトな挙動は、あえておさえてある。子どもたちがなにも知らずにアクセルペダルをドカッと踏んでも、コントローラー側が制御し、ジワリと出る。
「踏んでいくと徐々にスピードが上がっていく」というスタッフのことばを信じてガバッと踏んでみるけど、あまり出ない。どうやら“子どもたち最優先チューニング”が施されているみたい。
それでも子どもたちと同じく、エンジンではなくモーターで走るEVカートの走りは未体験で、ドキドキする。電気で動くから、静音でガスもでないってことで、こうして室内で思いっきり走らせられるのもいい。
今回の「電気レーシングカート”kids ERK“教室」は、環境省が主催。同省が日本EVクラブとコラボレーションし、子どもたちの運転体験をEVカートで実施することで、国民運動「COOL CHOICE」で展開する「チョイス! エコカー」を親子で感じてもらいたいという思いが込められている。
舘内氏は、来場した子どもたちに、「いまのEVは、走ったぶんの6割が、再び電気エネルギーとなって電池に戻ってくる。これがEVの優れている点。2018年には埼玉で、電気自動車5台をつないで、V2Hの実証実験が始まる」とも伝えていた。
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