欧米先進国の大都市を訪問する場合、最近ではどんなに安値の宿でも無料Wi-Fiサービスを提供してくれる場所が多いようだ。ただ実際に訪れてみると、フロア内での部屋割りの影響によるものなのか、快適に使えるほどの通信速度が得られなかったり、Webサイトのブラウジング、写真データの送信、動画のアップロードなど負荷の大きなタスクもこなせるほどの無線通信は有料提供ということが多々ある。旅行情報サイトの口コミ情報をいくら隈なく読み込んだところで、現地に到着して予測不能な出来事に遭遇するなんてことも珍しくない。
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下り10Mbps前後の安定した速度
筆者が滞在した宿のWi-Fiも、追加料金が一切不要だったことは良かったのだが、到着した初日は比較的安定したスピードが出せていた環境が、MWCの開幕日あたりから徐々に右肩下がりになってしまった。やはり事前の備えあれば憂い無し。常時速報体制で臨まなければならない海外レポートの現場でネット落ちは禁物だ。レンタルWi-Fiルーターのおかげで、スムーズに仕事がはかどった。滞在中、ランダムにWi-Fiの通信速度を測ってみたところ、下りが10Mbps前後、上りも7Mbps前後のスピードがコンスタントに出せていた。仕事の合間に音楽や動画コンテンツもスムーズに楽しめる品質感だ。
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ポータブルサイズのルーターなので、当然ながらMWCのイベント会場までの道のりや、会場でレポートを書くときにも肌身離すことなく持ち歩いた。IT・通信の展示会とはいえ、広大なイベント会場の全域にプレスが無料で使えるWi-Fiが張り巡らされているわけではない。特にプレスルームは常時大勢の来場者で混雑しているので、会場廊下のベンチやカフェテリアなどちょっとした空きスペースを見つけたら、その場所でWi-Fiルーターを起動してワーキングスペースにできるのがありがたい限りだった。
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部屋に戻ってすぐに充電を開始すれば、朝起きた頃には端末のバッテリーは満充電になっている。そのまま電源をずっとオンにしていても、往復の移動から会場での取材時間も含めてWi-Fiルーターのバッテリー残量を心配する必要もなかった。
Wi-Fiルーターの使い方については、電源を入れてから本体のシールに記載されているパスワードを入力するぐらいなので、迷うことは恐らくないはずだが、もし機材のトラブルなどが発生した場合も日本語による24時間電話対応、またはメールによる窓口を設けるワイホーサポートが開設されていることも心強い。
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帰国後はパッケージ一式が揃った格好で、そのまま空港の返却カウンターに持ち込むだけ。速くてシンプルだ。宅配による返却も選べるほか、空港カウンターの営業終了後は返却ボックスも利用できる。
今回はレンタルWi-Fiルーターを常備したおかげでとても快適な海外取材の旅を過ごすことができた。春にまたイタリアに出かける用事があるので、今度は「イタリアワイホー 4G」を契約して万全の体制でのぞみたいと思っている。
※海外展示会で奮闘する日本のスタートアップ