1995年・1996年以降に生まれた「Z世代」と呼ばれる若者は、中学生時代にソーシャルメディアを使いはじめ、高校生になると同時にスマートフォンを所有するなど、それまでの世代とは異なる環境で成長してきた。
「Z世代会議」は、dot、ループス・コミュニケーションズ、4thにより2018年4月3日に設立されたプロジェクト。ソーシャルネイティブの若者たちが中心となって、Z世代の価値観やライフスタイルを研究し、企業と共に新たなサービス・製品を創りあげることを目的としている。これまでにも、朝日新聞社やキットカット、パナソニックなどと協業を実施しているという。
調査は、16歳から35歳のミレニアル世代2,824名を対象に実施したもの。デバイスやメディアとの接し方、コミュニケーションのあり方、ライフスタイルに関する考え方などを調査し、16歳から21歳の「Z世代」と、その年長世代である「Y世代」との価値観の違いを明らかにしている。調査期間は2017年9月12日・13日。
価値観やライフスタイルについて、16歳~21歳と29歳~35歳が選んだ項目でもっとも差が大きかったのは、「1つのSNSで複数のアカウントを使いわけている」で29.6ポイント差があった。2位に「直接会ったことのない人ともSNSでやり取りする」16.2ポイント差、5位に「SNSに写真を投稿するときは加工や編集をする」14.7ポイント差が入り、SNSの使い方が年代により大きく変化していることがわかった。
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画像:16歳~21歳と29歳~35歳
「恋人同士でのデートや食事はワリカンが当たり前だ」という男女平等意識は16歳~21歳のほうが高く、29歳~35歳と10.1ポイント差があった。また、先輩・後輩の関係を大切にする「上下関係は大事」や、同じ会社で長く働きたいといった「伝統的な仕事観」を持つ人の割合は16歳~21歳が年長世代より多く、堅実で保守的な考えを持つ若者世代が多いことが明らかになった。
16歳~21歳は、他人は自分のことをどう思っているかなど「人の目が気になる」が4割以上、「人付き合いが苦手」も約3割と、SNSに囲まれながら身近な人間関係に苦慮するようすがうかがえた。
Z世代会議は、ミレニアル世代を価値観・ライフスタイルごとに、「様子見フォロワー」「省エネペシミスト」「ソーシャルよいこ」「人生ガチ勢」の4つに分類。男性は各年代とも、価値観のばらつきが大きく、目立つ特徴のない人たちである「様子見フォロワー」が多かった。
SNSを器用に使いこなす「ソーシャルよいこ」は、16歳~21歳の女性に多く該当した。新しいもの好きでトレンドに敏感、情報感度が高い一方で、人の目が気になる人が多く、Z世代の特徴とも重なる傾向を示している。