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UPDATE GATEの概要
UPDATE GATEは、外側に49インチの4K液晶を2枚、内側に55インチの4K液晶を1枚備えた玄関ドア。液晶には強化ガラスが貼られている。屋外(外側)では人感センサーで人を感知した後に、顔認証システムで自動解錠する。登録されていない人物が来た際には顔を撮影し、その映像をスマホに届けるといった防犯の仕組みも考えられている。
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屋内(室内側)では、搭載カメラが家族一人ひとりを認識。AIが”執事”となり、その人に必要な情報を判断してディスプレイに表示するほか、電子音声でも呼びかける。その内容は、天気予報、交通情報、その日のスケジュール、家族の伝言など多岐にわたる。また、エアコンや照明など家電製品の稼働状況もチェック可能。パネルにタッチすることでON / OFFも切り替えられる仕様だ。
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YKK AP 経営企画室 事業開発部長の東克紀氏は、デモを交えてUPDATE GATEの機能を紹介した。デモ機には”お父さん”として登録されている東氏。屋内側のドアの前に立つと、AIエージェントとの間で以下のようなやり取りが実現した。
AI「お父さん、おはようございます。今日は日中は晴れ、16時頃から雨の予報です。お仕事は何時に終わりますか?」
東氏「20時頃」
AI「予報によれば、その時間帯には雨も上がっていますが、念の為、折り畳み傘をお持ちください」
東氏「妻に伝言をお願い。ビールを買っておいて」
AI「かしこまりました。伝言は、ビールを買っておいて、ですね」
まだ開発段階のため、もっとAIに学習させていかないといけない、と東氏。しかしプロトタイプでも、報道発表することでパートナー企業から協業の話も入ってくる、と説明する。具体的には、どんな業界で展開して、どんな利用シーンを想定しているのだろうか。
玄関という場所に大きな可能性
そもそも「建材」に情報を映す取り組みがスタートしたのは2015年頃。はじめは「ドア」ではなく「窓」だったという。開発のきっかけについて、東氏は次のように説明した。「家を建てるときに、間取り、キッチン、お風呂、壁紙に人はこだわる。けれど、窓は優先順位が低い。そこで窓の重要性に気付いてもらえるような、インパクトのある製品の開発を考えていました」。
2016年に「未来窓」として開始したプロジェクトは、2018年になり「未来ドア」として継承された。
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「玄関だからこそ実現できることを考えました。玄関には、まだ大きな可能性が残されている」と東氏。たとえば、宅配便の対応をAIがやってくれれば再配達の問題解決につながるし、自宅以外では、ホテルに設置すれば訪日外国人に母国語で観光案内、といったことも考えられる。
カメラと液晶を使えば、姿見の代わりに使うこともできる。何月何日にどんな服装で出かけたか、ログに残しておけば洋服のローテーションも把握できる。するとある日、外出する際にAIがこんなアドバイスをしてくるかも知れない。「あの日にあのメンバーと会ったときと同じ格好です。上に○色のジャケットを合わせてみたらどうですか」。
UPDATE GATEを発表して以来、物流、ホテル、コンビニ、セキュリティ、果ては自動車業界に至るまで、業種業態を問わない様々な企業から問い合わせが続いているという。そうしたなか、東氏がリサーチを進めているのはヘルスケア業界。家族の健康のログを取得したいという。「家族が毎日通る玄関だから、日々の健康をチェックするのに適している。ウェアラブル端末でセンシングして、UPDATE GATEでライフログを取得できれば。町医者と連携しても面白い」。
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立ち止まって考えていたのでは、他社に先を越される時代だ。「走りながら考えている。UPDATE GATEには、いま活用できる技術を詰め込んだ。でも斬新なアイデアも半年で古くなる。今後、新たな技術を取り入れていくことで、いまのモデルとはまるで別物に変わる可能性もある。窓のときもそうだった」と東氏。未来につながるドアのノブに手はかかっている。開いた先に、素晴らしい未来が待っていることを期待したい。