ここでは、身近な野菜を使って「DNAを取り出す」実験方法をご紹介。自由研究テーマ選定の参考にしていただきたい。
自由研究:中学生向け 小学生向け
野菜からDNAを取り出そう!
テーマ【植物の成長(5年生)】 実験
対象学年:3~6年生 むずかしさ:★★ 所要時間:1時間
ブロッコリーやチンゲンサイなど、身近な野菜をすりつぶし、DNAを取り出してよく観察してみよう。
用意するもの
調べたい野菜(国産のものがよい) すりばち、すりこぎ お茶パック(ろ紙) プラスチックカップ 無水エタノール スポイト はかり 小さいガラスびん、または透明カップ 包丁や料理用はさみ DNA抽出液(水、食塩、台所用合成洗剤)
※無水エタノールは薬局で手に入る。
※台所用合成洗剤は、ヤシの実などを原料にした肌にやさしい洗剤が適している。

実験のやりかた

水95mL、食塩5g、台所用合成洗剤小さじ1を混ぜて、DNA抽出液を用意しておく。

野菜8gをこまかくきざむ。ブロッコリーや菜の花を調べるときは、花の芽だけを使う。

すりばちで、きざんだ野菜をよくすりつぶす。

DNA抽出液30mLを入れて、そっと1回かき混ぜ、10分くらいおく。混ぜすぎると、DNAがきれてしまうので注意する。

お茶パックをプラスチックカップにセットし、こす。

小さいガラスびんの3分の1くらいまで5を入れる。

無水エタノールをスポイトで、ガラスびんのかべにつたわらせて、そっと注ぐ。

無水エタノールとのさかいめに、白しろくもやもやしたDNAが出てくる。30秒後くらいから出はじめるので、虫むしめがねでよく観察しよう。

ためしてみよう!
チャレンジ1
出てきたDNAをスポイトで取り出し、虫めがねやけんび鏡で観察すると、もっとよく見えるよ。
チャレンジ2
調べてみたい野菜やくだもの、魚卵、レバーなどで実験してみよう。新鮮なもののほうが、出やすいよ。
実験でサイエンス
DNAは、すべての生き物の細胞ひとつひとつに入っています。
抽出液に使う洗剤は、DNAを取り出しやすくし、食塩はDNAを集まりやすくします。DNAの1本1本は目で見ることはできませんが、この方法でかたまりを見ることができます。
発表のためのまとめ
実験の手順や結果を写真にとってまとめよう。

発行:永岡書店
<著者プロフィール:NPO法人 ガリレオ工房>
教師を中心にジャーナリスト、研究者、学生などで構成する科学実験の研究・開発グループ。そのユニークで独創的なアイデアや方法は、各界で高い評価を受けている。雑誌・新聞などでの発表のほか、テレビの科学番組にも企画協力している。また、全国各地での実験教室やサイエンスショーも手がけている。2002年に吉川英治文化賞受賞。同年NPO法人として認可される。