【自由研究・生物】イカを解剖して、ヒトとイカのからだの共通点を探る(中学生向け)

 毎年夏休みに小中学生の宿題に出される「自由研究」は、普段はなかなか時間をかけて取り組むことが難しい研究や実験に挑戦できるチャンス。化学、物理、地学、生物…さまざまな分野から、おすすめのテーマをご紹介する。

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【生物】ヒトとイカのからだの共通点を探る~イカを解剖してからだのつくりを調べよう~(中学生向け)
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 毎年夏休みに小中学生の宿題に出される「自由研究」は、普段はなかなか時間をかけて取り組むことが難しい研究や実験に挑戦できるチャンス。化学、物理、地学、生物…さまざまな分野から、おすすめのテーマをご紹介する。

 ここでは、家庭ですぐにできる「イカを解剖してからだのつくりを調べる」方法をご紹介。自由研究テーマ選定の参考にしていただきたい。

自由研究:中学生向け 小学生向け

ヒトとイカのからだの共通点を探る~イカを解剖してからだのつくりを調べよう~


第2分野【生物】観察


制作時間:2時間 難易度:★★★



 ヒトのように背骨のある「セキツイ動物」に対し、昆虫やイカなど背骨のない動物を「無セキツイ動物」と呼びます。両者では当然からだのつくりは異なりますが、共通点もあります。ここではイカを解剖して、その違いと共通点を調べます。

用意するもの


イカ(スルメイカ)* トレイ 虫眼鏡 ビニール手袋
そのほかのもの はさみ、ピンセット
*解剖後のイカは、焼いて食べたりせずに処分しましょう。
用意するもの

実験1 やってみよう イカのからだのつくりを観察する



★手順 全5工程

 無セキツイ動物は、昆虫やクモなどの節足動物、そしてカタツムリやカイ、イカやタコなどの軟体動物の2種類に分けられます。

 イカの10本のあしや、あしにある吸盤を触ったりして、その役割も調べてみましょう。また眼や消化器のつくりなどを観察してみましょう。

実験1 手順1
手ににおいがつかないよう、ビニール手袋を手につける。イカの背(ひれのつけ根がある方)を下にしてトレイにのせる。

実験1 手順2
10本のあしのうち、ほかより長い2本を「触腕」と言う。この触腕の吸盤についている「角質環」をピンセットで取り出し、虫眼鏡で観察する。

実験1 手順3
イカの胴の部分を「外とう膜」と言う。内臓を傷つけないように注意して、外とう膜を眼の間からはさみで切り開く。

実験1 手順4
外とう膜についている、細長く青っぽい色をしたえらを観察する。

実験1 手順5
えらに血液を送るための心臓が2つ、全身に血液を送るための心臓が1つある。それぞれの心臓を見たりさわったりして観察する。

うまくいかないときには



イカのつくりをしっかりと確認する

●外とう膜を切るのに、はさみが入りにくいときは、背と腹を間違えている場合があります。

●全身に血液を送る心臓の位置がわかりにくいときは、手でさわって確認してみましょう。少しかたい感触があり、青みがかった部分が心臓です。

なぜそうなるの? ~イカのからだの不思議~



イカの血液は青色で、あしは頭から出ている

 ヒトの血液は赤色です。血液の中で酸素を運ぶ役割を果たす成分を「赤血球」と言いますが、その赤血球に含まれるヘモグロビンという色素が赤いため、血液は赤く見えるのです。

 一方、イカやタコの仲間の血液にはヘモグロビンではなく、青色をしたヘモシアニンと呼ばれる色素が含まています。そのため、新鮮なイカやタコのえらなど、血液が多く集まっている部分は、青みがかっているのです。

 また、イカのからだでは、あしがついている方が上(頭)となります。そのため、イカやタコの仲間は無セキツイ動物の中でも、「頭足類」と呼ばれます。

●イカは頭からあしが出ている
実験1 分類
一般的に、イカの頭から出ているものは「あし」といい、理科の授業でもそのように習う。しかし、ほかのあしよりも長く、獲物をとらえるときに使われる2本については、「触腕」と呼ばれる。

実験2 やってみよう 口、消化器、眼のつくりを調べる



★手順 全3工程

 実験2では、実験1で外とう膜を切り開き、内臓が見える状態にしたイカをさらに調べます。

 セキツイ動物のヒトのからだと無セキツイ動物のイカのからだには、どのような共通点があるでしょうか?イカの口や消化器、眼を観察していきましょう。

用意するもの


実験1で解剖した状態のイカ、ピンセット、しょう油、スポイト(しょう油さしでもよい)、辞書など比較的文字が小さい本

実験2 手順1
あしのつけ根の中央にある「くちばし」をピンセットでつまんで、あごの役割をもっている「上顎板(じょうがくばん)」と「下顎板(げがくばん)」をひとつずつ口からはずす。

実験2 手順2
くちばしのあったところに、スポイトを使ってしょう油を流しこむ。食道をしょう油が移動するようすを観察する。

実験2 手順3
眼は左右あわせて2カ所ある。眼の袋をピンセットでそっと破ると、中から水晶体が出てくる。

そうなんだ! ~イカは意外にヒトと似ている~



 ヒトとイカの共通点としては、消化器や眼のつくりなどがあげられます。

 イカの消化器はほかの無セキツイ動物に比べて長いのが特徴で、口から食道、胃、腸というつながりが、ヒトの消化器と似ています。

 眼は、水晶体(レンズ)と網膜が発達した「カメラ眼」と呼ばれる構造です。水晶体を使ってピントを合わせ、物の形や動きを細部まで見ることができます。この構造はセキツイ動物とイカ・タコの眼に共通した特徴です。

 ほかにも、イカはヒトと同じように脳が発達している動物であることも知られています。

レポートのまとめかた



 実験1で観察した2本の触腕と、触腕を含む10本のあしについている吸盤、さらにその吸盤についている角質環には、それぞれどのような役割があるのか図鑑などで調べ、解剖したときのスケッチや写真とともにまとめましょう。

 実験1では、手順ごとにイカをスケッチをしたり、写真に撮ったりして、記録をしましょう。レポートには、えらや心臓など各部の名前を書きこみ、色やかたさなど特徴をまとめるとよいでしょう。

 まとめるときは、イカとヒトのからだの共通点に着目してみましょう。とくにイカとヒトの消化器と眼のつくりはよく似ています。イカの解剖結果と、本などで調べたヒトの解剖図などを比べてみましょう。

自由研究 中学生の理科 Newベーシック

発行:永岡書店

<著者プロフィール:野田 新三(のだ しんぞう)>
1970年大阪生まれ。不思議に思ったことは「自分で確かめたい」という気持ちから、理科に興味を持つ。95年千葉大学大学院教育学研究科を修了後、理科の教諭として教壇に立つ。


《リセマム》

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