9/1は「防災の日」4人家族が備蓄すべき水・米の量はどのくらい?

 9月1日は「防災の日」。4人家族が家庭で備蓄すべき水の量について、約75%が少なく認識していることが、日本気象協会が推進する「トクする!防災」プロジェクトの調査からわかった。また、「ローリングストック」という言葉の意味を知っているのは約4人に1人だった。

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「備蓄には3日分×家族の人数分」が必要と言われているが、知っていたか
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 9月1日は「防災の日」。4人家族が家庭で備蓄すべき水の量について、約75%が少なく認識していることが、日本気象協会が推進する「トクする!防災」プロジェクトの調査からわかった。

 日本気象協会推進の「トクする!防災」プロジェクトは、特に女性やファミリー層が気軽に取り入れやすい「ふだんの防災アクション」を呼びかけている。「家庭の備蓄状況」に関するアンケートは、20代~40代の女性を対象に実施。2018年6月30日から2018年7月1日までの調査期間で、600人から回答を得た。

 「備蓄には3日分×家族の人数分」が必要と言われており、回答者の46.8%は「知っている」と回答。しかし、その備蓄ができているかと聞くと、43.0%が「まったくできていない」と答え、「あまりできていない」36.2%を合わせると、約8割が実践できていなかった。

 一般的に、4人家族(大人2人、大学生1人、高校生1人)の場合、備蓄すべき水の量は「36リットル(1人3リットル×3日間×4人分)」アルファ化米・レトルトご飯などの備蓄必要量は「36食(1人3食×3日分×4人分)」とされている。

 備蓄に必要な水の量は何リットルだと思うかという質問では、76%が「36リットル未満」(12L未満、24L未満、36L未満の合計)と回答。米に関しても、62%が「36食未満」(12食未満、24食未満、36食未満の合計)と答えている。平均回答値は水が26.1リットル、米が24.9食分。それぞれ、必要量よりも約1日分少ない備蓄量だった。

 また、「3日分×家族の人数分」の備蓄を「十分にできている」「それなりにできている」と答えた回答者に、実際に備蓄しているものを質問。備蓄できているものでは、1位「水」83.2%、2位「ティッシュペーパー、除菌ウェットティッシュ」77.6%、3位「トイレットペーパー」72.0%の順だった。一方で、「寝袋」15.2%、「うがい薬、マウスウォッシュ」25.6%、「携帯電話の予備バッテリー」30.4%は、備蓄できている人が少ない。

 「トクする!防災」プロジェクトによると、「うがい薬、マウスウォッシュ」は、災害が発生してからインフラが復旧するまでの間、生活を続けるうえでとても重要だという。避難生活では水不足などから口腔ケアがおろそかになり、虫歯や歯周病が生じやすくなる。高齢者は体力低下も原因となり、感染症を引き起こしやすくなるため、水を必要としない「うがい薬、マウスウォッシュ」の備蓄を勧めている。

 そのほか、0歳~1歳の乳児向けの子どもがいる女性に対し、子どものための災害対策として備蓄しているものを尋ねると、「おしりふき」66.0%、「紙おむつ」65.4%だったのに対し、「粉ミルク」は30.7%と低かった。災害時には栄養不足やストレスにより、母乳が出なくなる場合もある。万が一に備えて、粉ミルクの備蓄もしておきたい。

 備蓄法である「ローリングストック」について、言葉の意味を知っているかと聞いたところ、72.5%が「知らなかった」と答えている。「ローリングストック」とは、普段から少し多めに食材・加工品を買っておき、使ったら使った分だけ新しく買い足していくことで、常に一定量を家に備蓄しておく方法を指す。「トクする!防災」プロジェクトでは、効率的かつ手軽にできる備蓄として「ローリングストック」の実践を推進しており、食品以外にも、ウェットティッシュや乾電池などの日常で使用する生活用品にも応用できると勧めている。

 「トクする!防災」プロジェクトのWebサイトでは、今回のアンケートの結果を掲載。そのほかにも、備蓄や避難の心得、プロジェクトメンバーが実際に、災害時の行動をシミュレーション・体験したことを紹介する「ヒナんどりやってみた!」など、防災に関するさまざまな情報を発信している。

《黄金崎綾乃》

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