上履き袋や体操着袋、道具箱などの入った手提げ袋を手に持ち、教科書とノートが入った重いランドセルを背負う――。親世代が見慣れている日本の小学生登校姿が今後、変わるかもしれない。
問題の裏で過熱する「ラン活」
親世代とは違い、店頭に並ぶランドセルの色は年々カラフルになっている。従来の赤と黒に加え、ピンク、水色、オレンジ、青、緑はもはや「定番」の色。近年はさらに、白や複数の色を組合せたランドセルも見られる。
好みのランドセルを入手するため、ランドセルの購入活動、いわゆる「ラン活」も年々過熱傾向にある。サンケイリビング新聞社の調査結果によると、2018年4月に入学した小学生のランドセルの価格は平均5万2,508円で、2015年調査時から4,702円上昇している。
さらに、ランドセルメーカーの「セイバン」が行った調査によると、ラン活中の家庭は、入学の1年前から目当てのランドセルメーカーが開催する展示会に出向き、夏休みには半数以上の家庭がすでに購入(予約)を済ませていることも明らかとなった。
平均約6kgのランドセルを背負う子どもたち
「セイバン」が2018年6月6日に発表した調査結果によると、ランドセルの重さも含めると、子どもは平均約6kgのランドセルを背負って登校しているという。
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1週間のうち、ランドセルに入れる荷物がもっとも重たい日の荷物の量を教えてください
通学手段は94.9%が徒歩で通学していると回答。自家用車での送迎は4.3%、バスは2.8%、電車は1.6%。通学時間は「10~25分未満」が最多で25%だった。平均通学時間は15分程度だったものの、20分以上かかる子どもも27.1%いるという。
そんな子どもたちの負担を軽減しようと、手荷物歩行の危険性を軽減したり、より持ちやすくしたりするグッズも販売されつつある。たとえば、収納機能を備えたランドセルカバーを利用すれば、上履き入れや体操着などはカバーに収納できるため、荷物を持つ分の両手が空く。低学年なら特に安心だ。加えて、被せるだけでランドセルを汚れや傷、雨から守るという効果もある。
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Genoaの名入れランドセルカバー「ポケランカバー(2ポケット)」
わが子のランドセル姿を思い描けば、親子ともに納得のいくランドセルを選びたいもの。理想の6年間を過ごさせたいという親心が垣間見えるが、実際に背負って学校へ通うのは子どもたちだ。
2020年から実施される新学習指導要領には「アクティブラーニング(=主体的・対話的で深い学び)」が明記されている。児童生徒と教育者が主体的に考え、対話していくには、従来のスタイルや慣習にこだわらず、改善・効率化していくことも必要なのではないだろうか。