スポーツする子どもほど「最後までやり遂げたい」体力・運動調査

 日常的に運動・スポーツをする子どもは、「何でも最後までやり遂げたい」という達成意欲が高い傾向にあることが、スポーツ庁による「体力・運動能力調査」の結果分析から明らかになった。男女とも運動・スポーツの実施頻度が高いほど、達成意欲も高かった。

生活・健康 中学生
「達成意欲(何でも最後までやりとげたいと思う)」回答別新体力テスト合計点
「達成意欲(何でも最後までやりとげたいと思う)」回答別新体力テスト合計点 全 5 枚 拡大写真
 日常的に運動・スポーツをする子どもは、「何でも最後までやり遂げたい」という達成意欲が高い傾向にあることが、スポーツ庁による「体力・運動能力調査」の結果分析から明らかになった。男女とも運動・スポーツの実施頻度が高いほど、達成意欲も高かった。

 2017年度(平成29年度)体力・運動能力調査の対象は、小学生、中学生、高校生、高等専門学校・短大・大学の学生、成年、高齢者。調査期間は、2017年5~10月(小中高生は7月まで)。

 調査結果によると、運動・スポーツ実施状況と新体力テストの合計点には相関があり、男女ともに小学生から高齢者までのほとんどの年齢層において、運動・スポーツの実施頻度が高いほど、体力合計点が高かった。特に小・中・高校期は、「ほとんど毎日」と回答した子どもとそれ以外の子どもとでは顕著な差がみられた。

 青少年期(13~19歳)の子どもを対象に達成意欲と体力の関係を分析したところ、「何でも最後までやり遂げたい」という達成意欲を強く持つ子どもほど、体力合計点が高いことがわかった。体力合計点は、「何でも最後までやり遂げたい」という設問に「とてもそう思う」と回答した15歳男子が52.8点、15歳女子が53.1点だったのに対し、「あまりそう思わない」「まったく思わない」と回答した15歳男子は46.7点、15歳女子は45.0点だった。

 また、運動・スポーツ実施状況別に達成意欲の回答状況をみると、男女とも運動・スポーツ実施頻度が高いほど、「何でも最後までやり遂げたいと思う」と回答する子どもの割合が多かった。「何でも最後までやり遂げたい」という設問に対して「とてもそう思う」と回答したのは、ほとんど毎日運動している15歳男子で46.7%、15歳女子で49.9%。一方、運動・スポーツを「しない」という15歳男子は23.1%、15歳女子は21.1%にとどまった。

 このほか、小学生(6~11歳)の運動習慣・体力と幼児期の外遊びの関係について分析した結果では、小学校入学前の外遊び実施頻度が高いほど、日常的に運動・スポーツを行い、新体力テストの合計点も高かった。入学前の外遊び実施状況別に10歳の新体力テスト合計点をみると、外遊び頻度が高いほど合計点が高く、外遊び頻度が「週6日以上」と「週1日以下」の群とでは、男女とも6点程度の開きが出た。

 スポーツ庁では、調査結果について「幼児期に外で体を動かして遊ぶ習慣を身に付けることが、小学校入学後の運動習慣の基礎を培い、体力の向上につながる要因の一つになっていると考えられる」としている。

《奥山直美》

【注目の記事】

この記事の写真

/

特集