中1生の「伊能忠敬」にMATHコン日本数学検定協会賞…測量方法を再現
理数教育研究所が主催する「第6回『算数・数学の自由研究』作品コンクール」(「MATH(マス)コン」)において、「伊能忠敬の測量方法をもとに自分で地図を作る」という作品を応募した大阪府在住の中学校1年、田中莉穂さんが「日本数学検定協会賞」を受賞した。
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「塩野直道記念『算数・数学の自由研究』作品コンクール」は、全国の小学生・中学生・高校生を対象に、日常生活や学校で学んでいるときに感じた疑問や課題を、算数・数学の力を活用して探究し、気づいたことやわかったことをレポートにまとめた作品を応募するコンクール。2018年度は8月20日から9月7日にかけて募集した。
作品「伊能忠敬の測量方法をもとに自分で地図を作る」で田中さんが受賞した「日本数学検定協会賞」は優秀賞のひとつで、応募したすべての作品の中から、特に算数・数学の研究として優れたレポート1作品に贈られる。
田中さんは、江戸時代に日本全国を測量して「大日本沿海輿地全図」を完成させた伊能忠敬の「導線法」「交会法」「横切り法」といった測量方法を調べ、当時使われた測量器具「半円方位盤」を方位磁石と分度器などで再現して、曲線のある土地などを実際に測量した。その数値をもとに自ら地図を作成したうえで、「導線法だけの測量でもおおまかな地図ができるものの、交会法・横切り法を使うことによって、より正確な地図に近づいていく」と、測量の精度についても考察している。
賞を授与した日本数学検定協会は、「伊能忠敬が没後200年となる節目の2018年に、彼の功績に関心を寄せた若者が江戸時代の測量を体験することで伊能忠敬に改めて敬意を表したすばらしい作品」であると評価し、今回の受賞を決定した。田中さんは授賞式で、「今までのなかでもっとも時間をかけ、たいへん思い入れの深い作品でしたので、喜びもひとしおです。今後も楽しみながら数学と向き合っていけたらと思っています」と受賞の喜びを語った。
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