文部科学省の「医学部医学科の入学者選抜における公正確保等に係る緊急調査」で、不適切な事案を認めた国私立大学9校のうち、私立大学8校について、日本私立学校振興・共済事業団の運営審議会が1月21日、減額する方針を決定。日本私立学校振興・共済事業団を所管する文部科学省の柴山昌彦大臣が、1月22日の定例記者会見で公表した。
減額幅の決定にあたっては、過去の減額事例を踏まえたほか、不利益を被った受験生への対応など、各大学の個別の状況を踏まえたという。
東京医科大学は、贈賄容疑で前理事長と前学長が起訴されたことも踏まえ、全額不交付。岩手医科大学、昭和大学、順天堂大学、北里大学、金沢医科大学、福岡大学は、不適切な事案ではあるが速やかに必要な対応が取られたとして25%減額する。
日本大学は、医学部医学科の不適切入試のほか、アメリカンフットボール部の悪質タックル指示問題が大きく社会問題化したにもかかわらず理事会による適切な事後対応がなされず、学校法人の管理運営が不適切であったとして、35%減額とする。
平成31年度以降の取扱いについては、各法人の改善努力についてフォローアップを行い、改善努力を十分に行っていると認められる場合は減額幅に応じて段階的に減額幅を縮小するとした。
記者会見では、柴山大臣は「該当する大学に対し、この措置の趣旨を重く受け止めて、入学者選抜の公正性の確保に取り組むよう強く求めてまいります」と述べた。
減額措置が明らかになった大学のうち、日本大学は1月22日、Webサイトに「このような結果になったことを真摯に受け止め、教育環境に影響が及ぶことのないように、『学生ファースト』の精神に基づき、引き続き改善に取り組んでまいります」とのコメントを掲載した。
なお、1月22日の柴山大臣の記者会見映像は、文部科学省Webサイトで公開している。医学部医学科の不正入試にかかわる私立大学等経常費補助金の取扱いについては、記者会見映像の0:41より視聴できる。
◆柴山昌彦文部科学大臣記者会見映像(平成31年1月22日)