【GW2019】10連休に行きたい、紙幣の人物を知る親子旅スポット<おもて編>

 令和時代の新しい紙幣のデザインが発表となり、日本の歴史を築いてきた人物について子どもたちが疑問を持つ良い機会となったご家庭も多いのでは。この10連休を利用して歴代の紙幣の「おもて」となった人物や歴史を知る親子旅に、出かけてみるのはいかがだろうか。

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 「日本のお金」の「肖像画の人物」は学問・教育の発展に深い関係がある人物ばかりだ。令和時代の新しい紙幣のデザインが発表となり、日本の歴史を築いてきた人物について子どもたちが疑問を持つ良い機会となったご家庭も多いのでは。この10連休を利用して歴代の紙幣の「おもて」となった人物や歴史を知る親子旅に、出かけてみるのはいかがだろうか。

【GW2019】10連休に親子で行きたい「紙幣の風景」を知る親子旅スポット<うら編>

昭和32年(1057年)~44年(1969年)発行



1万円・5千円:聖徳太子(しょうとくたいし)


 飛鳥時代、推古天皇の摂政となった聖徳太子。その時代の歴史と文化を学べる「飛鳥資料館」は奈良県高市郡明日香村にある。2019年4月23日(火)から6月30日(日)まで、春期特別展 「骨ものがたり―環境考古学研究室のお仕事」を開催している。
飛鳥資料館(奈良県高市郡明日香村)

千円:伊藤博文(いとう ひろぶみ)


 初代内閣総理大臣で東京女学館創立者。日本女子大学の設立も支援した。品川区立伊藤小学校(1936年開校 旧 東京市伊藤尋常小学校)の校名は学区域に墓所があることに由来しており、開校時の町名も伊藤町。天保12(1841)年、熊毛郡束荷村(現・山口県光市大字束荷)に生まれた伊藤博文が9歳まで過ごした地には現在「伊藤公記念公園」と「伊藤公資料館」があり、生家や遺品などを展示している。
伊藤公記念公園(山口県光市)
伊藤公資料館(山口県光市)

5百円:岩倉具視(いわくら ともみ)


 明治維新における王政復古に力を注いだ幕末の政治家。次男の岩倉具定は学習院の5代目の院長。台東区の岩倉高等学校(旧 岩倉鉄道学校)は、岩倉具視が鉄道界の恩人であることに由来した校名で、校歌にもその名が刻まれている。元治元年(1864年)に大工藤吉の居宅(現在の附属屋)を購入し、主屋と繋屋を増築して住居とした旧宅は、長年にわたって守り続けられ国指定史跡となっている。
岩倉具視幽棲旧宅(京都市左京区)

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昭和59年(1984年)発行



1万円:福沢諭吉(ふくざわ ゆきち)


 慶應義塾の創立者。東京大学医科学研究所(旧 伝染病研究所)の創設にも尽力。新千円札の肖像となる北里柴三郎氏とは並々ならぬ縁がある。新聞「時事新報」の創刊者で、日本学士院(旧 東京学士会院)初代会長を務めた。大分県中津市の「福澤諭吉旧居・福澤記念館」では10連休の頃にちょうど藤が見ごろを迎え、4月27日(土)から5月1日(水)にかけての5日間、夜の福澤旧居と藤棚のライトアップを行う。4月29日(月)には藤棚の下で琴と尺八の演奏会も開催される。
※1万円は平成16年(2004年)発行も同人物
福澤諭吉旧居・福澤記念館(大分県中津市)

5千円:新渡戸稲造(にとべ いなぞう)


 農学研究者で教育者。東京女子大学初代学長、新渡戸文化短期大学(旧 東京女子経済専門学校、東京文化短期大学)初代校長。拓殖大学第2代学監。青森県十和田市にある新渡戸記念館は、大正14年(1925年)に新渡戸稲造の意志により、その前身となる「私設新渡戸文庫」として稲造の祖父・新渡戸傳(号・太素/たいそ)の眠る太素塚の敷地内に設置されたのがはじまりとしている。現在は休館しており、ボランティア体制で有形無形の文化遺産を保存活用する博物館活動を継続している。
新渡戸記念館(青森県十和田市)※平成27年4月1日より休館

千円:夏目漱石(なつめ そうせき)


 少年時代に漢学塾二松学舎で学んだ。二松学舎の第3代目舎長は、新1万円の渋沢栄一。東京大学(旧 東京帝国大学)を卒業した後に英語科教師となり、中学校で教鞭をふるう。英国留学から帰国後に東京大学の講師となり、小説執筆を開始し「吾輩は猫である」を発表。教授となる将来が約束されていたにもかかわらず朝日新聞社に転職し創作に専念した。教科書で広く知られている「こころ」は1914年より朝日新聞紙上で連載された作品。夏目漱石生誕150年にあたる2017年9月24日、文豪・夏目漱石が生まれ、育ち、その生涯を閉じた東京新宿区に「漱石山房記念館」が開館した。2019年5月6日まで特別展「漱石と鈴木三重吉 広島の加計正文との交流を軸に」を開催している。
漱石山房記念館(東京都新宿区)

平成16年(2004年)発行 ※現行の紙幣



5千円:樋口一葉(ひぐち いちよう)


 24歳という若さで生涯を閉じた女性小説家。代表作の「たけくらべ」は高校の教科書に掲載されている。代表作すべてを執筆した下谷龍泉寺町、現在の台東区竜泉にある「一葉記念館」には「たけくらべ」の草稿のほか、仕入帳や詠んだ歌などが展示されている。2019年4月27日(土)から6月23日(日)まで企画展「『新寄贈・寄託品』Part.2 ~樋口一葉の散歩道~」を開催している。
一葉記念館(東京都台東区)

千円:野口英世(のぐち ひでよ)


 ノーベル賞の候補にもなった細菌学者。日本医科大学(旧 済生学舎)で医学を学び医師になった。順天堂医院、伝染病研究所、横浜海港検疫所に勤務したのちに渡米し、ペンシルベニア大学病理学助手となる。ペンシルベニア大学、京都大学(旧 京都帝国大学)、東京大学(旧 東京帝国大学)より学位を授与されている。福島県にある「野口英世記念館」では、野口英世記念館開館80年記念特別展(前期)「記念館を訪れた人々」を2019年9月12(木)まで開催している。
野口英世記念館(福島県耶麻郡猪苗代町)

令和6年(2024年)発行予定



新1万円:渋沢栄一(しぶさわ えいいち)


 第一国立銀行(現 みずほ銀行)、東京株式取引所(現 東京証券取引所)、東京商法会議所(現 東京商工会議所)など生涯に約500もの企業の設立等に関わったといわれ、実業界で活躍。また、教育・社会事業・民間外交にも尽力。一橋大学の前身である商法講習所の開校にも関わった。渋沢栄一の活動を広く紹介する博物館として1982年に開館した「渋沢史料館」は、かつて住んでいた旧渋沢邸跡に建っている。その生涯と事績に関する資料を収蔵・展示している。
渋沢史料館(東京都北区)

新5千円:津田梅子(つだ うめこ)


 1871年、岩倉使節団に随行した最初の女子留学生の一人。1900年に女子英学塾(現 津田塾大学)を創立するなど、近代的な女子高等教育に尽力。「津田梅子記念交流館」は、津田塾大学創立百周年を記念して2000年に設立。卒業生、在学生、地域の方々との交流の場として「津田塾フォーラム」を提供している。生涯にわたる学びを支援するために公開講座、講演、展示、コンサートなどさまざまなプログラムを実施している。
津田梅子記念交流館(東京都小平市)

新千円:北里柴三郎(きたさとしばさぶろう)


 世界で初めて破傷風菌の純粋培養に成功、破傷風血清療法を確立。また、ペスト菌を発見。私立伝染病研究所、私立北里研究所を創立し、後進の育成に尽力した北里大学の学祖。慶應義塾大学部医学部の初代医学部長も務めた。出身地である熊本県阿蘇郡小国町に設立された「北里柴三郎記念館」は生家や小国町に寄贈された北里文庫(図書館)がある。また、東京都港区白金の北里大学「白金キャンパス」にある「北里研究所北里柴三郎記念室」では学術論文や公的活動に関連した資料、恩師・恩人、門下生等、関係者の資料等が紹介されている。
北里柴三郎記念館(熊本県阿蘇郡小国町)
北里研究所北里柴三郎記念室(東京都港区)

【GW2019】10連休に親子で行きたい「紙幣の風景」を知る親子旅スポット<うら編>

《田口さとみ》

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