2020年の教科化「まずは楽しむ土台づくりを」…スマイルゼミが目指す小学英語

 ジャストシステムの「スマイルゼミ 小学生コース」が、2018年に続き「イード・アワード2019子ども英語教材 小学生の部」において最優秀賞を獲得した。こだわりや、教材の特徴についてラーニングイノベーション事業部・企画マーケティンググループの寺尾房代氏に取材した。

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インタビューに応じてくれたジャストシステム ラーニングイノベーション事業部・企画マーケティンググループの寺尾房代氏
インタビューに応じてくれたジャストシステム ラーニングイノベーション事業部・企画マーケティンググループの寺尾房代氏 全 9 枚 拡大写真
 「スマイルゼミ 小学生コース」が、2018年に続き「イード・アワード2019子ども英語教材 小学生の部」において最優秀賞を獲得した。部門賞でも「子どもが好きな英語教材」「継続しやすい英語教材」において第1位を受賞。

 2020年春の小学校での教科化に向けて、小学生向け英語教材市場はますます活気を帯びている。これまで多くの子どもたちに支持されてきたスマイルゼミの特徴はもちろん、新学習指導要領への対応も含めた今後の展望について、スマイルゼミの企画を担当しているラーニングイノベーション事業部・企画マーケティンググループの寺尾房代氏に取材した。

小学生も英語4技能をバランスよく…新学習指導要領を意識した教材づくり



--2年連続での顧客満足度第1位、ご受賞おめでとうございます。受賞の感想を教えてください。

 今回も最優秀賞をいただき、しかも「子どもが好きな英語教材」「継続しやすい英語教材」の2部門でも部門賞を受賞できました。日々試行錯誤しながら、教材のいたるところに楽しく英語を学べる工夫を施してきたので、そこを評価してもらえたことが非常に嬉しいです。

--スマイルゼミ 小学生コースが、ほかのタブレット教材と異なる点や特徴を教えてください。

 新学習指導要領において英語は、3年生以上で必修化、5年生以上で教科となります。私どものカリキュラムもそれを見据えて構成しています。その前段階となる1、2年生の教材でも、3年生以上の英語活動につながるように、まずはネイティブの発音をたくさんインプットできる教材をめざして制作しています。

インタビューに応じてくれたジャストシステム ラーニングイノベーション事業部・企画マーケティンググループの寺尾房代氏
インタビューに応じるジャストシステム ラーニングイノベーション事業部・企画マーケティンググループの寺尾房代氏

 2020年から教科化されたのち、文字と発音のつながりは5年生から学ぶようになる見込みです。スマイルゼミではタブレット教材の良さを活かして、文字とモノが結びつくような学び方ができるような工夫をしています。現在多くの中学校で行われている単語の暗記学習のように、ひたすら書いて覚えるのではなく、シチュエーションで会話を学ぶ、音を聞きながら単語をかたまりとして練習するといった学び方をできるようにしました。

--「聞く」「話す」を含む英語4技能も意識されていますか。

 はい。「聞く」という点では、単語というよりも日常会話をメインに、英語でのやりとりをたくさんインプットできるコンテンツを設けています。学年に応じてレベルアップしていきますが、たとえば、駅までの道に迷った海外からの観光客に「Where is the station?」と尋ねられるような場面設定です。会話を聞き取る力を身に付けます。

 「話す」という点では、提示されたテキストを発話すると録音され、ネイティブのお手本と比較してその発音が合っているかを判定する仕組みがあります。カラオケの採点のようなイメージですね。イントネーションやアクセントが視覚的に判定されるのでわかりやすく、とても人気がある機能です。

「イード・アワード2019子ども英語教材 小学生の部」で総合満足度第1位を獲得したスマイルゼミ小学生コース
子どもたちの発音は録音され、お手本との一致・不一致を判定してくれる


 「書く」でも、タブレットならではの良さを生かして教材を提供しています。書くためのスペースには、教科書どおりの4線を引いています。2、3本目の線の間が若干広くなっている4線です。教科書に準拠したきれいなアルファベットを書けるようにという配慮です。

--タブレットの特徴を活かした学びですね。入会された方もそこを期待されているのでしょうか?

 それもひとつだと思います。週に数回英会話教室に通わなくても、いつでもネイティブの発音がふんだんに聞けるということもタブレット教材による通信教育ならではの良さです。でもスマイルゼミ小学生コースの英語講座への期待でもっとも多いのは「子どもに楽しく学んでほしい」というものです。英語講座をしっかりと履修されているご家庭は、国語・算数・理科・社会の他教科もまんべんなく履修されていることが多いです。

 入会のタイミングは特定の学年に集中しているわけではなく、ご家庭それぞれのご意向でお選びいただいています。たとえば小学3年生であれば、教科書の内容がその頃ぐんと難しくなることもあり、急に点数がとれなくなって、授業のフォローアップのために入会されることが多いです。5、6年生になると、中学校に行く前に小学校の内容を総復習しておきたい、中学での学びの先取りをしておきたいということが動機になることもあります。

フォニックス学習、英検対策など…さらに学びたい子にはオプション追加も可能



--もっと学習したいというお子さまのためのオプションがあると伺いました。その内容を教えてください。

 英語は学習歴が物を言う教科です。今まで英語をやってきたかどうかでレベルが変わりますので、標準で毎月配信されるのはあくまでも教科書をベースにした基本的な内容です。そこで「英語プレミアム」という、追加でレベルに合わせたオプションが選べるサービスを設けています。目的によって「HOP(ホップ)」、「STEP(ステップ)」、それと「英検」に対応したオプションを選べます。このサービスは小学生だけでなく、幼児から中学生まで、共通して受講していただけるので、学年問わずお子さま個人のレベルに合わせたところから始めていただけます。

--それぞれのオプションでは具体的に何を学べるのでしょうか。

 HOPは1、2年生の低学年におすすめの内容で、英語の絵本の読み聞かせを通してネイティブの発音にたくさん触れる機会をもつことを目的にしています。参考にお見せするこちらは「3匹のこぶた」の英語版。オオカミをタップして息を吸い込ませて、満タンになると息を吹いて、木の家がとんでいくという体験型の絵本です。

「イード・アワード2019子ども英語教材 小学生の部」で総合満足度第1位を獲得したスマイルゼミ小学生コース
ユーザーのアクションと組み合わせた学びができるのもタブレット教材の良さ


--STEPで学ぶのは何でしょうか。

 おもに3年生以降の中学年から高学年のお子さまにおすすめのもので、フォニックス学習を取り入れて、初めて目にする単語や文章でも読める力を習得できる内容です。

--英検対策のオプションについても教えてください。

 大学入試改革を前に、大学だけでなく、中学校や高校でも外部の英語試験のスコアを入試に採用する学校が増えています。それにともない、最近では、小学生で英検に挑戦するお子さまも多く、かねてからそのための教材のご要望をいただくこともありました。英検対策は5級から2級まで用意していますので、お子さまのレベルに合わせて選んでいただけます。5級から3級までは英検の本番でもルビがふられることになっていますので、スマイルゼミの教材にもルビをふり、お子さま1人でも学習しやすくしています。さらに、英検直前になると模擬試験が自動的に配信されます。模擬試験を受けた結果、弱点分野が判定され、そのための対策講座も自動で配信される仕組みになっています。

「ネイティブの発音を聞き、真似る」を楽しみながらくり返す



--小学生の英語学習において必要なこと・大切なことは何でしょうか。

 小学生のうちは、お子さま自身「英語が楽しい」と感じることが一番大切です。なので、ひたすら暗記するような教材にはしないようにしています。まだ耳がやわらかいうちに、ネイティブの音声をふんだんに聞ける環境を整えてあげたいですね。「聞いて真似ること」が英語上達への第一歩です。

 ただし、学校の授業ではアルファベットをはじめ、書く練習が入ってきますので、学年に応じて無理なく文字の習得ができるよう、音と文字を結び付けて学べる仕組みにしています。たとえば「school」という音とモノを結び付けて単語として覚えてもらい、それから「school」というつづりを順序立てて学べるようにしています。かつての英単語の暗記学習のような「school」を10個書きなさいという覚え方ではありません。

--4技能を習得するのに家庭ではどのような環境を整えればよいのか、アドバイスをお願いします。

 まずはふんだんにネイティブの音を聞く環境にある、そのことが重要だと思います。いきなりアウトプットすることは大人でも難しいので、まずは音に親しんでほしいですね。文章になると、イントネーションや強弱のつけ方、リズムが出てきますから、とにかく英語の音に触れておくことが大切です。それが聞きとれるようになるとリスニングの力が付き、リスニングの力がつくと次第に話すときに同じようなリズムでアウトプットできるようになってきます。

 4技能は互いにつながっていて「聞く」が「話す」や「書く文字」とつながり、そしてさらに書いてある文字を「読む」につながっていきます。小学生が学習する場合の注意点は、身の回りの題材でないと身近に感じられず、意味や状況が理解できない状態になってしまうことです。身近なテーマをとりあげたものをネイティブの発音で聞いたり、読んだりすることが重要です。

インタビューに応じてくれたジャストシステム ラーニングイノベーション事業部・企画マーケティンググループの寺尾房代氏
教育改革を見越しながら教材づくりに取り組んでいると話す寺尾房代氏

 そのためにも、スマイルゼミ小学生コースの英語講座では、まず身近な日常会話を通して英語そのものを体感し、その学びを反復して、定着させることを重視しています。1か月ごとの教材のなかで、このサイクルを繰り返せるように工夫しています。ドリルでガリガリ勉強するような反復学習ではなく、ゲーム要素を取り入れて楽しく確認するような教材です。英語を嫌いになることなく、楽しいと感じて中学校に進学してもらいたいですし、その方がお子さまのその後の英語学習にとっても効果を継続できるはずです。

 中学校の授業では「三単現」のような用語も含めた、文法が加わります。小学校のうちから経験として「三人称・単数・現在形ではsを使う」ことが自然に身に付いていれば、三単現という文法を習ったときにすぐに理解できると思います。大学入試では文法そのものを問う問題が少なくなると聞いていますが、英語を体系立てて理解するために文法は必要なものです。学習方法を従来の暗記型から変えることで、すんなり身に付けられるのではないでしょうか。

--小学生コースの今後の展開を教えてください。

 多くのご家庭からスマイルゼミをご評価いただいている理由のひとつに、教科書に準拠し、学校の授業と同じペースで進められるという点があります。入会時に、通学している小学校を登録いただき、その学校で採用している教科書にそった内容の教材が配信される仕組みです。

 2020年春からの英語講座でもしっかりと教科書準拠の内容をご用意します。新しい教科のため、家庭でどのように勉強したらよいか不安に思われている保護者の方も多いかと思いますが、今後もお子さまが1人で楽しみながら学べ、保護者の方も安心して学習を見守れる教材づくりを進めてまいります。

--ますますの発展を期待しています。本日はありがとうございました。

 学校の授業にあった内容と学習スピードで進められると好評のスマイルゼミ。とりわけ、初めて教科化される小学校英語での「教科書準拠」は、保護者にとって安心できる要素だろう。さらに、タブレットならではの機能を最大限生かした教材づくりや、保護者の不安に寄り添ったサービス設計など、細部までこだわりが感じられる。来年の受賞も期待したい。

《渡邊淳子》

渡邊淳子

IT系メディアのエディター、ライター。趣味はピアノ。

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