【インフル緊急座談会】感染者は前年6倍!受験生家庭の「冬の体調管理」

 いよいよ受験シーズンが到来。受験生のいる家庭では試験当日に体調を崩さぬよう、どのような体調管理が行われているのだろうか。緊急座談会を開催し話を聞いた。

教育・受験 小学生
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座談会のようす
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 いよいよ受験シーズンが到来。そしてこの時期は例年、風邪やインフルエンザなどの感染者も急増する。事実、厚生労働省が発表した令和元年第48週の「インフルエンザの発生状況」によると、今シーズンはインフルエンザの流行開始時期が早く、この時点で前年同時期の約6倍もの罹患者が出ている。

 寝不足に陥っていたり、ストレスや疲労が溜まっていたりすると免疫力も低下し感染症にかかりやすくなるといわれている。一方、受験生はどうしても夜遅くまで勉強をしがち。受験生のいる家庭では、我が子が入試前に感染しないよう、さまざまな対策を試みていると思われる。

 では、実際にお子さんのいる家庭ではこの時期、どのようなことに気を付け、対策をしているのだろうか。幼稚園から大学生までのお子さんをおもちの保護者にお集まりいただき、家庭でどのような「冬の体調管理」を行っているのか聞いてみた。

1人だけでは意味がない
キーポイントは「家族全員」



橋野さん お子さん:大学1年生、高校2年生
柴崎さん お子さん:中学1年生
田宮さん お子さん:小学3年生
三木さん お子さん:幼稚園年少
※名前はいずれも仮名。

--本日はお集まりいただきありがとうございます。お子さんが受験を経験されたご家庭もあると思いますが、まずは保護者の視点から、冬の時期、感染症で大変だったエピソードをお聞かせください。

柴崎さん そうですね。うちは中学受験を経験していますが、子どもの通っていた小学校では3学期が始まって早々に、インフルエンザが流行り始めてしまって。1月の半ばに低学年のクラスで学級閉鎖が起きたのですが、子どもの同級生の中に、その学級閉鎖のクラスにご兄弟のいるお子さんがいて。2月初旬が子どもの試験日だったのもあって、先生に事情を話して試験が終わるまで学校は欠席させました。

田宮さん 近所でもつい最近、妹さんのクラスが学級閉鎖になった翌週にお兄さんのクラスが学級閉鎖になったというご家庭がありますよ。

橋野さん 小学校だと学級閉鎖はよくありますよね。うちは上の子は大学生、下が高校生ですが、子どもの受験時には親は体調管理に力を入れるものですね。大学は推薦で本人がいつの間にか決めてきていたのですけど(笑)、高校受験のときには2回ともドキドキしていました。

三木さん うちは幼稚園の年少で受験はまだ先なのですが、子どもの通う園がクリスマスのお遊戯の発表会に力を入れているところなんですが、発表会の前の週にインフルエンザでクラス閉鎖が起きてしまって。当日まで我が子が発熱しないかとヒヤヒヤでした。

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--そうした感染症の予防のために、体調管理としてはどんなことを皆さんのご家庭では行われていましたか。

三木さん 手洗いうがいをさせることですかね。洗面所には自動で泡で出てくる薬用ハンドソープを設置しました。ジェル状の消毒薬もリビングに置き、家族全員でこまめに消毒するようにしていますね。

橋野さん 外出するときは必ずマスクをつけさせました。あとは手洗いとうがいの徹底です。ほかに気を付けたのは睡眠時間の確保。塾から帰ってきたらすぐに寝られるよう、塾に学校の宿題を持って行かせてむこうでやらせて、睡眠時間が少しでも長くなるようにしていました。あと、室内にいても乾燥を感じたらうがいをするとか、こまめに水やお茶を飲むようにさせていましたね。

柴崎さん うちも、冬の時期は外出時にマスクを常につけるようにしていました。うちはどうしても睡眠時間が短くなってしまうので、その分栄養バランスの取れた食生活にしようと気を付けていました。夜ご飯は塾でお弁当を食べていたので、お弁当のおかずに気を配ったり。それと、ヨーグルトなどの発酵食品をなるべく摂取するように心がけていました。

橋野さん ヨーグルトはうちも箱買いしていました。誰かひとりが摂取すればいいのではなくて、家族全員で取り組まないと。家族が発症してうつってしまったら意味ないですもんね。家族4人が毎日摂取するとなるとあっという間になくなるから、箱買いです。

田宮さん そういえばうちもヨーグルト飲料がいつも冷蔵庫にありましたね。子どもが小さいとどうしても、手洗いうがいの徹底が難しい面もあるから体を健康に保とうと。うちの場合は小学校受験でしたのでインフルエンザの本格的な流行シーズン前に考査は終わりましたが、喉や鼻の乾燥がよくないと聞いてからは、寝るときもマスクをつけさせたりしていましたね。

三木さん 寝るときも!

田宮さん 息苦しいのかいつの間にかとっちゃうのですけどね(笑)。寝るときは意外とのどが乾燥するからいいみたいですよ。

--具体的なお話をたくさん聞けて参考になりました。ありがとうございました。

「乳酸菌1073R-1株」のもつ可能性



 座談会でも話題に上がった「ヨーグルト」だが、冬場の体調管理方法として一般的になった背景にはどんな理由があるのだろうか。

 ヨーグルトに使用される乳酸菌の免疫システムへの働きを調べた実験結果がある。

 ひとつは、山形県舟形町に住む70~80歳の健康な高齢者57名と、佐賀県有田町に住む60歳以上の健康な高齢者85名を対象に行われた実験でLactobacillus bulgaricus OLL1073R-1(以下乳酸菌1073R-1株)を使用したヨーグルトを1日90グラム食べる群と、牛乳を1日100ミリリットル飲む群とに分け、体調や免疫の変化を比較している。

ヒト試験で風邪の罹患リスク低減を確認

 結果、乳酸菌1073R-1株を使用したヨーグルトを食べた群ではどちらの地域でも、NK細胞活性が、摂取前に低かったグループで有意(※)に上昇したという。
※統計学的にその効果が認められること。一般的に危険率p<0.05(100回データを取り、違う結果となる可能性が5%未満であること)のもので、今回も同様とした
山形県舟形町におけるNK活性の試験結果

 もうひとつは、乳酸菌1073R-1株を使用したヨーグルトの継続的な摂取が、インフルエンザワクチンを接種した後に体内で作られるインフルエンザワクチン株に対する抗体の量(抗体価)に与える影響を調べたもの。

 こちらは25歳~59歳の男女を対象とした試験で、健康な人に乳酸菌1073R-1株を使用したドリンクヨーグルトを、インフルエンザワクチンを接種する3週間前から毎日飲用してもらい、インフルエンザワクチン接種の前後で、体内で作られたインフルエンザワクチン株に対する抗体の抗体価を測定している。

 その結果、乳酸菌1073R-1株を使用したドリンクヨーグルトを毎日飲用した人は、未発酵の酸性乳飲料を飲用した人と比べ、インフルエンザA型H1N1およびB型のワクチン株に対する抗体の抗体価が高かったという。

25歳~59歳の男女を対象とした試験での抗体価の推移(A型H1N1、B型)25歳~59歳の男女を対象とした試験での抗体価の推移(A型H1N1、B型)

 こうした実験結果から、我が子が、寝不足やストレスで免疫力が低下しているかもしれないと心配する保護者にとってヨーグルトは、多少のストレスにも負けない体を保ってくれる「お守り的存在」と言えるのではないだろうか。

いよいよラストスパート
家族は受験生のサポートに徹して



 受験シーズンも佳境だ。受験生たちは本番のそのときまで力が伸びることを信じ、努力し続けるだろう。いざ本番を迎えたら、それまで積み重ねて来たものを試験で100%発揮させるのみだ。

 受験生たちがもてる力を最大限に発揮するために、これからの時期に家族にできるのは理解し寄り添う温かいサポート。心理的な面でのサポートはもちろん、マスク着用や手洗いやうがい、ヨーグルトの摂取などでこの時期の体調管理を徹底し、家族で「受験」を乗り越えてほしい。

《編集部》

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