聖マリアンナ医科大、出願書類などの評価で差別的扱い認める

 聖マリアンナ医科大学は2020年1月17日、2015年度(平成27年度)から2018年度(平成30年度)までに実施された医学部一般入試において「大学の組織的関与によるものではないが一律の差別的取扱いが認められる」との第三者委員会の調査報告結果を公表した。

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 聖マリアンナ医科大学は2020年1月17日、2015年度(平成27年度)から2018年度(平成30年度)までに実施された医学部一般入試において「大学の組織的関与によるものではないが一律の差別的取扱いが認められる」との第三者委員会の調査報告結果を公表した。

 聖マリアンナ医科大学は、文部科学省が2018年12月14日に発表した「医学部医学科の入学者選抜における公正確保等に係る緊急調査(最終まとめ)」において、「不適切である可能性が高い事案」との指摘を受けていた。

 聖マリアンナ医科大学は当初、「出願書類などの評価において、評価者が受験者の出願書類を個別に評価し、評価者の心証による総合評価を行った結果であり、大学として、属性による一律の取扱いの差異や恣意的な取扱いを指示したことはなく、評価者もそのようなことはしていないことから、差別の認識はない」との見解を発表。しかし、文部科学省からさらに第三者委員会による調査を実施するように求められた。

 そこで、2019年3月29日、日本弁護士連合会による「企業等不祥事における第三者委員会ガイドライン」に沿った第三者委員会を設置。2019年12月17日に提出された第三者委員会による調査報告書では、2015年度(平成27年度)から2018年度(平成30年度)までに実施された一般入学試験(第2次試験)の出願書類などの評価において、「大学の組織的関与によるものではないが一律の差別的取扱いが認められる」という結論が示された

 これを受けて聖マリアンナ医科大学は、「一律機械的に評価を行ったとは認識していないが、かかる報告を踏まえ、意図的ではないにせよ、属性による評価の差異が生じ、一部受験者の入試結果に影響を及ぼした可能性があった」との認識に至ったという。

 そこで、2015年度(平成27年度)から2018年度(平成30年度)の第2次試験受験者のうち「聖マリアンナ医科大学入学者」「聖マリアンナ医科大学第2次試験合格者のうち入学辞退者」を除くすべての受験者を対象に、申し出のあった受験者に入学検定料相当額を返還することを決定した。支払方法など、詳細は後日、聖マリアンナ医科大学Webサイトにて発表される。

 なお、聖マリアンナ医科大学では監事監査報告書の提言を受けて、2019年度(平成31年度)一般入試より改善を図り、より公正かつ妥当な方法による入試を実施している。

《外岡紘代》

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