9月入学…全国知事会が緊急提言、東京・大阪知事も共同メッセージ

 全国知事会は2020年4月30日、「新型コロナウイルス感染症対策に係る緊急提言」を公表した。9月入学制の国民的な骨太の議論などを求めている。東京都の小池百合子知事と大阪府の吉村洋文知事も同日、9月入学制導入などを求める共同メッセージを発表した。

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 全国知事会は2020年4月30日、「新型コロナウイルス感染症対策に係る緊急提言」を公表した。9月入学制の国民的な骨太の議論などを求めている。東京都の小池百合子知事と大阪府の吉村洋文知事も同日、9月入学制導入などを求める共同メッセージを発表した。

 全都道府県を区域とする緊急事態措置の終期が5月6日に到来することを踏まえ、政府に今後の方針を早期に示し、早急に対策を講じてもらおうと、全国知事会新型コロナウイルス緊急対策本部が緊急提言を取りまとめた。

 緊急事態宣言については、国の責任においてできるだけ早く終了または延長の判断を行うよう要求。一部の地域のみ解除することで全国的に感染拡大させることがないよう、全都道府県を対象地域とすることを視野に検討し、その際は地域ごとの実情を踏まえ、感染の実態に応じ、段階に応じた対策を政府として明示することとした。

 学校については、文部科学省として責任をもって休校・再開の基準・ガイドラインを示すようことを求めた。5月7日以降も臨時休校を継続する場合は、自治体間や児童生徒間で学習機会の格差が生じないよう、ICTなどを活用した学習機会の確保、環境整備のための支援、教員や学習指導員の支援拡充、教育課程の弾力的な編成、受験や就職に関する配慮事項などを早急に検討することを要望した。

 9月入学制については、就職時期や行政・企業の会計年度なども含めて社会に幅広い影響を及ぼすことになるため、さまざまな見地から各界各層を交え検討を要する国家的重要課題としたうえで、休校の長期化に対する不安を解消し、子どもたちのグローバルな活躍に資するものとし、政府に国民的な骨太の議論を行うよう求めた。

 東京都の小池知事と大阪府の吉村知事は4月30日、東京都のYouTube番組で対談。「東京・大阪 共同メッセージ」として、「9月入学制度の導入など、パラダイムシフトとして、大胆に社会全体のシステムを転換するとき」など、5項目を発表した。

 9月入学制度については、「世界標準に合わせていくことは非常に重要。日本の大きな方向性として、ぜひ示してもらいたいと思うし、どんどん働きかけをしていきたい」(吉村知事)、「賛否両論あるところではあるが、こういう時期だからこそできることもあろうかと思う」(小池知事)などと語った。

《奥山直美》

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