新型コロナ、世界13か国の子ども91%に心理的ストレス

 ワールド・ビジョンが世界の途上国13か国に住む子どもたちを対象に行った調査によると、新型コロナウイルス感染症の影響により、71%の子どもが学校に行けず、91%が心理的ストレスを感じていることがわかった。

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調査報告書「Children’s voices in the time of COVID-19」のおもな内容
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 ワールド・ビジョンが世界の途上国13か国に住む子どもたちを対象に行った調査によると、新型コロナウイルス感染症の影響により、71%の子どもが学校に行けず、91%が心理的ストレスを感じていることがわかった。

 世界の子どもを支援するワールド・ビジョンは2020年3~4月にかけて、同団体が支援活動を実施している途上国のうちバングラデシュやブラジルなど13か国に住む8~18歳までの子ども101名(男子58名、女子43名)を対象に、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による影響について聞き取り調査を行った。

 調査結果によると、学校に行けていない子どもは全体の71%となり、心理的ストレスを抱えている子どもは91%にのぼった。また、31%の子どもが両親の収入を心配している。

 調査対象の子どもたちは、自分たちの生活にもっとも大きな影響を与えている要因として、学校の休校、ソーシャル・ディスタンシングによる心理的ストレス、貧困の加速をあげた。

 ソーシャル・ディスタンシングによる心理的ストレスを感じている子どもは75%となり、7割を超える子どもたちが休校によって疎外感と孤独を感じていると回答した。

 ワールド・ビジョンでは、「COVID-19の影響による休校、そして社会のセーフティネットにアクセスできないことで、子どもたちは他の年齢層よりも大きな影響を受けている」とし、教育に遅れや栄養不足を懸念する。

 調査に参加したコンゴ民主共和国に住む16歳からは「飢えが私たちを死に追いやるかもしれない」、ブラジルに住む7歳からは「手を洗うことは大切だが、一週間に一回しか水をもらえない」といった声もみられた。

 一方、調査では、子どもたちはストレスを感じていても、自分たちの住む地域のCOVID-19感染拡大防止に貢献したいと強く思っていることも明らかになった。

 ワールド・ビジョンでは子どもたちを変化の主体として、「COVID-19による危機から脱するためにも、そして将来やってくる災害においても、子どもたちが参画し活躍できる場を作ることが重要」としている。

《勝田綾》

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