小川大介先生に聞く「オンライン授業」が招く子どもの不調とは

 オンラインによる学習の機会が増え、子どもたちには通常とは異なる疲れが溜まっているという。中学受験指導のカリスマ講師にして子育ての専門家の小川大介先生に、指導で感じている子どもの疲れについて話をうかがい、「アイケアモニター」の必要性を聞いた。

教育・受験 小学生
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小川大介先生
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 オンラインによる学習の機会が増えている子どもたちには、通常の対面による授業を受けているときとは異なる「疲れ」が溜まっているという。そこで、中学受験指導のカリスマ講師にして子育ての専門家である小川大介先生に、普段の指導で感じている子どもの「疲れ」、特に指導する中で顕著に感じるという「目の疲れ」についてお話をうかがい、「アイケアモニター」の必要性について聞いた。

オンライン授業による子どもの疲労は
指導の現場でも如実に感じられる



--オンラインによる授業を行う学校や塾が増えています。リセマムが行ったアンケート調査の結果でも、「タブレットを含むパソコンで家庭での学習を行っている」と答えた方が半数以上いました(グラフ1、グラフ2参照)。小川先生が指導する生徒さんの中にも、「オンライン授業」を受けている方は増えているのでしょうか。

アンケートの結果:グラフ1
アンケートの結果:グラフ1

アンケートの結果:グラフ2
アンケートの結果:グラフ2

 新型コロナウイルス感染症の影響でオンライン授業が一気に広がりました。私が副代表を務める家庭教師グループでも、オンライン指導を受講されている会員様が増えています。中高生の場合、クラブと受験学習を両立させるためにオンライン学習を取り入れているケースはこれまでも珍しくはありませんでした。しかし今年は、オンライン授業、オンラインレッスンの活用が小学生、さらに未就学児にまで広がっています。

--オンライン授業、デジタルの授業というのは今、子どもの学習や生活にどのような影響を及ぼしているのでしょうか。小川先生が普段ご指導されている中でお感じになっていることを教えてください。

 良い影響、悪い影響それぞれあります。

 良い面は、子どもが自分から理解しようとして能動的に授業に参加することです。特に控えめな性格の生徒、周りに合わせるタイプの子どもの場合、教室での集団授業だと受け身の姿勢になりがちです。しかしオンライン授業、デジタルの授業では、擬似的に先生と自分とが1対1の関係となるため、集中度と参加度が増すようです。私の教育関係の友人たちからも、日頃はおとなしい生徒がオンライン授業では積極的に質問したり発言したりするようすが見られるとの報告をもらっています。

小川大介先生
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 一方、悪い面として負担が大きすぎるという点が挙げられます。同じ1時間の授業だとして、教室での授業とオンライン授業とを比べると、オンライン授業の子どもの疲労度は体感レベルで2~3倍にもなります。これは、場の雰囲気、熱量というものが体感できる対面での授業と異なり、オンラインの場合は視覚と聴覚だけをフル稼働して授業に参加しなければならないため、年齢が下になればなるほど、子どもは集中力をより多く必要とされるのです。

 また悪い面の2つめは、生活時間の区切りがつきにくくメリハリがきかないという問題があります。アナログの授業というのは人が直接的に介在するので、授業が始まるときにはチャイムがなり、みんなが同じ場に集って、先生が開始を告げます。時間が切り替わるわけです。ところがオンライン授業というのは、子どもの日常空間の中に授業が入ってきます。子どもの時間の流れは、朝起きたときから区切られることなくそのまま続いているわけです。

 スケジュール管理能力が育っている子、自律性が育っている子は別にして、多くの子どもにとって連続する自分の時間を自分の意思で区切ることは簡単ではありません。授業を受ける心の態勢が整わないままに、画面を眺めるだけの授業参加ということになりやすいのです。

 こうした事情から、なんとなく疲労感はあるのに学習成果が上がってこないという悩みを抱えている子ども、家庭が目立っています。

--アンケート結果から、家庭でもお子さんがデジタルデバイスを利用するうえで、いろいろと心配されていることがわかります(表1参照)。オンライン授業を受けているお子さんに出ている「不調」にはどのようなものがあるか、また、どうしてそのような不調が出ていると思われるか、お気付きの点を教えてください。

アンケートの結果:表1
アンケートの結果:表1

 先に述べたことに加え、自覚なく目の疲れが溜まる結果、偏頭痛や肩こりなどを訴える子が増えています。また無気力さを示す子も多いようです。メリハリのない時間を過ごしていることも原因ですが、運動不足も大きいですね。

 家の中で過ごす時間が長いため、遠くを見ないということも目の疲れに影響していると思われます。

--ところで、先生ご自身も、アイケアの必要性をお感じになる、とおうかがいしました。具体的にはどのような不調をお感じになっているのでしょうか。

 仕事や交流が、対面でやり取りできているときは身振り手振りも含めた会話で成り立っています。しかし、オンラインでの仕事が中心になるとすべての時間が画面を見るという行為とセットになります。目線が下を向いたままであることで、目の角度、まばたきの減少などどう考えても目に負担のかかる使い方になっています。首の角度も肩こりしやすい体勢になりがちですね。

 もともと私はドライアイの傾向があるため目の健康状態には気を付けるようにしているのですが、このところ目に負担がかかっていることを実感しています。視点が一点に固まると、思考も固まってしまうという感覚もあります。SNSもよく使うので、スマホ利用も増加していることが目の疲労に拍車をかけていますね。老眼が出てきているので、眼精疲労で文字が読みにくくなることに悩まされています。

 ちなみに普段は、画面サイズが13インチのノートPC(MacBook Pro)を使用しています。

柔軟ゆえにダメージを受けやすい子どものからだを守る



--BenQのアイケアモニターGW2480Tは、高さ調節や画面の角度の調整が細かくできるほか、ブルーライトの低減機能、画面のちらつきを抑えるフリッカーフリー機能なども搭載されています。こうした機能に対し期待することについて、コメントをいただければと思います。

 高さ調節、角度調節の自由度が高いのはWebサイトに書かれていたとおり、子どもの成長に柔軟に対応できていいですね。子どもは自分の成長に気付かず、無理に環境に合わせようとするところがあるので、画面位置が固定されていると、姿勢を崩したり、猫背になったりという不安があります。こまめに調整することで、いつも自然な姿勢を意識させてあげたいですね。

 また、輝度の自動調整機能はとても重要な機構だと思いました。子どもは明るさに無頓着なので、明るい画面に慣れてしまって明るさの感覚が麻痺することがあると思います。視力の面でもよくありませんし、なにより睡眠に対する悪影響が大きいと思います。適度な明るさで使用し、自然な睡眠導入を行って、朝は朝日を浴びて体内時計をリセットするという健康的なサイクルを、子どもたちには送ってほしいです。

 あと、素晴らしいと思ったのは色覚異常の子に寄り添った機構の「カラーユニバーサルモード」です。赤、緑を強調することで色彩区別を行いやすくするという機能は、該当する子どもと親御さんにとって嬉しいだろうなと感じました。こうした点に配慮できている設計陣の志の高さを感じます。

 ブルーライト軽減や、画面のちらつきをカットするフリッカーフリーもいいですね。光の明滅でてんかん発作が誘発されるといわれますが、こうした目に優しい機構を採用することで、柔軟ゆえに傷つきやすい子どもたちの脳を守ろうとすることは大切です。私自身中学生の男の子の親ですから、こういう配慮は嬉しいですね。

BenQ「23.8インチ Full HD アイケアモニター GW2480T」
BenQ「23.8インチ Full HD アイケアモニター GW2480T」

--このモニターの使用は、デジタルデバイスに触れる機会の多い子どもの健やかな成長や学び、大人の健康に有益とお感じになりますでしょうか。

 はい、有益だと思います。

 このモニターを購入するかどうかは家庭の判断だとしても、この商品の設計コンセプトや機能について理解することで、日常生活の中で、子どもの目や脳を守り健やかに育ててあげる視点を親御さんが知ること自体が有益だと思います。

 私の場合は、フリッカーフリーと、カラーユニバーサルモードが勉強になりました。

子どもが心地よく感じる学習環境整備の必要性



--アンケートでは、モニターを使用した状況でデジタルデバイスを使用する機会はあるか、また、アイケアについてご家庭で気を付けていることがあるかどうかについても聞いており、皆さんいろいろと気を遣われているようです。そこで、子どもたちの学習環境を考えるうえで、デジタルデバイスを用いて学ぶ機会の多い子どもたちのストレスを減らすために、親が心がけたほうが良いことについてアドバイスをいただけますでしょうか。

アンケートの結果:グラフ3
アンケートの結果:グラフ3

アンケートの結果:表2
アンケートの結果:表2

 まず、デジタルデバイスでの学習は、大人が思う以上に子どもへの負担が大きいことを頭においてほしいと思います。子どもの学習に関わるとき、親御さんはどうしても「決まった量をこなすこと」に目が向きがちです。特にデジタルデバイスの学習は、コンテンツを消費する感覚があるために、なおさら「こなす」という学習に陥りやすいことに注意が必要です。

 学習するのは子ども自身ですから、本人が心地よく集中できる状況を作り出してあげることがとても大切です。疲労が溜まってしまっていないか、目的意識をもって学習に取り組めているか、理解が不十分のままカリキュラムをこなす学習になって消化不良状態に陥っていないか、といった点に目を向けてあげてほしいですね。

 そのために一番大切なのは、「子どもの話を聞いてあげる」ということです。口数が少ない子や、反抗期で親には話してくれない子の場合でも、それとなくようすを見守り、子どもの表情や目の輝きに気付くようにすることで、子どもが発するSOSを見つけられると思います。

 「まず心が動いて、それから身体が動く」という子どもの特性をよく理解して、血の通った学びを応援してあげてほしいですね。

小川大介先生

--ありがとうございました。

 大人が思っている以上に、子どものからだに大きな負担を与えているデジタルデバイスを用いた学習。GIGAスクール構想で1人1台PCが実現されると、今まで以上にそうした学習時間が増加することは確実だ。子どもが集中できる学習環境づくりについて、改めて考えることが必要といえるのではないだろうか。

BenQ「23.8インチ Full HD アイケアモニター GW2480T」
価格:オープン価格
<おもな特徴>
・IPSパネルによる広視野角
・フリッカーフリー、ブルーライト軽減機能搭載・輝度自動調整B.I.機能搭載
・カラーユニバーサルモード、高さ調節/ピボット機能搭載

《編集部》

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