コロナ禍で学習費減、受験にも支障…ベネッセ無償支援開始

 中3生・高3生の校外学習費が前年比で1か月8,000円減少し、新型コロナの影響で「受験勉強や志望校選びに支障が出ている」という受験生が7割にのぼることが2020年9月2日、ベネッセコーポレーションの調査より明らかになった。調査結果を受け、受験生の無償支援を開始した。

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「志望校決定のための情報が不足」と感じる割合
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 中3生・高3生の校外学習費が前年比で1か月8,000円減少し、新型コロナの影響で「受験勉強や志望校選びに支障が出ている」という受験生が7割にのぼることが2020年9月2日、ベネッセコーポレーションの調査より明らかになった。調査結果を受け、受験生の無償支援を開始した。

 「コロナ禍における受験生影響調査」は2020年8月、全国の中学3年生・高校3年生、2019年度に現役合格した高校1年生・大学1年生(本人・保護者)515サンプルずつ、計2,060サンプルを対象にインターネットで実施した。

 8月の1か月あたりの校外学習費用の平均値では、2019年度と比較して2020年度は中学3年生が8,484円減の2万1,075円、高校3年生が7,979円減の2万1,797円。中高とも前年度比約8,000円の減少となり、新型コロナウイルスによる塾の休校、世帯年収減などの影響が考えられるという。

 8月度の比較として、「志望校を決定するための情報が足りない」という回答は、中学3年生が前年度比9.7ポイント増の56.5%、高校3年生が前年度比8.9ポイント増の50.5%。新型コロナウイルスの影響によるオープンキャンパス中止、学校見学の機会減少などが指摘されている。

 「新型コロナウイルスの影響で受験勉強や志望校選びに支障が出ている」と回答した受験生は、中学3年生69.7%、高校3年生73.0%。「コロナ禍での困りごと」について、フリーアンサー形式の回答を分析した結果では、43%が「休校による学習の遅れ」に言及。「オープンキャンパス・学校見学できない」26%、「受験日などの日程変更」8%など、新型コロナウイルスの影響を受け、学習面・受験情報面での不安が大きい実態が浮き彫りとなっている。

 今回の調査結果を受け、ベネッセコーポレーションでは受験生の不安や悩みを少しでも解消し、例年とは異なる状況で勉強と向き合う受験生を応援・支援しようと、9月2日より無償サービス「ベネッセ教育情報フォーラム」の提供を開始した。

 「ベネッセ教育情報フォーラム」は、調査結果から明らかになった「受験生が抱える課題」に対する解決の糸口となるよう設計したサービス・アプリ。受験対策教材として、中学3年生向けに「入試直前FINAL」、高校3年生向けに「共通テストトライアル」、受験生向けの最新入試情報・受験セミナー情報を無償提供する。

 「入試直前FINAL」は、長年の高校入試問題分析に基づき厳選した紙の問題集。特に後回しになりがちな理科・社会の重要単語を10分×7回で暗記できる内容で、応募者全員に郵送でプレゼントする。

 大学入学共通テストの対策ができる「共通テストトライアル」では、大学入試センターが実施した試行試験や出題方針を進研ゼミ高校講座が分析・作成した予想問題から、共通テストの特徴的な問題を抜粋。リスニングを含む英数国の3教科対応で、紙での郵送、PDFでのダウンロードのいずれかで提供する。

 「入試直前FINAL」と「共通テストトライアル」の無償提供は、9月2日よりWebサイトで受付を開始した。ただし、申込み多数の場合は、途中で受付を停止する場合もある。

 このほか、受験勉強や志望校選びに役立ててもらおうと、中学生は47都道府県別の高校入試セミナー、高校生は8エリア別の大学入試セミナーをオンラインで開催する。いずれも「ベネッセ教育情報フォーラム」アプリから受講可能。セミナー中に受講者から寄せられた質問にも講師が回答するという。また、アプリ内では新型コロナウイルスの影響で今後も変更の可能性がある「受験情報」「入試情報」についても最新ニュースを配信していく。

 「ベネッセ教育情報フォーラム」のアプリは、ベネッセの総合情報サイト「ベネッセ教育情報サイト」よりダウンロードが可能。対応OSは、iOS11~13、Android6~10。ただし、一部端末においてはメーカーの特殊処理によって正常に動作しない場合があるという。

《奥山直美》

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