「浮足立つ」6割が本来の意味を誤認…国語世論調査

 文化庁は2020年9月25日、2020年度「国語に関する世論調査」の結果を公表した。「手をこまねく」「敷居が高い」「浮足立つ」という慣用句について、本来の意味で理解している人が少数派であることが明らかとなった。

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「~活」「~ハラ」などの表現は気になるか
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 文化庁は2020年9月25日、2020年度「国語に関する世論調査」の結果を公表した。「手をこまねく」「敷居が高い」「浮足立つ」という慣用句について、本来の意味で理解している人が少数派であることが明らかとなった。

 国語に関する世論調査は、文化庁が1995年度(平成7年度)より毎年実施している、日本人の国語に関する意識や理解の現状についての調査。2020年度は、全国の16歳以上の男女を対象に実施し、1,994人の有効回答を得た。調査時期は2020年2月~3月。

 いろいろな語に付く表現を5つ挙げて、他人が言うのが気になるかをそれぞれ尋ねたところ、「~活」(「婚活」や「終活」など)は90.6%、「~ビズ」(「クールビズ」や「ウォームビズ」など)は87.6%が「他人が言うのは気にならない」と回答。一方、「ガン~」(「ガン見」や「ガン寝」など)は36.6%が「他人が言うのが気になる」と回答した。

 3つの慣用句についてどちらの意味だと思うか聞いたところ、「手をこまねく」は本来の意味とされる「何もせずに傍観している」を選択した回答者が37.2%。本来の意味と違う「準備して待ち構える」が47.4%だった。「敷居が高い」では、本来の意味とされる「相手に不義理などをしてしまい、行きにくい」は29.0%で、本来の意味とは違う「高級すぎたり、上品過ぎたりして、入りにくい」が56.4%。「浮足立つ」は、本来の意味とされる「恐れや不安を感じ、落ち着かずそわそわしている」が26.1%、本来の意味と違う「喜びや期待を感じ、落ち着かずそわそわしている」が60.1%だった。いずれの慣用句も本来の意味で理解している人が少数派だった。

 3つの慣用句についてどちらの言い方を使うか尋ねたところ、「新規まき直し」については本来の言い方を選んだのが42.7%、本来の言い方ではない「新規まき返し」を選んだのが44.4%。「雪辱を果たす」については本来の言い方が38.3%にとどまり、本来の言い方ではない「雪辱を晴らす」が50.5%だった。一方、「噛んで含めるように」では本来の言い方が50.5%、本来の言い方ではない「噛んで含むように」が31.9%と、本来の言い方を使う回答者の方が多かった。

 このほか、調査では「外国人と日本語に関する意識」や「敬語に関する言葉遣いに対する印象」などについて結果を公表している。詳細は文化庁Webサイトで見ることができる。

《桑田あや》

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