【大学受験2021】国公立大の志願状況(最終日15時時点)前年比96%、中期日程で減少大

 河合塾の大学入試情報サイト「Kei-Net」は2021年2月9日、「2021年度国公立大志願状況」を掲載した。2月5日午後3時時点の国公立大学全体の志願者数は40万649人、前年最終日同時点との比較は96.0%。日程別でも前期96.8%、後期96.4%、中期87.9%といずれも減少している。

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国公立大志願状況(出願最終日15時現在) (c) Kawaijuku Educational Institution.
国公立大志願状況(出願最終日15時現在) (c) Kawaijuku Educational Institution. 全 3 枚 拡大写真
 河合塾の大学入試情報サイト「Kei-Net」は2021年2月9日、「2021年度国公立大志願状況」を掲載した。2月5日午後3時時点の国公立大学全体の志願者数は40万649人、前年最終日同時点との比較は96.0%。日程別でも前期96.8%、後期96.4%、中期87.9%といずれも減少している。

 国公立大学2次試験の出願は2月5日で締め切られた。「速報!2021年度国公立大志願状況」は、文部科学省が発表した2月5日午後3時現在の集計をもとに河合塾が出願状況の概況をまとめたもの。

 2月5日午後3時現在、国公立大学全体の志願者数は40万649人で、前年最終日同時点と比較すると前年比96.0%。募集人員に対する全体の志願倍率は、前年最終日同時点の4.17倍から0.12ポイント減の4.05倍となっている。

 日程別の志願者数は、前期日程が前年から7,326人減少して22万3,122人。前年最終日同時点との比較は前年比96.8%だが、河合塾では「共通テストの志願者数が前年比 96.0%であったことと比較すると、この数値は国公立大を敬遠しているということにはならない」と指摘している。

 後期日程は15万1,174人で、前年最終日同時点との比較では前年比96.4%。近年、後期日程が廃止・縮小される中で出願者数は減少していたが、2021年度は前期日程ほどの減少率にとどまった。河合塾は「共通テストの平均点が下がらなかったことから、後期日程まで視野に入れている受験生が例年以上にいたとみられる」と分析している。

 後期日程の志願者数を国公別でみると、国立大は前年比94.1%、公立大は前年比103.6%。また、公立大で実施される中期日程では、1割以上志願者が減少し、前年比87.9%であった。「中期日程全体の人気がないということではなく、規模の大きい公立大で志願者の減少が目立っており、これが影響している」という。

 旧帝大を中心とした難関10大学(北海道、東北、東京、東京工業、一橋、名古屋、京都、大阪、神戸、九州)の志願者数を前年同時点と比較すると、全体では前期日程99.4%。前期日程全体の志願者が前年比96.8%と減少している中、積極的に挑戦しようとする動きが見られる。特に神戸大学109.2%、一橋大学102.9%、東北大学102.5%、九州大学101.7%と、4大学の志願者が前年比で増加。東京大学は前年比99.8%と前年並み、京都大学は前年比96.4%と減少した。

 後期日程は、東京工業大学が廃止した影響もあり、難関10大学全体の前年比は93.0%と減少した。ただ、大学別では京都大学107.5%、九州大学107.1%、神戸大学106.2%と、3大学で志願者が増加している。京都大学では、法学部のみが特色入試として後期日程を実施するが、前年入試で志願者が3割以上減少した反動で志願者が集まったと考えられるという。

 学部系統別の前期日程志願状況を前年比でみると、「薬・看護」が106.9%と大幅に増加。「人文・社会」が93.5%と減少が目立ったほか、「理工」97.1%、「農・水産」97.0%、「医・歯」97.9%、「教員養成」96.8%、「その他」99.6%とそれぞれ前年より減少している。

 なお、確定志願者数は文部科学省より2月24日に発表される予定。河合塾は、前年も最終日同時点から確定までの間に志願者数が約2万2,000人増加したことから、2021年度も締切直前の出願者が相当数いると予想している。

 Kei-Netでは、国公立大出願状況について最新の大学別の情報を随時更新して掲載している。

《奥山直美》

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