<理科>講評
(湘南ゼミナール 提供)
全体の大問構成や問題数などは昨年と変わらず、ここ数年の難易度と比較して大きな変化は見られなかった。だが、斜面を登る物体の運動、アサガオの花弁や葉の形など、見慣れない現象や名称が出題されたため、冷静に情報を把握する必要があった。
問1・問5の物理分野では、問5の運動の単元の難易度が高かった。問5の(ウ)は、どのテープから力がはたらかなくなったのかの理解が必要であった。(エ)では、斜面で静止している台車に対して力を加えるとどのような運動となるか、また、そのときに物体にはたらいている力同士の関係はどのようなものになるかを、正しく判断することが正解への手がかりだった。
問2・問6の化学分野では、問6の水溶液の単元で差がついたと思われる。問6の(ウ)と(エ)は、「飽和」「何°C」「何グラム」について問題文とグラフから情報を収集し、数値を丁寧に処理することが求められるものであった。
問3・問7の生物分野では、知識を確実に定着させることで正解できる問題が多かった。一方、問7の(エ)の遺伝と形質の問題は、やや難解で、表から確実に実験結果を読み取り、仮説を導く必要があった。
問4・問8の地学分野では、問4の(ウ)の棒の影の問題は、天体の内容を隅々まで学習する必要があるものだった。問8の(イ)は、前線と雲画像を一致させる問題で、図だけではなく問題文の情報も読み取った上で考える必要があったため、戸惑った受験生も多かったのではないだろうか。
今後の対策としては、教科書内容の知識を理解するだけに留まらず、グラフや図が何を意味しているのかまでを考察し、理解する必要がある。問題文の分量が非常に多いため、普段から必要となる情報に線引きをするなど、正しく素早く情報収集をする習慣を身に付けたい。
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このレポートは令和3年2月15日(月)に、速報として湘南ゼミナールにより作成されたもの。
協力:湘南ゼミナール(執筆:教務支援部 理科科責任者 國吉正人氏)