【高校受験2021】神奈川県公立高校<特色検査・共通>講評

 リセマムでは、湘南ゼミナールの協力を得て、神奈川県公立高校の特色検査の講評を速報する。

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【高校受験2021】神奈川県公立高校<特色検査・共通>講評
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 令和3年2月16日(火)、令和3年度(2021年度)神奈川県公立高等学校入学者選抜のため、学力向上進学重点校などで特色検査が実施された。リセマムでは、湘南ゼミナールの協力を得て、特色検査(共通問題・共通選択問題)の講評を速報する。

特色検査・共通問題 講評
(湘南ゼミナール 提供)



問題の概要


 複数文の素早い読解力が求められる、英語・国語の文章題

 昨年同様に大問2題の構成で、問1は英語の会話文と発表原稿、問2は国語の複数文章を題材にした出題であった。

 問1は「国の国土面積・農地面積・農産物輸出額」「スマート農業」をテーマにしたもので、昨年同様に複数の文章からの出題であった。昨年は2文とも会話文であったのに対し、今年は2文のうちの一方が発表原稿という会話文以外の文章を読み解く必要があった。

 問2は「暦」をテーマにしたもので、文章は3つに分かれている。大きな変化としては、過去2年の出題では「説明文」であったものが、今年は「物語文」からの出題も含まれるものとなった。
 問1は昨年3ページだったものが4ページに、問2は昨年6ページだったものが一昨年と同様の4ページに減少した。

設問の特徴


 「科目横断」要素を含む出題

 問1・2ともに、昨年同様5問ごとの出題であった。問1は、数学の計算要素が含まれる問題、社会の資料読み取りの問題、問2では、数学の平面図形の問題、理科の天体分野からの問題が出題されるなど科目を横断した総合的な理解力が求められた。また、問1は図や表・グラフからの読み取りを要し、問2は複数文を利用した出題であるなど、昨年の出題を踏襲する部分が多くみられた。

課題と対策


 時間を意識して文章題を解く

 英語・国語としての設問の難易度は決して高くはないが、複数文による出題であるため、要領よく、素早く文章を読み取れるようにする対策が必要となる。一方で、「科目横断」であるため、英語・国語の力だけでは解けない出題に対応できるよう、他教科の力を向上させることも忘れてはならない。

特色検査・共通選択問題 講評
(湘南ゼミナール 提供)



問題の概要


 多角的な思考を要するバラエティーのある出題

 昨年同様に大問5種類で、このうち各校が2種類を選択する形となった。

 問3は、「綱引き」をテーマとした会話文と実験から、数学・理科の要素を含む問題などが出題された。

 問4は、「情けは人のためならず」、「内接円と内接球」、「総当たり戦」といったテーマのリード文から国語・数学・社会の要素を含む問題や論理的思考力を問う問題が出題された。

 問5も、「代表選手の決め方」、「空間図形の全ての辺をかき表す図」、「0.9999・・・=1」といったテーマのリード文から思考する力を問う問題が出題された。

 問6は、「見る」ことに関する3つの資料から、社会・理科・数学の要素を含む問題が出題された。

 問7は、「仕事と労働」に関する2つの班の発表から、アローダイアグラムや概略図などの資料の読み取り、数学の要素を含む問題が出題された。

<各校の選択問題>
大和・横浜平沼:問3・問4
湘南・横浜緑ケ丘:問3・問5
茅ケ崎北陵:問3・問6
光陵:問3・問7
川和・希望ケ丘・柏陽・多摩・平塚江南・小田原・相模原:問4・6
横須賀:問5・6
横浜翠嵐・厚木・鎌倉:問6・7

設問の特徴


 選択式解答中心だが、思考を必要とする出題

 問3は、(ア)~(ク)の8問の出題。設問数が多い上にページ数も6ページとなっており、設問数以上に問題量が多く感じるものであった。

 問4は、(ア)~(ウ)の中で計9問の出題。ページ数は4ページであったが、出題数が多い上に深い思考を要する問題もあったので、想像以上に多くの時間を費やしてしまう問題であった。

 問5は、(ア)~(ウ)の中で計7問の出題。ページ数は4ページとなっており、比較的コンパクトな出題で取り組みやすい大問であった。また、条件にそった図を描く問題が出題されている。

 問6は、(ア)~(カ)の6問の出題。ページ数は6ページとなっており、問題数は多くないが1つ1つの問題において、しっかりと文や資料を読み解く必要がある問題が出題されている。

 問7は、(ア)~(オ)の中で計7問の出題。ページ数は5ページであった。問題数・ページ数ともに多くはないが、深い思考を要する問題や長文記述型の問題が出題されており、多くの時間を必要とする出題であった。

課題と対策


 日常の様々な面に深く興味を持ち、思考する習慣をつける

 大問により必要とされる力は多岐にわたるが、以下の2点が重要。

 1点目は、「分野融合」という側面において、主要5科目に限らず、技能系4科目や日常の中にある事象や知識への興味・関心や、その原理原則への興味・理解が問われている。「SDGs」など近年重視されている分野に関する情報に触れる機会を積極的に増やし、「なぜ」を突き詰めていくことが必要である。

 2点目は、しっかりとした情報把握をした上で、論理的思考ができるよう物事を深く思考する習慣も必要である。パターン化された解法などを習熟することにとどまらず、新たな事象を理解し、それを論理的な思考のもと解決していく力が問われている。新たな事象に触れること、論理的に思考する経験を多くしていくことが必要である。

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 このレポートは令和3年2月17日(水)に、速報として湘南ゼミナールにより作成されたもの。

協力:湘南ゼミナール(執筆:教務支援部 特色検査責任者 渡邉豪氏)

《編集部》

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