【高校受験2021】千葉県公立高校入試<国語>講評…記述・読解問題難度高く、難度は前年度同様

 令和3年度(2021年度)千葉県公立高等学校入学者選抜は、2月24日(水)と25日(木)に全日制課程126校203学科、定時制課程17校17学科で実施。リセマムでは、京葉学院の協力を得て、学力検査の「国語」の講評を速報する。

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【高校受験2021】千葉県公立高校入試<国語>講評
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 令和3年度(2021年度)千葉県公立高等学校入学者選抜は、2月24日(水)と25日(木)に全日制課程126校203学科、定時制課程17校17学科で実施。2021年2月19日に発表された志願者数(確定)は、全日制は募集人員3万920人に対し3万3,517人が志願し、平均倍率は1.08倍。定時制は募集人員1,232人に対し706人が志願し、平均倍率は0.57倍だった。

 リセマムでは、京葉学院の協力を得て、学力検査の「国語」の講評を速報する。このほかの教科(全5教科)についても同様に掲載する。

<国語>講評
(京葉学院 提供)



 前年度前期検査と比較すると、前年度まであった「国語の知識」を問う大問(8点配点)がなくなり、大問八題構成から七題構成となりました。また「放送聞き取り問題」の配点が2点減り、説明的文の読解、文学的文章の読解、古典の読解の大問の配点がそれぞれ3点、1点、6点増えました。読解問題での記述問題は3問計12点で前年の5問計15点よりも減りました。また字数が25~40字、20~25字、10~20字と、字数の「幅」が以前よりも広くなりました。記述問題が書きにくい上に、難度の高い選択問題や抜き出し問題が散見されるため、平均点は難度の高かった前年同様となるものと思われます。

1.放送聞き取り


 中学生が図書館で専門の職員の力を借りながら、自分の調べたい事柄自体やそれが掲載されている書籍、さらにはまとめ方の見通しを立てていくという放送を聞いて、設問に答えるものでした。調べたい事柄や書籍の分類は問題用紙に印刷されていて、それを見ながら放送を聞くことができました。選択肢が問題用紙に印刷されていること、設問は放送されることも例年通りの問われ方でした。設問は、直前の会話の意図や内容に関するものが3問、全体に関するものが1問でした。全体に関する設問はやや難しかったかもしれませんが、他の3問は直前の内容に関するものでしたので比較的容易に解答できたものと思われます。大問の配点は前年度よりも2点低い8点でした。

2.漢字の読み


 例年通り、中学校配当の漢字を含む読みが4問出題されました。配点も例年通り各2点、合計8点でした。

3.漢字の書き


例年通り、小学校配当漢字の書きが5問出題されました。毎年三字または四字熟語が出題されますが、今回は「博覧強記」の「博覧」が出題されました。配点は各2点、合計10点と例年通りでした。

4.説明的文章の読解


 同一出典より、「生きていくためにはよりよい選択をすることが重要である」という文章と、「現代の若者は『人間の根』としての教養を身につけるべきであり、その教養によってよりよい選択をすることができる」という趣旨の文章を読んで設問に答えるものでした。選択問題が6問出題されましたが、うち1問は文法を問うもの、4問は本文中の内容の説明または理由を問うているもので、1問は設問中の筆者の考えをまとめた文の空欄を補充するものでした。抜き出し問題は設問の空欄を補充するものが1問出題されました。記述問題は25~40字で解答するものが1問出題されました。本文の参照箇所を適切に書き換えること求められる、難度の高いものでした。大問の配点は前年よりも3点高く23点でした。

5.文学的文章の読解


 「小学生時代に本が大好きであるという点で仲良くなったが中学進学を前に仲違いした親友と、書店員をしている主人公が、働いている書店で本を通して会話をすることで、昔のような友人関係に戻ることを予感させる」という文章を読んで設問に答えるものでした。これまで3年連続で江戸時代を背景にした文章が出題されましたが、今年度の時代背景は現代でした。選択問題が4問出題され、うち2問は人物の直接的な心情を問うものであり自信を持って解答できた受検生が多かったものと思われますが、残り2問は心情の対象を正確にとらえることで正解肢にたどり着く、難度の高いものでした。記述問題も本文中の参照箇所を適切に言いかえたり補ったりすることが求められるもので、戸惑った受検生も多かったことと思われます。また抜き出し問題が3問出題されましたが、うち1問は主題に関するものであり、これも難度が高かったものと思われます。大問の配点は前年度よりも1点高く21点でした。

6.古典の読解


 「源義朝の妻である常葉が三人の息子を連れて、義朝の子どもを捕らえようとする平清盛の勢力から逃れている。夜が更けてある小屋に今夜の宿を求めたが、身の上を怪しんだ主に断られてしまう。しかし主の妻が同じ女同士だということで招き入れる。」という古文を読んで設問に答えるものでした。本文内容が読み取れれば、設問の難度は高くなかったため解答しやすかったと思われます。ただし10~20で解答する記述問題は、設問中にいくつかのヒントが出されているとはいえ書きにくかったものと思われます。また例年必ず1問出題されていた現代仮名遣いに直す問題が、今年度は出題されませんでした。また漢文に返り点をつける問題が1問出題されました。大問の配点は前年度よりも6点高く18点でした。

7.条件作文


 日本の高校生の「自己評価」に関するグラフをみて、2段落構成10行以内(1行は20字)で書く、というものでした。前段にはグラフから項目を一つ選び、そのような結果になったことに対する自分の考えを書き、後段には「自己評価」を高めるための取り組みを具体的にあげて、その取り組みがなぜ自己評価を高めることになるのかを書く、というものでした。配点は前年度同様12点ですが、採点基準の細部については各学校で定めることになっています。

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 このレポートは2021年2月24日(水)に速報として京葉学院により作成されたもの。

協力:京葉学院

《編集部》

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