発達障害、高い認知度…当事者や家族の実感とギャップも

 発達障害の認知度や理解度は高い一方、当事者や家族の90.4%は日常生活で十分に理解されていないと感じていることが2021年4月6日、チャレンジドLIFEが実施した調査結果から明らかになった。このギャップが当事者の困難につながっていると考えられるという。

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発達障害への認知・理解について
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 発達障害の認知度や理解度は高い一方、当事者や家族の90.4%は日常生活で十分に理解されていないと感じていることが2021年4月6日、チャレンジドLIFEが実施した調査結果から明らかになった。このギャップが当事者の困難につながっていると考えられるという。

 「社会における発達障害への認知や理解に関する全国調査」は、「発達障害の目線で、みんなの生きやすさを叶える」を理念とするチャレンジドLIFEが、厚生労働省が定める「発達障害啓発週間」(4月2日~8日)を前に3月16日~26日に実施した。有効回答者数は1,304人。調査対象者の属性は、自身も家族も発達障害当事者ではない人68.8%、当事者の家族26.5%、当事者4.7%。

 チャレンジドLIFEによると、発達障害の現れ方はグラデーションのように幅が広く、当事者とそうでない人の明確な線引きは困難で、多くの当事者や、診断はなく同様の特性をもつ人が社会の中に存在している。今回の調査では、社会における発達障害への認知や理解の状況を知るためには、当事者や家族、支援者だけでなく、当事者とは積極的な関わりがない多数の人も対象とする必要があると考え、初めて自分自身も家族も発達障害当事者ではない人を対象に含めた。

 「発達障害」という言葉については、99.8%が「知っている」と回答。「どのような障害か、大体理解している」との回答も78.6%にのぼった。また、「発達障害は自分とはあまり関係がない」と思っている人は11.8%にとどまり、81.4%が「自分や身近な人が『発達障害かも』と思ったことがある」と回答した。

 一方、当事者と家族208人へのヒアリングによると、90.4%の人が日常生活で十分に理解されていると感じていないと回答している。チャレンジドLIFEでは、発達障害の一般的認知度の高さとのギャップが、「当事者の困難につながっていると考えられる」としている。

 ひとりひとりがもつ「特性」(個人の中で一貫して出現する行動や態度の傾向)の中でも、発達障害の困りごととして出現しやすい13の項目について「自分自身に当てはまる」「家族に当てはまる」「知人に当てはまる」ものを複数回答してもらった結果は、「片付けが苦手」が最多。このほか、「集団になじみにくい」「コミュニケーションが苦手」「こだわりが強い」「感情コントロールが苦手」「没頭すると切り替えが難しい」「興味関心が移りやすい」は、発達障害の有無に関わらず「当てはまる」という回答が多かった。

 当事者と家族へのヒアリング調査からは、「発達障害が理由で幼稚園の入園を拒否された」「わがままのような行動や、親の躾が悪いと思われる特徴が多く、ほかの子と同じであることを求められる」などの体験が寄せられた。当事者は努力や我慢ではカバーできない特性をもつため、適切な環境や配慮を必要とする。だが、努力によって対応できるか否かの違いが周囲からわかりづらいためネガティブな見方が生まれ、当事者や家族が「十分に理解されているとは言えない」と感じる要因につながっていると考えられるという。

 困りごとやその対処について具体的な内容をヒアリングした結果では、「時間を忘れて熱中しそうなときは、タイマーをかけておく」「不器用でも使いやすい文具を使う」「指示は短い文で、1回に1つの内容にしてもらう」「苦手なことを周りの人に伝えておき、1人で抱えない」などが当事者や家族から寄せられたという。

 チャレンジドLIFEは調査結果について「発達障害への認知度や理解は高まってきているものの、当事者や家族の実感としては、まだまだ十分な理解があるとは言えない現状が明らかになった。発達障害による困りごとの中には、当事者特有のものではなく、多くの人が感じている困りごとと一致しているものがある。今回の調査結果より、発達障害への理解が広がり、困りごとに対する適切な環境や対処がとられることで、当事者だけでなく多くの人にとっても過ごしやすい社会につながるのではないか、ということが見えてきた」と考察している。

 チャレンジドLIFEでは4月7日午後3時から「オンライン報告会」を開催。今回の調査報告と調査結果に基づいたパネルディスカッションを行う。パネラーは、NPO法人GEWEL代表理事の小嶋美代子氏、チャレンジドLIFE代表の畠中直美氏。参加に必要なZoomミーティングのURLなどは、チャレンジドLIFEのWebサイトで紹介している。

◆オンライン報告会
日時:2021年4月7日(水)15:00~16:00
形式:オンライン(Zoom使用)
参加方法:チャレンジドLIFEのWebサイト掲載のURLより

《奥山直美》

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