「子どもの人権SOSミニレター」1,240万部配布…法務省

 法務省は2021年5月21日、2021年度「子どもの人権SOSミニレター」事業の実施について発表した。7月上旬までかけて全国の小中学校に約1,240万部の「子どもの人権SOSミニレター」を配布。小中学生から返信された悩みごとには、法務局職員らが丁寧に返答する。

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2021年度「子どもの人権SOSミニレター」(小学生用)表面
2021年度「子どもの人権SOSミニレター」(小学生用)表面 全 7 枚 拡大写真
 法務省は2021年5月21日、2021年度「子どもの人権SOSミニレター」事業の実施について発表した。7月上旬までかけて全国の小中学校に約1,240万部の「子どもの人権SOSミニレター」を配布。小中学生から返信された悩みごとには、法務局職員らが丁寧に返答する。

 「子どもの人権SOSミニレター」は、法務省の人権擁護機関が、学校におけるいじめや体罰、家庭内での虐待等の問題に対する活動として、全国の小学校・中学校の児童・生徒に配布しているもの。ミニレターを通じて、教師や保護者にも相談することができない子供の悩みごとを把握し、学校や関係機関と連携を図りながら、子供をめぐるさまざまな人権問題の解決にあたっている。

 2021年度は、5月25日から7月上旬までにかけて全国の小中学校に約1,240万部を配布する。ミニレターに相談したいことを書いて、裏面の封筒部分を切り取り、便せん部分を入れ、切手を貼らずにポストに投函すると、最寄りの法務局・地方法務局に届く仕組みになっている。ミニレターに記載された小中学生の悩みごとには、法務局職員または人権擁護委員がひとりひとりに丁寧に答えるという。

 児童・生徒からの「子どもの人権SOSミニレター」受領通数は、2016年度1万4,092通、2017年度1万2,975通、2018年度1万2,016通、2019年度1万3,685通、2020年度9,563通。コロナ禍の2020年度は、例年よりも受領通数が少なかった。

 ミニレターを端緒とする人権相談は、1通のミニレターに複数の相談内容が含まれている場合はそれぞれを人権相談として受理しており、2020年度の受理件数は1万704件。内訳は、「体罰」37件、「虐待」451件、「いじめ」2,368件、「その他」7,848件。

 過去には、「子どもの人権SOSミニレター」を端緒として、いじめに対する小学校の不適切な対応、母親による虐待、兄による性的虐待、中学校教諭による体罰等を把握し、救済措置を講じた事例もある。

 法務省では、「子どもの人権SOSミニレター」以外にも子供の人権問題に関する相談窓口として、全国共通フリーダイヤル「子どもの人権110番」(0120-007-110)やパソコン・携帯電話・スマートフォンから24時間受け付ける「子どもの人権SOS-eメール」も開設している。

《奥山直美》

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