キラキラネームが及ぼす影響は?意思決定と名前のヒミツ
追手門学院大学は2021年6月14日、大学教員らが教育・研究成果等の専門的知見に基づいて読み解いた記事を掲載する特設サイト「OTEMON VIEW」に、「キラキラネーム、カタカナ名称。私たちは『名前』に支配されている?意思決定と名前のヒミツ」と題した記事を掲載した。
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しばしばメディアで取り上げられ、時に論争が巻き起こるキラキラネーム。今回の記事では、認知科学の視点で人の意思決定に関する研究を行っている追手門学院大学心理学部の本田秀仁准教授が、名前が周囲に与える影響や名前の持つ力等について詳しく解説している。
一部を紹介すると、名前の影響には2パターンあることがわかっているという。1つ目が「名前を見た人、評価する側に対する影響」。たとえば、キラキラネームを持つ人に対して、それがその人の実態や事実とは異なったとしても「この人はこうであるにちがいない」とバイアスがかかった見方をしてしまい、それがポジティブにもネガティブにも作用する可能性がある。
2つ目が「名前を持つその人自身に対する影響」。アメリカの大学の研究によると、メジャーリーグにおいて「K」のイニシャルを持つ選手は、スコアブックに「K」と記入される三振の数が、その他の頭文字を持つ選手に比べて多いという研究結果が出ているという。同様に、イニシャルにCまたはDを持つ大学生は、成績でCまたはDを取りやすい傾向にあることも発表されている。自分の名前、イニシャルに対してポジティブな印象を抱き、それと関係することも好きになり、無意識下で結びつけてしまう。という心理が働くことで、ポジティブな事柄、ネガティブな事柄問わず影響を及ぼす可能性が示されているという。
本田准教授によると、「大切なのはその実態と名前とのバランス」だという。キラキラネームに代表される事例のように、「変わった名前」というのはよくある名前と比べると悪影響(揶揄やいじめ等)の一因になる可能性があるということは名付けの段階で認識しておく必要がある。名前の持つ影響は思った以上に大きいため、名付けにあたってはそれがネガティブにも、ポジティブにも作用するということをよく理解したうえで、「実態を最大限的確に表現できる」名前を考えることが大切ではないか、としている。
記事全文は、追手門学院大学の特設サイト「OTEMON VIEW」にて見ることができる。
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