この「西武多摩川線サイクルトレイン」は、平日上り是政発10時9分~15時45分、下り武蔵境発10時6分~15時42分、土休日上り是政発8時9分~17時45分、下り武蔵境発8時6分~17時42分の列車に設定される。また各駅の改札では、平日10~16時、土休日8~18時の間で自転車を持ち込みながら通過できる。
◆西武 101系 4両編成 全4本にチャリ載せOK設定
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また、原動機付き自転車やスタンドがない自転車、長さ180cm・幅45cmを超える自転車は持ち込めない。小学生以下は保護者の同伴が要る。こうした条件のもとで実施される“西武版サイクルトレイン”がなぜ、多摩川線を最初に選んだか。
◆西武の“孤立路線”を逆手にとって実現
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いま駅前にはシェアサイクルやレンタサイクルがある。多摩川線の沿線価値向上というなら、駅構内にシェアサイクルを充実させたほうが手っ取り早い。MaaSの時代、さまざまな交通をシームレスにつなげるトレンドもある。それなのになぜ西武鉄道はサイクルトレインを試みるか。
◆子どもといっしょに、大きな荷物があるとき、便利かも
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「たとえば、行きは自分の足でサイクリングして、帰りは電車に載せて帰ってくるとか。チャイルドシート付きのママチャリに乗る親子が、電車と自転車に乗って買い物やママ友会に行ったり……そんな想定もしている」(西武鉄道)
前出の積載可能サイズ内に収まれば、チャイルドシートシート付き自転車なども持ち込みできるということで、こうした利用イメージもあるという。また、じゃがいもダンボールひと箱とかを買った場合、自転車の荷台にじゃがいもダンボールを載せて駅まで行き、荷台から下ろして自転車を電車に載せて……といった利用もできそう。
◆テレワークやカフェ探しに、多摩湖線や国分寺線へも拡張するか
そう考えると、使い方がいろいろ浮かんでくる。テレワークが定着し、電車に乗って通勤する機会が減ったいま、自分のお気に入り自転車を多摩川線電車に載せて、多摩川の河川敷でノートPCをカタカタしたり、知らない街を自転車で走って仕事場になりそうなカフェを探したり……。
そして多摩川線サイクルトレインの手応えと課題がみえてきたら、西武鉄道は本格展開へとステップアップするかもしれない。多摩川線で始めて、その先には多摩湖線や国分寺線、狭山線といったローカル路線へと拡張するかもしれない。