【夏休み2021】好奇心を原動力に身近な疑問に向き合う「CurioStepサマーチャレンジ2021」参加者募集

 VUCAの時代「自ら新しい価値を生み出す力」が必要とよく聞く。それを身に付けるためのヒントを、ソニーグループ サステナビリティ推進部の山本理恵子氏と、「MESH(メッシュ)」の開発者・プロジェクトリーダーの萩原丈博氏に伺った。

教育イベント 小学生
PR
好奇心を原動力に身近な疑問に向き合う「CurioStepサマーチャレンジ
好奇心を原動力に身近な疑問に向き合う「CurioStepサマーチャレンジ 全 9 枚 拡大写真
 コロナ禍の夏休み。制約のあるなかでも、子供たちに好奇心を刺激する体験の機会を届けるべく、体験型イベント「CurioStepサマーチャレンジ2021」をソニーが開催する。

 イベントの主催者で次世代を担う子供たちに向けた教育プログラムを展開するソニーグループ サステナビリティ推進部の山本理恵子氏と、プログラミング教材の先駆的存在とも言える「MESH(メッシュ)」の開発者・プロジェクトリーダーの萩原丈博氏に話を伺った。

 世界はVUCAの時代と言われている。先の見えない不確実な時代において「自ら新しい価値を生み出す力」が必要とはよく聞くが、一体どのように身に付けたら良いのだろうか。「CurioStepサマーチャレンジ2021」はそのヒントを探る機会にもなりそうだ。

「当たり前」から新しいモノを生み出す



--センサーやスイッチ等の機能ごとのブロックと、タブレット端末など身近なものを組み合わせて、さまざまなアイデアを形にできるIoTブロック「MESH」。2015年発売時からプログラミング教育の現場でも注目されるMESHの、開発のきっかけを教えてください。

萩原氏:きっかけは、朝の起きた時のルーティンの改善でした。目覚まし時計が鳴っても無意識に止めてしまう癖があり、なかなか起きられなくて。そこで、目覚し時計のアラームを止めるボタンだけが洗面所にあり、アラームを止めるためにそこまで歩くことが強制されれば、確実に起きられるのではと考えたのが始まりです。ところが、当時は調べてもそういったアラームのストップボタンだけが取り外せるような目覚まし時計は売っておらず、それなら自分で作ろうと思い立ちました。

 とはいえ、現実世界で新たな仕組みを作るのは大変な作業です。もっと簡単に解決できるツールがあればと考えたのが「MESH」の原点です。

インタビューに応じてくれたMESHの開発者・プロジェクトリーダーの萩原丈博氏インタビューに応じてくれたMESHの開発者・プロジェクトリーダーの萩原丈博氏

手を動かすことで広がる思考



--「新しい価値を生み出す」とか「新たな仕組みを作る」と言っても、ハードルが非常に高く感じられますね。萩原さんは、どのような段階を踏んで、思いを形にしていったのでしょうか。

萩原氏:まずは、試作(プロトタイプ)を作りました。紙にボタンやセンサーのイメージを印刷して、部屋中の「ここにあれば良いな」と思う場所に貼りました。そうすることで「冷蔵庫の開閉時にセンサーがついていたら、離れて暮らす両親のようすがわかって良いな」「インターホンが鳴ると、別の場所にいてもスマホに通知が来ると良いな」など、次々と発想が湧いてきました。

 新しい発想が浮かんだときは、新規サービスであれば紙に書き出したり、商品であれば紙工作や粘土で作ったりすることで、さらに発想が広がることも多々あります。まずは手を動かして、頭の中にあるものを形にしてみることは、本当にお勧めです。

MESH開発時、最初に制作した紙工作のプロトタイプMESH開発時、最初に制作した紙工作のプロトタイプ

--開発前から「プログラミングを取り入れた新しいツールを作りたい」と意識されていたのでしょうか。

萩原氏:いえ、当初は新しいツールを作りたいと明確に考えていたわけではありませんでした。ボタンやセンサーの試作を作り、いろいろな人にヒアリングしていきながら、徐々に「これは『目覚まし時計作り』のためだけのパーツでなく、生活の課題解決のツールになるかもしれない」と感じるようになりました。

 現代社会では、人々が抱える課題も多様化しています。その多様な課題に対して解決する仕組みを各自がつくれるようなツールを作りたいと考えました。また、プログラミングの要素も取り入れながら、誰もが直感的に操作できる形を目指しました。

--身近な疑問に真摯に向き合い、小さなことからアクションを起こした結果が、プログラミング教育でも広く使われる商品の誕生につながったのですね。萩原さんの考える「新しい価値を生み出す力」とは、どのようなものでしょうか。

萩原氏:新しいことを考えるとき、ゼロからアイデアをひねり出さなければならないかというと、必ずしもその必要はないと思います。むしろ、新規事業や新しいモノが生まれるきっかけは、既存の事物に対して「これを解決したい」という課題意識や好奇心からスタートしているものが多いです。世の中に存在しているものに、いかに好奇心をもって注意深く眺められるかが大切です。「当たり前」と思っていたことを「これはどうすれば良くなるのだろう」という気付きが、きっかけや原動力になると思います。子供たちが新しい見方や捉え方で物事を考えられるように、MESHで日常生活での多様な学びの切り口を提供していきたいですね。

好奇心を原動力に「CurioStepサマーチャレンジ2021」開催



--2021年夏、ソニーグループではMESHを含め、子供たちの興味や関心に合わせて選べる参加型の教育イベント「CurioStepサマーチャレンジ2021」を開催されますね。イベントの概要を教えてください。

山本氏:2021年8月1日から8月28日の夏休み期間に、未就学児から中学生の幅広い年齢のお子さまを対象に、プログラミング・クラシック音楽・科学工作のワークショップや宇宙をテーマにしたトークショーなど、好奇心のままに参加してもらえる幅広いプログラムを開催します。

「CurioStepサマーチャレンジ2021」のプログラム詳細はこちら
--「CurioStepサマーチャレンジ2021」の母体となる活動「CurioStep with Sony(キュリオステップ)」は、2020年夏に開始した教育プログラムですね。その背景や込められた思いを教えてください。

山本氏:ソニーグループでは、創業当時から60年以上にわたって科学教育支援を継続してきました。2020年7月にはそれらの活動をさらに進化させる形で「CurioStep with Sony」を新しくスタートし、これまでの科学教育に加え、好奇心・自主性・創造性を大切にするSTEAM教育※の支援に重点を置いています。変化の激しい時代に、クリエイティビティとテクノロジーを体験する機会を通じて子供の好奇心を広げ、「新しい価値を生み出す力」や「自分の頭で物事を考える力」を育む機会の提供に取り組んでいます。
※STEAM:Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Art(芸術)、Mathematics(数学)の略

ソニーグループでは、創業当時から60年以上にわたって「ソニー・サイエンスプログラム」を、2020年7月「CurioStep with Sony」としてリニューアル。好奇心×主体性の思いが込められた「CurioStep with Sony」

 「CurioStep with Sony」の名称には、子供自身が「好き」という気持ちや「ワクワク」という好奇心(curiosity)を広げ、主体的に未来に向かって進んでいってほしい(step)してほしいという願いを込めています。また、あくまでもプログラムの主人公は子供たちで、ソニーは子供たちの自主的な学びをサポートする伴走者という位置付けから「with Sony」としています。

--「CurioStepサマーチャレンジ2021」では、まさに「新しい価値を生み出す体験」ができそうですね。コンテンツの概要を教えてください。

山本氏:今回オンラインでの企画としては、プロの演奏家とともに楽器の仕組みを解き明かす「音と楽器のひみつを探るワークショップ」や、紙コップと磁石を使ってスピーカーをつくるワークショップ、光の原理やカメラの原理が学べる工作キットのプレゼントを実施します。科学の原理を楽しく学べる、この「わくわく科学工作」では、工作キットと合わせて「まなびシート」も自宅に届くので夏休みの自由研究にもぴったりです。

宇宙を仕事にしているプロフェッショナルによるトークイベント「宇宙のこれからとキミの夢のかなえ方」宇宙を仕事にしているプロフェッショナルによるトークイベント「宇宙のこれからとキミの夢のかなえ方」

 またソニーグループが宇宙感動体験事業で協働している東京大学とJAXAとともに、宇宙を仕事にしているプロフェッショナル3者によるトークイベント「宇宙のこれからとキミの夢のかなえ方」も開催します。子供たちの宇宙についての疑問や、宇宙でやってみたいことのアイデアなどを宇宙のプロに投げかけられる特別な機会にできればと思っています。

 オフラインのリアルイベントとしては、ソニー主催の「DinoScience恐竜科学博」の会場にて、実際に展示された恐竜たちを観察したあと、ロボットトイ「toio(トイオ)」で工作とプログラミングを組み合わせてオリジナルの作品をつくることのできるワークショップを体験いただくことができます。

 また同時期、MESHを使ったコンテスト「プログラミングでおうち時間をもっと楽しくするしかけコンテスト」も開催します。応募期間は7月19日から9月13日までで、対象は小中学生。MESH開発時の萩原さんさながらに「これがあればもっと便利なのに」「こうだったらもっと楽しいな」と考えながら、MESHを手に、おうちの中を歩いてみてください。ご自宅にMESHのないご家庭には、抽選でレンタルも行う予定です。

MESHアイデアコンテスト「プログラミングでおうち時間をもっと楽しくするコンテスト」のエントリーは、7月19日から9月13日。「おうち時間をもっと楽しくする」仕組みを親子で考えてみては?

「余地のあるコミュニケーション」で好奇心を引き出す



--大人も好奇心がくすぐられるプログラムばかりですね。つい大人が本気になってしまいそうですが、こういった教育プログラムに、子供が自ら関心を持ち、主体的に参加するために保護者が気を付けることはありますか。

萩原氏:イベントの前後に関連する分野の図鑑や動画を見るなど、親子で一緒に興味を広げることをお勧めします。宇宙の例で言えば、夜空を眺めて「月がきれいだね、なんで今日はオレンジ色なんだろうね」と一言投げかけるだけでも、興味をもつきっかけになるかもしれません。親が良い問いかけをして、子供自身がその先を考えることのできる「余地のあるコミュニケーション」を取ると、子供の創造性や興味関心が広がっていくように思います。

 私自身も子育て中の身として実感していますが、親が思うように子供は育ちません。興味をもつかどうかはあくまで子供次第。親が軌道修正しようとしても、なかなかできるものではないですよね。そのため、親として「これをやらせたい」ではなく、知るきっかけや試す機会をたくさん与え、子供の興味関心を応援できたら良いのではないでしょうか。

--今回の「CurioStepサマーチャレンジ2021」は、自宅からご家族で一緒に参加できます。イベントでの学びを参加者にはどのように生かしてほしいと考えますか。

山本氏:たとえば「わくわく科学工作」のワークショップでは、紙コップや磁石など身近なものでスピーカーを作ります。体験を通して、身の回りのものだけでも意外と自分のアイデアを実現できることがわかると思います。「CurioStepサマーチャレンジ2021」に参加することで、普段の生活における視点が増えたら良いなと考えています。

インタビューに応じてくれたソニーグループ サステナビリティ推進部の山本理恵子氏インタビューに応じてくれたソニーグループ サステナビリティ推進部の山本理恵子氏

萩原氏:MESHのコンテスト「プログラミングでおうち時間をもっと楽しくするしかけコンテスト」では、家族のコミュニケーションのきっかけになったら良いなと思っています。「おうち時間を楽しいと感じるのは、どんな時だろう?」「何をしている時が楽しいと感じる?」とか。一度作って終わりではなく、何度も自由に作り変えて試行錯誤できるのが、MESHの良さなので、さまざまな形を試してほしいですね。学校のクラブ活動や学童の取組みとしてコンテストに応募することも可能です。家族同士の会話だけでなく、お友達同士のやり取りの中から新たな気付きが生まれることもあると思います。

--昨今増えてきたオンラインイベントは、家族と一緒に参加したり、わからないところを気兼ねなく家族に聞くことができたり、肩肘張らずに参加できるのが良いですね。

萩原氏:今回のイベントも、特別な場所ではなく家族がいる身近なところで参加できることに意義があると考えています。家族と一緒に会話しながら考えたり、工夫することを通じて「自分たちで身の回りのことを変えていけるんだ」という小さな自信の積み重ねが、いずれ「自分の力で世の中を変えていく」という大きな自信につながると思います。

山本氏:オフラインだと会場の雰囲気に慣れるまでに時間がかかるのですが、オンラインでは家などの慣れた雰囲気の中でリラックスして取り組むことができます。

好奇心を原動力に身近な疑問に向き合う「CurioStepサマーチャレンジ2021」参加者募集好奇心を原動力に身近な疑問に向き合う「CurioStepサマーチャレンジ2021」

 また、ソニーグループでは、会場からの距離や家庭環境を問わずあらゆる子供たちが参加できる環境づくりを大切にしています。「CurioStepサマーチャレンジ2021」はすべて無料で、MESHのレンタルや工作キットの配布も行います。日本全国からご参加いただけるので、「北海道は雪だね、東京は雨なのにね。そっちの天気はどう?」といった地域の違いを、オンラインでの会話を通じて子供たち同士が実感できますし、制作した作品にも地域性が出てとても面白いですよ。「おうち時間」が増える夏休み、多様な価値観に触れたり、生活の中に潜むいろいろなきっかけを親子で探したり、「CurioStepサマーチャレンジ2021」を親子での学びの機会として活用してもらえたら嬉しいですね。

--本日はありがとうございました。

 「CurioStepサマーチャレンジ2021」の応募締切は7月18日。MESHのコンテスト「プログラミングでおうち時間をもっと楽しくするコンテスト」のエントリーは、7月19日から9月13日。一緒に特設Webページを眺めながら、お子さまの好奇心のポイントを探してみてほしい。何かと外出が制限されそうな2021年の夏休み、どこにいても学びにアクセスできる環境に感謝しながら、親子で「新しい価値を生み出す体験」をしてみてはいかがだろうか。

「CurioStepサマーチャレンジ2021」参加者募集中

《土取真以子》

土取真以子

関西在住の編集・ライター。教育、子育て、ライフスタイル、お出かけのジャンルを中心に、インタビュー記事やイベントレポートなどの執筆を手がける。教育への関心が強く、自身の出産後に保育士資格を取得。趣味が旅行とハイキングで、目標は親子で四国お遍路&スペイン巡礼。

+ 続きを読む

【注目の記事】

この記事の写真

/

特集