女性の管理職比率「少ない」8割、増やすための方法とは?

 女性の管理職比率を「少ない」と感じている女性が8割にのぼることが2021年7月19日、しゅふJOB総研の調査結果からわかった。妥当な比率は「50%程度」がもっとも多く、女性管理職を増やす方法では「結婚や出産しても続けやすい雰囲気を作る」が8割を超えた。

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女性管理職の割合についてどう思うか
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 女性の管理職比率を「少ない」と感じている女性が8割にのぼることが2021年7月19日、ビースタイルが運営する調査機関しゅふJOB総研の調査結果からわかった。妥当な比率は「50%程度」がもっとも多く、女性管理職を増やす方法では「結婚や出産しても続けやすい雰囲気を作る」が8割を超えた。

 調査は2021年5月19日~26日、ビースタイルスマートキャリア登録者および求人サイト「しゅふJOB」登録者を対象に実施した。有効回答者数は女性のみ705人。

 管理職として就業した経験は「ある」28.7%、「ない」71.3%。管理職になることを希望するかについては、52.9%が「管理職は希望しない」と回答。「管理職を希望する」4.8%、「条件によっては管理職を希望する」31.1%をあわせた35.9%が管理職になることを「希望する」と答えた。

 女性管理職のイメージでは、「能力が高く仕事ができる」66.7%がもっとも高く、「管理職の向き不向きに性別は関係ない」59.1%、「家庭と仕事を両立しづらい」58.7%と続いた。

 内閣府男女共同参画局によると、2019年時点で係長以上の女性管理職の割合は18.9%。この女性管理職比率については、80.7%が「少ない」と回答した。政府は2020年代の可能な限り早い時期に女性管理職比率を30%にするという目標を掲げている。回答者自身が妥当だと思う女性管理職比率を尋ねた結果では、「50%程度」がもっとも多く30.4%、「40%程度」23.5%、「30%程度」18.3%、「わからない」15.7%と続いた。

 男性と比較して女性管理職の比率が少ない理由は、「結婚や出産をすると管理職として続けづらい雰囲気が職場にあるから」が81.1%と圧倒的に多かった。この他、「前例となる女性管理職の数が少ないから」45.1%、「管理職志向の女性の数が少ないから」32.1%、「女性は責任ある仕事を任せてもらえないから」30.6%等が上位にあがった。

 女性管理職を増やすにはどうすれば良いかについては「結婚や出産をしても管理職として続けやすい雰囲気を職場に作る」が81.0%にのぼり、高い割合を示した。「拘束時間ではなく成果で給与を決める仕組みを導入する」45.2%、「女性管理職の事例を増やす」42.8%、「在宅勤務が認められる業務を増やす」34.0%等の回答も多かった。

 フリーコメントでは「能力は高い女性であっても、結婚や出産で辞めなくてはならない風潮がある会社が多い」「配偶者が転勤族で遠方に転居とか、産休育休で3年くらい休むとか、あるいは育児に専念したいと一旦退職するとかしてキャリアが途切れることが問題なのではないかと思う」「高くなるといいとは思うけど、今の社会の仕組みでは、なりたい人は増えないと思う」「そもそも比率に拘らず、能力で判断すべきだと思う」等、さまざまな声が寄せられた。

 しゅふJOB総研 研究顧問の川上敬太郎氏は、調査結果を受けて「女性管理職を増やすには、増えない主要因と考えられる『職場内の雰囲気』『拘束時間に応じた給与』『在宅勤務可能な仕事の少なさ』を改善する一方で、女性に対して責任ある仕事を任せていくスタンスも鍵になってくるのだと考えます」とコメントしている。

《奥山直美》

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