スポーツしている子供は栄養素が不足…9割以上の管理栄養士

 スポーツをしている現代の子供は必要な栄養素が不足しがちだと考える管理栄養士が9割以上にのぼることが2021年9月14日、日本安全食料料理協会の調査結果からわかった。管理栄養士が不足しがちと考える栄養素は「たんぱく質」「ビタミン」「カルシウム」の順に多かった。

生活・健康 中学生
「スポーツをしている現代の子供は必要な栄養素が不足しがちだと思うか」と「不足しがちな栄養素」
「スポーツをしている現代の子供は必要な栄養素が不足しがちだと思うか」と「不足しがちな栄養素」 全 5 枚 拡大写真
 スポーツをしている現代の子供は必要な栄養素が不足しがちだと考える管理栄養士が9割以上にのぼることが2021年9月14日、日本安全食料料理協会の調査結果からわかった。管理栄養士が不足しがちと考える栄養素は「たんぱく質」「ビタミン」「カルシウム」の順に多かった。

 「スポーツをしているお子さんの栄養管理」に関する調査は2021年8月26日~30日、スポーツをしている小中学生の子供をもつ親504人、管理栄養士527人の計1,031人を対象にインターネットで実施した。

 小中学生の保護者を対象とした調査によると、子供が取り組んでいるスポーツは「水泳(競泳・アーティスティックスイミング・飛び込み)」18.5%、「サッカー・フットサル」18.3%、「野球・ソフトボール」13.7%の順に多く、子供のスポーツ歴は「1年以上3年未満」32.3%が最多だった。

 子供の1日の食事回数は「3回」が89.1%を占めた。子供の食事で意識していることでは、「野菜を多めにする」が52.8%ともっとも多く、「好き嫌いをなくす」47.2%、「たんぱく質を多めにする」33.7%、「カルシウムを摂れるようにする」19.3%、「ジャンクフードを極力避ける」17.7%と続いた。

 具体的には、「お味噌汁やスープ等で野菜等が摂れるように工夫している」「卵等、手軽に摂れるたんぱく質を毎食摂るようにしている」「主食・主菜・副菜を意識している」「毎朝、小魚を食べさせる。おやつはコーヒー牛乳にして、なるべく多くカルシウムを摂取できるようにしている」等の回答が寄せられた。

 子供がスポーツをするうえで不安なことや心配なことでは、「けがをしないか」58.1%、「楽しんで取り組んでいけるか」57.7%、「骨や筋肉がしっかりと発達するか」38.5%の順に多かった。

 一方、栄養の専門家である管理栄養士の調査結果によると、「スポーツをしている現代の子供は必要な栄養素が不足しがちだと思うか」との質問に48.2%が「とてもそう思う」、43.5%が「ややそう思う」と回答。9割以上の管理栄養士が、スポーツをしている子供は必要な栄養素が不足しがちだと考えていることがわかった。

 不足しがちな具体的な栄養素については、「たんぱく質」61.9%、「ビタミン」51.6%、「カルシウム」50.9%、「鉄」41.6%と続いた。1位の「たんぱく質」は、6割以上の管理栄養士が不足していると回答した。日本安全食料料理協会は「たんぱく質は、小・中学生であれば1日20g~50g弱ほど摂取する必要があります。たんぱく質摂取のために食べている人が多い“ゆで卵”1つで13gと考えると、毎日の必要量がわかると思います」と解説している。

 「スポーツをしている子供の食事は工夫してあげる必要があるか」との質問には、92.8%の管理栄養士が「はい」と回答した。具体的には、「野菜でビタミンを摂り、たんぱく質は植物性のものと動物性のものが1:1になるようにする」「補食やフルーツ等で、不足しがちなミネラル類を補う」「筋肉を作るたんぱく質とエネルギーになる炭水化物のバランスの良い食事を工夫する」等の回答が寄せられた。

 日本安全食料料理協会は、調査結果を受けて「スポーツをする子供をサポートするためにも、食事での工夫で不足しがちな栄養素を補いましょう」とアドバイスしている。また、同協会では、食品・料理の技術の理解や食育を通しての各スキルの水準がある一定以上であることを確認し認定する「食育健康アドバイザー認定試験」を運営しており、「普段の食事から体を整えていくきっかけを作れる食育健康アドバイザーの資格を取得すれば、食育を通じて子供たちの健康的な体作りサポートすることができるでしょう」と勧めている。

《奥山直美》

【注目の記事】

この記事の写真

/

特集