2階でも死亡事故、窓やベランダからの転落に注意…消費者庁
換気や暑さ対策として窓を開けて過ごすことが増える時期、子供が窓やベランダから転落する事故が夏にかけて増加するとして、消費者庁は注意を呼びかけている。窓を開けた部屋やベランダで子供だけで遊ばないよう見守るとともに、事故が起きない環境作りが重要だ。
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
過ごしやすい季節は窓を大きく開けて室内に風を通したいところだが、毎年夏に向けて子供の窓やベランダ等からの転落事故が増加する傾向にある。消費者庁は2022年5月9日、メールマガジン「子ども安全メール from 消費者庁 Vol.590」で窓やベランダからの転落について、あらためて注意喚起した。
子供が窓やベランダから転落する事故は、5~6月から増加する傾向にあり、高層階に限らず2階からの転落でも入院が必要な中等症と診断されたり、死亡事故につながるケースも発生している。消費者庁が2020年に発表したデータによると、転落事故は3~4歳がもっとも多く、窓が空いた部屋で子供だけで遊んでいるときに発生する事例が多いという。
消費者庁では、子供の見守りとあわせて、あらかじめ事故が起きない環境を作っておくことが重要だとしている。たとえば、「子供が勝手に窓を開けられないよう手の届かない位置に補助錠をつける」「窓やベランダの手すり付近に足がかりになるような物を置かない(特にエアコンの室外機に要注意)」「窓、網戸、ベランダの手すり等に不具合がないか定期的に確認する」等、具体的な注意ポイントを示している。
消費者庁・国民生活センターには医療機関から実際の事故事例が寄せられており、「ギャーという子供の泣き声がして探すと、網戸にしていたリビングの腰高の窓が全開になっており、約5m下のルーフバルコニーに落下していた。大腿骨骨折のため入院。窓のそばには高さ50cmほどの机とソファを置いていた(1歳10か月)」「3階の自宅で遊んでいた子供の音がしないことに気付き探したところ、出窓の網戸が破れており、建物の外に落下している子供を発見した。全身打撲、脳損傷による意識障害、肺挫傷のため入院。換気のために窓を開けており、窓際にベッドを置いていた(4歳)」「家族を見送るためにベランダの手すりを鉄棒の前回りのようにつかんでいたところ、前のめりにコンクリートの地面に落下した。全身の打撲のため入院となった(5歳)」といった事例が発生している。
近年、ベランダに椅子やテーブルを置いてくつろぐ場所として活用するスタイルが注目されているが、少しの時間であっても子供だけがベランダに残るような状況は危険だ。椅子等を手すりから離して置いていても、子供が移動させて足がかりにすることも考えられるため、使用後には室内に取り込む等、置きっぱなしにしないことが大切だという。
「子ども安全メール from 消費者庁」は、消費者庁によるメール配信サービス。おもに0歳から小学校入学前の子供の思わぬ事故を防ぐための注意点や豆知識を発信している。登録は消費者庁のWebサイトから無料で受け付けている。
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