同調査は、2022年3月8日～3月29日の期間、東京都・神奈川県・埼玉県居住の20歳以上の男女、合計5万3,853名を対象にインターネット経由で調査票を配布。今回は、入力された自治体名・駅名をもとに複数の候補を表示してもらうフリーワード・サジェスト方式を採用し投票数を集計した。
さらに、2022年3月24日～29日には、同条件の2万2,645名を対象に「住みたい理由・住んでいない理由・街との関係・住む可能性および回答方式の違いによる分析」について、回答方式を都道府県沿線駅選択方式、沿線駅選択方式、候補駅選択方式の3グループに分け調査した。
首都圏で住みたい街（駅）ランキングの1位は「吉祥寺」、2位「横浜」、3位「みなとみらい」となった。「吉祥寺」は4年連続でトップ、2位の「横浜」も4年連続2位と続いた。トップ10の駅のうち8駅は昨年と同じ顔ぶれとなり、5位は昨年11位の「東京A」（日本橋・京橋A）、9位は昨年12位の「新宿A」がトップ10入りを果たした。（2つ以上の近接駅を統合した場合、駅名にAを付記）
続いて、住みたい街（自治体）ランキングでみると、1位「世田谷区」、2位「港区」、3位「武蔵野市」という結果に。「世田谷区」が昨年まで3年連続1位の「港区」を抑え、初のトップとなった。「武蔵野市」は、住みたい街（駅）ランキング1位の吉祥寺駅がある街で2年連続で3位となった。その他4位から10位は、昨年トップ10入りした自治体が順位変動はあるものの再度ランクインした。また、昨年21位だった「藤沢市」は、15位と順位を追い上げた。
住みたい街（駅）を選んだ理由には、1位「吉祥寺」2位「横浜」では交通や生活の利便性、イメージの良さ、繁華街がある、有名等の声があがった。3位の「みなとみらい」は、中でもイメージの良さが際立ち、「人に自慢できる」との声も。4位の「鎌倉」は、利便性よりイメージの良さが53.7％と突出しており、6位の「中目黒」もイメージ、知名度の理由が目立った。7位の「浦和」、8位の「大宮」は、利便性に加え、通勤や通学のしやすさが理由に。また、投票者の9割近くが埼玉県居住者であり、現住地に近いことも理由の1つとなった。10位の「恵比寿」も利便性、イメージの良さ以外に「格好良いと思われる」という回答が多かった。
一方、回答者の中には「現実的には一生住まない」としている人も44.5％いた。「家賃が高くて払えない」「価格が高くて買えない」等の理由があげられた。
さらに、この結果を回答者の属性別に分析した。20～60歳以上までのすべての年代、40歳未満の男女別、50歳未満「子供あり夫婦」のすべての属性でも1位は「吉祥寺」、2位は「横浜」と昨年と同様の結果となった。3位以降は、20～30歳代では「中目黒」「東京A」「恵比寿」「新宿」等東京23区の人気が高く、年齢が上がるにつれて、「鎌倉」「大宮」「浦和」等の郊外の駅の順位が上がる傾向となった。また、男性は繁華街のある「東京A」「新宿A」等の駅を好む一方、女性や50歳未満「子供あり夫婦」でも「鎌倉」「浦和」「流山おおたかの森」といった郊外の街を好む傾向に。さらに、年齢が上がるにつれて「住みたい街はない」「今住んでいる街に住み続けたい」との声も増加した。
住みたい街ランキングは、投票方式により微妙に順位の変動が生じる。これは、投票方式によるバイアスが影響するという仮説がある。「みなとみらい」は、同調査で採用しているフリーワード・サジェスト方式では3位に、候補駅選択方式では4位にランクインしているが、都道府県や沿線を選択してから住みたい駅に投票する方式では上位にランクインしていない。これは、都道府県沿線選択方式および沿線駅選択方式では、住みたい駅の沿線を知らないと投票できないというバイアスがあることを強く示唆している。フリーワード・サジェスト方式がもっともバイアスが少ないとされているが、バイアスを完全になくすことは極めて困難であることから、どの調査でもバイアスが含まれることを認識し調査結果を参考にする必要がある。
◆首都圏住みたい街（駅）ランキング
1位：吉祥寺（JR中央線）
2位：横浜（JR東海道本線）
3位：みなとみらい（みなとみらい線）
4位：鎌倉（JR横須賀線）
5位：東京A（JR山手線）
6位：中目黒（東京メトロ日比谷線）
7位：浦和（JR京浜東北線）
8位：大宮（JR京浜東北線）
9位：新宿A（JR山手線）
10位：恵比寿（JR山手線）
◆首都圏住みたい街（自治体）ランキング
1位：世田谷区
2位：港区
3位：武蔵野市
4位：渋谷区
5位：鎌倉市
6位：目黒区
7位：新宿区
8位：横浜市中区
9位：杉並区
10位：文京区
