手足口病、流行警報発令中…埼玉県

 埼玉県は2022年8月5日、手足口病の患者報告数が増加し流行警報の基準値を超えたことを発表した。特に患者数が多いのは、春日部保健所管内と鴻巣保健所管内。

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手足口病:定点当たり報告数
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 埼玉県は2022年8月5日、手足口病の患者報告数が増加し流行警報の基準値を超えたことを発表した。特に患者数が多いのは、春日部保健所管内と鴻巣保健所管内。

 手足口病とは、4歳くらいまでの乳幼児を中心に夏季に流行がみられる病気。感染してから3~5日後に口の中や手のひら、足の裏や足の甲等に2~3mmの水疱性の発疹が出る。38度以下の発熱をともなうこともある。ほとんどは数日間のうちに治るが、まれに髄膜炎等の合併症をともなうことがあり、有効な特効薬や予防接種、治療法はないとされている。

 埼玉県感染症発生動向調査による県内医療機関(定点)からの報告数は、2022年第30週(2022年7月25日~7月31日)において1定点当たり6.06人となり、流行警報の基準値5人を超えた。基準値を超えるのは、2019年(令和元年)以来3年ぶり。

 保健所管内別での1定点当たり報告数は、多い順に春日部保健所(13.33人)、鴻巣保健所(12.67)、ついで越谷市保健所(7.75人)、さいたま市保健所(7.23人)、川越市保健所(6.75人)。

 手足口病は基本的には軽い症状だが、まれに髄膜炎等の合併症が起こる場合がある。罹患したら経過観察を行い、高熱や頭痛、嘔吐等の症状がひどい場合は、すぐに医療機関を受診すること。

 おもな感染経路は、患者の咳やくしゃみなどのしぶき(飛沫)に含まれるウイルスを吸い込むことによる「飛沫感染」や、ウイルスが付いた手で口や鼻等の粘膜に触れることによる「接触感染」、便の中に排泄されたウイルスが口に入る「経口感染」。埼玉県では、「しっかりと手洗いをして感染予防に努めましょう」と呼びかけている。

《木村 薫》

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