【大学受験2023】私大一般前期、上智や拓殖等で志願者増…入試改革影響

 大学通信は2023年2月9日、2023年度の大学入試関連情報を発表した。大学入学共通テストの最終集計公表に続き、2月3日には文科省が公立大2次試験の志願者数を発表、出願締切日の速報値は38万7,085人、志願倍率は3.9倍となった。

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 大学通信は2023年2月9日、2023年度の大学入試関連情報を発表した。大学入学共通テストの最終集計公表に続き、2月3日には文科省が公立大2次試験の志願者数を発表、出願締切日の速報値は38万7,085人、志願倍率は3.9倍となった。

 私立大の一般選抜は、すでに前期試験の合格者発表が始まっている。2月8日までに出願を締め切った私立大の志願状況(共通テスト利用入試含む。昨年差は2月8日以前に出願を締め切る方式の合計で算出)をみると、首都圏で志願者の増加が目立つのは、上智大、拓殖大、東京電機大、明治学院大等。

 中でも拓殖大は、82%と大きく増加。昨年大きく減った(17%減)反動に加え、出願締切が大学入学共通テスト(以下、共通テスト)後で、併願受験料の割引や英語外部試験のスコアを「みなし点」とする制度を導入したことが増加に繋がったという。また、共通テスト方式に限定すると、前年比3.8倍の増加。もっとも増加した外国語は全方式合計で2.8倍に増えた。

 明治学院大は20%増加。一般入試英語外部検定利用型と共通テスト利用入試の増加が著しい。上智大は18%増加。大学で受験する選抜方式ではやや減ったが、共通テストの成績だけで判定する方式で従来の4教科型に加えて3教科型を導入し、その志願者数が昨年の2.2倍に増加した。現在集計中の大正大は新設のチャレンジ入試や共通テスト方式を中心に18%増加がみられる。同様に東京電機大も18%増加、最大4学科の併願ができるようになり、英語外部試験利用方式を中心に増加した。

 近畿圏では、関西外国語大が40%と大きく増加。学部の新設、学科併願の受験料割引に加え、共通テスト利用入試(3・2科目型)に5科目型を新設。入試改革により、共通テスト利用入試は昨年比57%の増加となった。その他、関西学院大は15%増加。現在集計中の甲南大は、中期日程を新設して外部英語試験活用型入試を前期・中期に導入し16%増加した。
 
 このように2023年度は入試方式の新設、受験料の併願割引等を実施した大学の志願者数が増加傾向にあった。2月6日までの判明分で、志願者数が10万人を超えたのは、多い順に近畿大、明治大、千葉工業大(集計中)の3校。1位の近畿大は13万5,048人で2位の明治大と約2万8,000人の差がある。大学プレスセンターは、最終的な志願者数は後期出願締切後の確定となるが、「2023年も近畿大が一般選抜の志願者数トップになりそうだ」と予測している。


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《川端珠紀》

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