大学・研究機関の特許拒絶件数、2位東大…1位は?

 パテント・リザルトは2023年8月9日、2022年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「大学・研究機関業界 他社牽制力ランキング2022」をまとめたと発表。トップ3は産総研、東大、JST。データ価格は5万5,000円(税込)。

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大学・研究機関業界 他社牽制力ランキング2022 上位10社
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 パテント・リザルトは2023年8月9日、2022年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「大学・研究機関業界 他社牽制力ランキング2022」を発表。トップ3は産総研、東大、JSTとなった。データ価格は5万5,000円(税込)。

 パテント・リザルトは日本特許庁に特許出願され、2022年12月までに公開されたすべての特許のうち、2022年1月から12月末までの期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を抽出。ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っている。なお、2023年5月末時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性がある。業種は、総務省の日本標準産業分類を参考に分類。

 集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化するうえで、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになるという。集計の結果、2022年にもっとも引用された企業は、1位産業技術総合研究所、2位東京大学、3位科学技術振興機構となった。

 1位産業技術総合研究所のもっとも引用された特許は「負極集電体からの負極合剤の剥離や、負極活物質の脱離を防ぎ、寿命特性に優れた非水電解質二次電池」に関する技術で、クラレやマクセルなど計5件の審査過程で引用されているという。このほかには「化学物質センサシステム」に関する技術が引用された件数の多い特許としてあげられ、コニクインコーポレイテッドなどの計5件の拒絶理由として引用されている。2022年に、産業技術総合研究所の特許によって影響を受けた件数がもっとも多い企業は、富士電機(13件)、ついで豊田中央研究所(12件)であったという。

 2位東京大学のもっとも引用された特許は「反応系の改善によりpH管理を容易にするとともに反応容器の密閉を可能にしたセルロースナノファイバーの製造方法」に関する技術で、日本製紙などの計5件の審査過程で引用されている。このほか「交通事故発生予報装置」に関する技術が引用された件数の多い特許としてあげられ、東芝やNECの計4件の拒絶理由として引用されている。2022年に、東京大学の特許によって影響を受けた件数がもっとも多い企業はNEC(12件)、ついでトヨタ自動車(10件)であったという。また、3位は科学技術振興機構、4位は東北大学、5位は京都大学と続いた。

 データ提供価格は5万5,000円(税込)。大学・研究機関業界の被引用件数上位50機関のランキングや、大学・研究機関業界の被引用件数上位100件および引用先の特許との対応を掲載している。データはエクセルファイル形式で、メールで納品される。データ一式を収録したCD-Rでの納品を希望する場合は、相談することができる。申込みは、Webサイトの申込フォームより行う。

◆大学・研究機関業界 他社牽制力ランキング2022
1位:産業技術総合研究所
2位:東京大学
3位:科学技術振興機構
4位:東北大学
5位:京都大学
6位:大阪大学
7位:UNIVERSITY OF CALIFORNIA
8位:東海国立大学機構
9位:東京工業大学
10位:農業・食品産業技術総合研究機構

データ価格:5万5,000円(税込)
申込方法:Webサイトの申込フォームより申し込む

《いろは》

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