【大学受験2023】私大、一般志願者4%減…総合型・推薦型の割合上昇

 旺文社教育情報センターは2023年9月29日、「私大入試 一般志願者減少傾向に!総合型・推薦型志向は継続」と題した入試分析をWebサイトに掲載した。2023年の私立大学一般選抜の志願者は前年より4%減。総合型・学校推薦型選抜による入学者の割合は上昇傾向が続いている。

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私立大学一般選抜の志願者数の推移 (c) 2023 旺文社 教育情報センター
私立大学一般選抜の志願者数の推移 (c) 2023 旺文社 教育情報センター 全 3 枚 拡大写真

 旺文社教育情報センターは2023年9月29日、「私大入試 一般志願者減少傾向に!総合型・推薦型志向は継続」と題した入試分析をWebサイトに掲載した。2023年の私立大学一般選抜の志願者は前年より4%減。総合型・学校推薦型選抜による入学者の割合は上昇傾向が続いている。

 「私大入試 一般志願者減少傾向に!総合型・推薦型志向は継続」は、旺文社の調査データをもとに2023年度私立大学入試を振り返ったもの。

 私立大学一般選抜の志願者数(延べ数)は、2007年以降2019年までながらく増加の一途をたどったが、2020年は14年ぶりに減少。続く2021年を境に潮目が変わったとみられ、受験生や保護者の安全志向が総合型・推薦型での大学進学を後押し。一般選抜受験層の厚みが失われつつあり、2023年の一般選抜志願者は前年より4%減少した。

 一般選抜志願者数が「当年・前年とも」に判明した私立大学の志願者数の増減を集計した結果では、2023年は117校で合計7.9万人の志願者が増加した一方、411校で合計21.7万人の志願者を減らした。一部の「ブランド校」で志願者増がみられる一方、集計校数の8割弱が志願者を減らしており、入学定員の規模が小さくなるにつれて志願者数が減少した大学の割合が高まっている。

 志願者数の多い上位大学の占有率は、上位10校で33.4%と総数の約3割を占め、上位30校で59.3%と半数を超えている。さらに上位100校までをみると占有率は85.9%、上位200校ではおよそ96%にまで達し、志願者の上位校集中化が進んでいることがうかがえる。

 私立大学一般選抜志願者数に占めるエリア別の占有率は、関東59.0%、関西24.1%、東海8.1%、九州4.2%、中国1.3%、東北1.1%、北海道1.1%、北陸0.7%、甲信越0.2%、中国0.2%。3大都市圏(埼玉・千葉・東京・神奈川・愛知・京都・大阪・兵庫)で9割に迫る占有率となり、中でも東京の占有率は圧倒的に高く、関東に占める割合が80.8%、全国で見ると47.7%。全国の一般選抜志願者の半数近くが東京に集まっていることがわかる。

 一方、総合型選抜と学校推薦型選抜による入学者の割合は年々上昇。2023年集計によると、総合型+学校推薦型(公募制、指定校制、付属校・系列校)での入学者は、前年より0.9ポイント増の56.1%。なかでも総合型での入学者割合は1.5ポイントアップした。

 受験生数が減少傾向の中、大学や学部学科の新設、既設大学の定員増などで受け皿は大きくなっており、私立大学全体ではいずれの入試方式でも倍率は前年よりも低下。合格のハードルは明らかに下がってきている。旺文社教育情報センターは、「総合型・推薦型志向の高まり、一般選抜受験者の厚み低下という状況下で、大学にとっては各入試方式別の入学者のバランスをどのように取るかとともに、入学者そのものの確保が引き続き重要な課題となる」と分析している。

 入試分析の詳細は旺文社教育情報センターのWebサイトから閲覧可能。「2025年 新課程入試:各大学予告一覧(更新版)」なども掲載している。

《畑山望》

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