東北大、2024年にエルゼビアと転換契約…論文OA化を加速

 東北大学は2023年10月12日、2024年より世界有数の学術出版社エルゼビア(Elsevier B.V.)との転換契約を開始すると発表した。これにより、世界に向けて研究成果である論文のOA(オープンアクセス)化を一層加速させるねらい。

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 東北大学は2023年10月12日、2024年より世界有数の学術出版社エルゼビア(Elsevier B.V.)との転換契約を開始すると発表した。これにより、世界に向けて研究成果である論文のOA(オープンアクセス)化を一層加速させるねらい。

 東北大学は2024年より、日本の大学図書館の代表として学術ジャーナル出版社との契約交渉を行う大学図書館コンソーシアム連合(JUSTICE)とエルゼビアが合意した、論文のOA出版に関する転換契約提案に参加することを決定した。

 転換契約とは、論文の閲覧のために大学などが出版社に対して支払っている費用を、論文出版のための費用(APC:オープンアクセス掲載公開料)へと段階的に転換させ、それによって論文のOA出版の拡大を目指す契約を指す。

 東北大学では2022年のワイリー、2023年のシュプリンガーネイチャーに続いて、2024年1月からエルゼビアと契約することにより、世界の三大学術出版社のすべてと転換契約を結ぶことになる。これにより、東北大学の研究成果である論文のOA化が一層加速することに加え、一般市民が研究論文に無料でアクセスすることが可能になるなど、オープンサイエンスの進展にも大きく寄与することが期待される。

 また東北大学では、2023年9月より、国際的な学術ジャーナルに投稿される論文のOAにかかる論文掲載料(APC)の支援事業も独自に実施。APCは著名なジャーナルほど高額となり、特に若手研究者にとってその費用負担が課題となっている中、若手研究者を中心に一定の評価のあるジャーナルへのAPCを支援している。

 今回のエルゼビアとの転換契約により、支援事業の対象は大幅に拡大し、研究者への支援をより充実させることが可能となる。東北大学は転換契約とAPC支援事業によって、若手研究者を中心とした研究者への支援とOA推進を実現し、日本の大学の研究力の向上に貢献していきたいとしている。

《畑山望》

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