不登校経験者94%、スクールカウンセラーは再登校実現できない

 スダチは2024年2月13日、子供の不登校を経験した保護者を対象に実施したスクールカウンセラー(スクールソーシャルワーカーを含む)の実情についてアンケート結果を公表した。94%の保護者が、再登校は実現できないと受け止めていたことが明らかになった。

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スクールカウンセラーとの面談で再登校が実現できると思いましたか?
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 スダチは2024年2月13日、子供の不登校を経験した保護者を対象に実施したスクールカウンセラー(スクールソーシャルワーカーを含む)の実情についてアンケート結果を公表した。94%の保護者が、再登校は実現できないと受け止めていたことが明らかになった。

 スダチは2023年12月、子供の不登校を経験し、過去にスダチのサービスを利用した238名を対象に、スクールカウンセラー(スクールソーシャルワーカーを含む)の実情についてのアンケートを実施。74名から回答を得た。

 調査によると、不登校を経験した際、多くの保護者がまずはスクールカウンセラーに相談していることがあらためて明らかになった。しかし、面談しても不安の解消にはつながらず、94%の保護者が再登校は実現できないと受け止めていたことがわかったという。

 一方で、34%がまた不登校になった際も、スクールカウンセラーに相談すると回答。カウンセラーに悩みを吐き出すことで落ち着くことができたという感想もあり、再登校実現以外の目的では、相応の役割があることもうかがえる結果となった。

 スクールカウンセラーは不登校児童生徒のケアをはじめ、児童生徒・保護者・教職員の相談窓口となることを目的に、国が1995年度から実践研究を開始。2022年度には全国約3万校の小中高校へ配置が完了している。しかし、人材不足で配置が偏在している地域もあり、その運用には多くの課題が残されている。

 また、2021年11月4日の産経新聞産経WESTによると、スクールカウンセラーの配置数増加にともない、不登校児童生徒数は増加。2020年にはスクールカウンセラーの配置が計画が3万550件であったのに対し、不登校児童生徒数は19万6,127人に増加しており、その課題が指摘されているという。

 行動療法に基づいた再登校支援を続ける明治学院大学心理学部の小野昌彦教授は、今回の調査について「保護者を対象としたスクールカウンセラーに対する意識の研究は過去に例がなくオリジナルな取組みだ」と評価した。そのうえで、「国は、このような調査結果をもとにスクールカウンセラーに関する政策の方向修正を行っていくべきだ」と指摘している。

《いろは》

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