【高校受験2024】大阪府公立高入試<国語>講評…昨年度並みの難易度

 2024年3月11日(月)、令和6年度(2024年度)大阪府公立高等学校入学者選抜のうち、一般入学者選抜の学力検査が実施された。開成教育グループの協力を得て、「国語」(C問題、B問題)の講評を掲載する。このほかの教科(全5教科)についても、同様に掲載する。

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【高校受験2024】大阪府公立高入試<国語>講評
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 2024年3月11日(月)、令和6年度(2024年度)大阪府公立高等学校入学者選抜のうち、一般入学者選抜の学力検査が実施された。3月6日の出願締切時点(2024年3月7日発表)で、単位制を除く全日制普通科(専門学科併置校を含む)は募集人員2万884人に対して、学校全体の志願者数が2万1,612人、競争率は1.03倍となった。

 リセマムでは、開成教育グループの協力を得て、「国語」(C問題、B問題)の講評を掲載する。このほかの教科(全5教科)についても、同様に掲載する。

大阪府<国語>講評
(開成教育グループ 提供)

C問題 昨年度からの難易度変化:なし

  大問1 説明文       やや難 
  大問2 古文         標準
  大問3 漢字の読み書き・漢文 標準
  大問4 論説文        難
  大問5 作文        難

B問題 昨年度からの難易度変化:なし

  大問1 漢字の読み書き    標準
  大問1 論説文        難
  大問2 古文      標準
  大問4 論説文     やや難

C問題 

 問題構成は昨年度と大きな変化はなく、難易度も昨年度並みであった。説明的文章の読解問題2問のうち、1問は『古今集』の和歌の感動表現の特色を説明したもので、昨年度に続き、韻文の引用をともなった文章であった。もう1問は、科学研究の対象とは異なる様相を持つ歴史の意味について哲学的に論じた文章であった。難易度のバロメーターともなる記述説明問題の指定字数は、今年度は3問で155字になり、昨年度の180字からやや減少している。本文の要点把握を基礎に解答の筋道を考え、本文中の複数箇所の文言を組み合わせて解答を作成する力が求められる難易度の高い問題である。また、選択問題についても、語句の接続の仕方まで細部の丁寧な読み取りができないと正解を導くことができない問題であった。古文については、和歌の引用を伴った紀行文で、情景描写と和歌の理解が必要な問題となっていた。また、今年度も漢文の返り点が出題されている。言語事項では、文法の副詞・連体詞の識別が問われた。漢字については、「彫塑」の読み、「骨子」の書き取りなど、語彙力が問われる問題であった。作文は、近年続いていた表やグラフの読み取りからそれ以前の出題形式に戻り、2人の作家の言葉を資料として示し、そこから考えたことをもとに「読書」とはどのようなものかを書くという問題であった。思考力が問われる問題が多く、限られた時間の中で解ききるためのすばやい要点把握力や答案作成力が求められた。

B問題 

 問題構成は、説明的文章の読解が2問、古文1問、作文1問、文法1問、漢字で、昨年度と同じである。難易度は例年並みで、標準的な出題である。読解問題は、1問は、独創性をテーマにして「本歌取り」に示されるような日本文化の中の創造性について論じた文章が出題された。もう1問では、俳句の季語を題材にして人工知能研究の観点から情報伝達について述べられた文章が出題されている。どちらも文化や文学をテーマにした抽象度の高い文章である。記述問題の字数は昨年から大きく増加しており、設問条件に対して適切な内容を本文より見つける訓練が必要である。古文については歴史的仮名遣いの読み取りなどを含む、基本を重視した問題であることは例年通り変わっていない。文法は、動詞の活用形の識別が出題された。作文は、「合意の形成に向けての話し合いを行う際に心がけたいと考えること」というやや複雑・抽象的なテーマについて、条件に合わせて自分の考えを述べるという形式になっており、ここ最近用いられていたグラフなどの資料をもとに論じる形から、以前の形に戻っている。


 このレポートは2024年3月12日(火)に開成教育グループが作成したもの。

協力:開成教育グループ



《編集部》

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