本格的な暑さ前に早め対策「暑熱順化前線」で熱中症ゼロへ

 日本気象協会は2024年4月9日、「熱中症ゼロへ」プロジェクトの一環として、各地域で暑熱順化(しょねつじゅんか)が必要なタイミングの目安を示した「熱中症ゼロヘ 暑熱順化前線(第1回)」をプロジェクト公式サイトに公開した。もっとも早い沖縄で4月中旬、東京では5月下旬ごろが目安となっている。

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熱中症ゼロヘ 暑熱順化前線(第1回)
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 日本気象協会は2024年4月9日、「熱中症ゼロへ」プロジェクトの一環として、各地域で暑熱順化(しょねつじゅんか)が必要なタイミングの目安を示した「熱中症ゼロヘ 暑熱順化前線(第1回)」をプロジェクト公式サイトに公開した。もっとも早い沖縄で4月中旬、東京では5月下旬ごろが目安となっている。

 年々、暑さの早期化、酷暑化が進む中、日本気象協会は、本格的な暑さを迎える前からできる熱中症対策として、暑さに強い体づくりの重要性を訴えている。事前に体を暑さに慣れさせることを「暑熱順化」といい、暑熱順化を行うことで体は次第に暑さに慣れ、暑さに強くなるという。個人差もあるが、暑熱順化には数日から2週間程度かかるため、本格的な暑さを迎える前から余裕をもって体を暑さに慣れさせることが熱中症リスクの低減につながる。

 日本気象協会は、暑熱順化の大切さについて広く知ってもらうことを目的に、各地域で暑熱順化が必要なタイミングの目安を示した「熱中症ゼロヘ 暑熱順化前線(第1回)」を公開。暑熱順化を始める目安として、那覇は4月中旬、福岡は4月下旬、大阪・名古屋・仙台は5月中旬、東京・新潟・北海道は5月下旬といったタイミングを勧めている。

 暑熱順化は、軽い運動や湯船につかる入浴など、無理のない範囲で汗をかくことで体を暑さに慣れさせることができる。また、本格的な夏を迎える前からエアコンの点検や試運転を行う、暑さ対策アイテムをそろえるなど、熱中症は気象災害であることを意識し「備える」ことも重要。1898年の統計開始以降もっとも暑かった2023年の夏に続き、2024年も夏の気温は全国的に平年より高くなる見込み。4月から最高気温が30℃以上となる真夏日が出る可能性もあり、早めの熱中症対策を意識して行うことが求められる。

 「熱中症ゼロへ 暑熱順化前線(第2回)」は、盛夏の暑さを迎える前の6月上旬ごろに公表予定。あわせて、暑熱順化の具体的な方法を公式サイトやX(旧Twitter)で随時発信していくほか、プロジェクト公式サイトの「暑熱順化」コンテンツページでは、ダウンロード・印刷できる「暑熱順化ポイントマニュアル」も掲載している。

 4月以降の天気について、日本気象協会所属の気象予報士・防災士・熱中症予防指導員・久保智子氏は、「4月から5月は暖かい空気に覆われやすく、東日本や西日本、沖縄・奄美で気温が平年より高くなる見通し。東日本や西日本を中心に、4月後半から最高気温が30℃以上の真夏日を観測し、季節外れの暑さとなる所がありそうです」との見解を示している。

《畑山望》

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