高校選び、公立は「進学実績・部活」私立は「校舎・設備」重視

 ネオマーケティングは2024年5月15日、「学校プランディングに関する調査」の結果を発表した。学生の半数以上が進路・進学について親に相談しているが、高校選びにおいて、親世代と現役学生世代の選定ポイントに差があることがわかった。

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高校に入学する際の選定理由
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 ネオマーケティングは2024年5月15日、「学校プランディングに関する調査」の結果を発表した。学生の半数以上が進路・進学について親に相談しているが、高校選びにおいて、親世代と現役学生世代の選定ポイントに差があることがわかった。

 「学校プランディングに関する調査」は、2024年2月5日から7日にかけて、全国の15歳以上69歳以下の男女のうち、現役高校生もしくは高校生以上の子をもつ親を対象にインターネットで実施した。有効回答数は1万1,259名。

 高校に入学する際の選定理由は、いずれの区分・世代においても「教育レベルの高さが適切であった」がもっとも多いことがわかった。公立の場合は「地理的な利便性(自宅から通いやすい)」も重要な指標となっているようだ。しかし公立高校においては、現役学生世代が親世代より「進学率・進学実績」を18.0ポイント、「クラブ活動」を16.3ポイント重視する結果となった。私立においては、現役学生世代が親世代より「校舎が綺麗」が16.5ポイント、「設備の充実」が7.8ポイント多かった。

 次に、進路・進学について相談する(した)相手を聞いたところ、現役学生は私立・公立共に、「親」への相談が最多となった。公立学生で50.8%、私立学生で71.0%と、半数を超えており、親の価値観や経験が、子供の進学先選定に大きく影響していそうだ。一方、その親世代が子供の進路・進学について相談する(した)相手としては、「親」が26.7%でトップ、その次に「学校の先生」が25.2%となった。

 自身が通っている(通った)高校は今後10年後どのような状態になると思うか聞いたところ(すでに卒業している人は卒業した高校を想定して回答)、私立・公立どちらも80%以上、国立についても74.9%と大多数が存続を予想しており、現役学生側・出身者側からは、現時点であまり廃校の危機感を抱いていないことがわかった。

 しかし現実問題として、文部科学省によると公立学校は2002年度から2020年度の間で、延べ8,580校(小学校5,678校、中学校1,721校、高等学校1,181校)が廃校しているという。また、2024年度から東京都では私立を含めたすべての高校を対象とする「授業料の実質無償化」を実施。他県もそれに追随する動きを見せている。今後は私立と公立の差別化が難しくなる可能性もあり、公立高校の廃校危機はますます深刻なものとなりそうだ。

 ネオマーケティングは「存続を当然として期待する現役学生側・出身者側のためにも、教育レベルがマッチしただけの理由でなんとなく選ばれるのではなく、明確に『選ばれる学校』になるためのブランディングがやはり重要になってくる」としている。

《中川和佳》

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