明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科 宮下芳明研究室は、脂質ゼロの油を生成する「Virtual Oil Generator」、脂質・糖類ゼロのクリームを生成する「Virtual Cream Generator」の研究成果を、2024年9月2日~4日に北海道情報大学にて発表する。
明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科 宮下研究室はこれまで、複数の味溶液を混合しさまざまな味を提示する味覚メディアを開発してきた。口臭をともなわないニンニクや、甲殻アレルギーでも食べられるカニクリームコロッケなど、食品の常識を覆す成果を実現した。
2023年は、20タンクを0.02ml単位で混合し、10の60乗(1那由他)通りの味の組みあわせが出力できる調味装置「TTTV3」を発表。ワインやカカオにおいて産地や品種による味の違いまで表現し、多くの学会受賞・報道がなされたという。2024年は、この味覚メディアを発展させ「食感」も制御することによって、従来では難しかった油やクリームの表現を可能にした。
脂質ゼロの油を生成する「Virtual Oil Generator」は、明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科3年の小平乙寧氏と宮下教授によるもの。口に残る食感や粘性、脂質感をイヌリン(水溶性食物繊維)で調整し、滑らかさを低強度寒天で調整することによって、脂質を使用せずに油の食感を口内でもたらすという。
「Virtual Cream Generator」の研究は、明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科の宮下教授と3年の千田知佳氏、奥野達也氏によるもの。ゲル化や気泡をゼラチンで調整し、粘性をサイリウムで調整することによって、クリームの食感を口内にもたらすという。さらに、甘味の調整には糖類ではない甘味料を用いることで、脂質も糖類もゼロのカスタードクリームやホイップクリームが生成される。卵も牛乳も不要であるため、アレルギーのある人でも安心して食べることができるという。
研究成果については、9月2日~4日に北海道情報大学で開催される学会「Entertainment Computing 2024」で、デモンストレーションが行われる。
◆Entertainment Computing 2024
日程:2024年9月2日(月)~4日(水)
会場:北海道情報大学